日本の赤系伝統色15選|色名・HEXコード・由来一覧
日本の伝統色のなかでも、赤系の色は特に豊かなバリエーションを持っています。朱色、紅色、茜色、臙脂色…。どれも「赤」の一言では片づけられない、微妙な色味の違いと独自の歴史を持つ色たちです。この記事では、日本の赤系伝統色の中から厳選した15色について、色名・読み・HEXコード・RGB値・由来を一覧で紹介し、それぞれの色が持つ個性と魅力に迫ります。
日本の赤系伝統色15選 一覧
まず、今回紹介する15色を一覧表にまとめます。明るい赤から暗い赤まで、明度順に並べています。
| No. | 色名 | 読み | HEX | RGB | 系統 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 珊瑚色 | さんごいろ | #EE8888 | 238,136,136 | 淡い赤 |
| 2 | 紅梅色 | こうばいいろ | #E85070 | 232,80,112 | 赤ピンク |
| 3 | 薔薇色 | ばらいろ | #E73275 | 231,50,117 | 鮮やかな赤ピンク |
| 4 | 韓紅花 | からくれない | #E2415C | 226,65,92 | 鮮やかな赤 |
| 5 | 朱色 | しゅいろ | #E34234 | 227,66,52 | 赤橙 |
| 6 | 猩々緋 | しょうじょうひ | #E2193B | 226,25,59 | 強い赤 |
| 7 | 紅色 | べにいろ | #D7003A | 215,0,58 | 純粋な紅 |
| 8 | 緋色 | ひいろ | #D3381C | 211,56,28 | 赤橙(やや暗め) |
| 9 | 茜色 | あかねいろ | #B7282E | 183,40,46 | 深い赤 |
| 10 | 蘇芳 | すおう | #A22041 | 162,32,65 | 暗い赤紫 |
| 11 | 臙脂色 | えんじいろ | #9B111E | 155,17,30 | 暗い赤 |
| 12 | 小豆色 | あずきいろ | #96514D | 150,81,77 | 赤茶 |
| 13 | 弁柄色 | べんがらいろ | #8F3E2C | 143,62,44 | 赤褐色 |
| 14 | 海老茶 | えびちゃ | #773C30 | 119,60,48 | 暗い赤茶 |
| 15 | 栗梅 | くりうめ | #5C2018 | 92,32,24 | 極めて暗い赤 |
各色の詳細解説
1. 珊瑚色(さんごいろ)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| HEX | #EE8888 |
| RGB | R:238 G:136 B:136 |
| 由来 | 珊瑚の枝のような柔らかい赤色から |
珊瑚色は、海中で育つ珊瑚の枝の色に由来する淡い赤色です。明るく温かみがあり、穏やかで親しみやすい印象を与えます。西洋の「コーラル」に近い色味ですが、日本の珊瑚色はやや落ち着いたトーンが特徴です。
2. 紅梅色(こうばいいろ)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| HEX | #E85070 |
| RGB | R:232 G:80 B:112 |
| 由来 | 紅梅の花の色から |
紅梅色は、早春に咲く紅梅の花を写し取った色です。平安時代から襲の色目として愛用され、『源氏物語』にも登場する由緒ある色名です。やや青みがかった華やかな赤ピンクが特徴で、若々しさと気品を兼ね備えた色として、現代の着物や和雑貨にも用いられています。
3. 薔薇色(ばらいろ)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| HEX | #E73275 |
| RGB | R:231 G:50 B:117 |
| 由来 | 薔薇の花びらの鮮やかな赤から |
薔薇色は、西洋のバラが日本に渡来した後に定着した色名です。鮮やかで華麗な赤ピンクで、「バラ色の人生」という表現があるように、幸福や華やかさの象徴としても使われます。
4. 韓紅花(からくれない)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| HEX | #E2415C |
| RGB | R:226 G:65 B:92 |
| 由来 | 韓(から=中国大陸)から伝来した紅花染めの深い赤 |
韓紅花は、紅花を濃く染め上げた鮮やかな赤です。「唐紅」とも書かれ、中国大陸から伝わった紅花の染色技法に由来します。『古今和歌集』に「ちはやぶる神代も聞かず竜田川 からくれなゐに水くくるとは」と詠まれた色でもあり、日本文学における赤の代名詞的存在です。
5. 朱色(しゅいろ)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| HEX | #E34234 |
| RGB | R:227 G:66 B:52 |
| 由来 | 天然鉱物の辰砂(しんしゃ)から採れる朱の顔料 |
朱色は、日本の赤系色の中でも最も象徴的な色の一つです。鳥居や神社の建築に使われる鮮やかな赤橙色で、辰砂(硫化水銀)という鉱物から採取される朱の顔料に由来します。神聖さや魔除けの意味を持ち、古来より宗教的建築物や公文書の印鑑に用いられてきました。
6. 猩々緋(しょうじょうひ)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| HEX | #E2193B |
| RGB | R:226 G:25 B:59 |
| 由来 | 伝説上の猩々の血のような赤 |
猩々緋は、中国の伝説に登場する酒好きの妖怪「猩々」の血の色に由来するとされる鮮烈な赤です。安土桃山時代に南蛮貿易でもたらされた鮮やかな赤い毛織物がこの名で呼ばれ、戦国武将たちの陣羽織に珍重されました。
7. 紅色(べにいろ)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| HEX | #D7003A |
| RGB | R:215 G:0 B:58 |
| 由来 | 紅花(べにばな)の花弁から抽出した紅の色 |
紅色は、紅花から抽出された赤い色素で染めた色です。紅花一貫(約3.75kg)からごくわずかな量しか採れない貴重な色素であり、そのため「紅一点」という言葉が生まれたほどです。純度の高い鮮やかな赤で、口紅や頬紅にも古くから使われてきました。
8. 緋色(ひいろ)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| HEX | #D3381C |
| RGB | R:211 G:56 B:28 |
| 由来 | 茜と灰汁で染めた赤橙色 |
緋色は、茜(あかね)を主原料として染め上げた赤橙系の色です。律令制度のもとでは高位の官人のみが着用を許された色であり、権力と格式の象徴でした。「緋毛氈(ひもうせん)」として茶道や雛祭りでも馴染みのある色です。
9. 茜色(あかねいろ)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| HEX | #B7282E |
| RGB | R:183 G:40 B:46 |
| 由来 | アカネ科の植物の根で染めた色 |
茜色は、アカネ科の多年草の根から採取した染料で染めた深い赤です。「茜さす」は万葉集にも頻出する枕詞で、夕焼けの空の色を「茜色」と表現することは現代でも広く親しまれています。温かみのある深い赤が、ノスタルジックな情感を呼び起こします。
10. 蘇芳(すおう)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| HEX | #A22041 |
| RGB | R:162 G:32 B:65 |
| 由来 | マメ科の蘇芳の木の芯材から取れる染料 |
蘇芳は、東南アジア原産のマメ科植物「蘇芳」の芯材を煮出して得る染料に由来します。赤と紫の中間のような暗い色合いで、正倉院の染織品にも使われていた古い歴史を持ちます。渋さと品格を併せ持つ色として、落ち着いたデザインに向いています。
11. 臙脂色(えんじいろ)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| HEX | #9B111E |
| RGB | R:155 G:17 B:30 |
| 由来 | カイガラムシから採れる臙脂の染料 |
臙脂色は、暗く深い赤です。もともとは中国から伝わったカイガラムシ由来の赤い色素「臙脂」に由来しますが、日本では紅花の濃染めでも表現されました。高校や大学のスクールカラーに採用されることも多く、伝統と格式を感じさせる色です。
12. 小豆色(あずきいろ)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| HEX | #96514D |
| RGB | R:150 G:81 B:77 |
| 由来 | 小豆の皮の色から |
小豆色は、和菓子でおなじみの小豆(あずき)の皮の色に由来する赤茶色です。赤みのある落ち着いた茶色で、暮らしに身近な色名として広く知られています。和のテイストを出したいデザインに、素朴で温かい印象をもたらします。
13. 弁柄色(べんがらいろ)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| HEX | #8F3E2C |
| RGB | R:143 G:62 B:44 |
| 由来 | インドのベンガル地方から渡来した赤色顔料 |
弁柄色は、酸化鉄を主成分とする顔料「弁柄(べんがら)」に由来する赤褐色です。インドのベンガル地方から輸入されたことからこの名が付きました。耐久性に優れた顔料であるため、日本各地の伝統的建造物の外壁に塗られ、「弁柄格子」として京都の町家の風景にも溶け込んでいます。
14. 海老茶(えびちゃ)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| HEX | #773C30 |
| RGB | R:119 G:60 B:48 |
| 由来 | 伊勢海老の殻の色から |
海老茶は、伊勢海老の殻のような暗い赤茶色です。明治時代に女学生の袴の色として大流行し、「海老茶式部」は当時の女学生を指す言葉にもなりました。レトロで知的な雰囲気を持ち、クラシカルなデザインとの相性が抜群です。
15. 栗梅(くりうめ)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| HEX | #5C2018 |
| RGB | R:92 G:32 B:24 |
| 由来 | 栗色と梅染の中間色 |
栗梅は、栗色がかった暗い赤褐色です。極めて暗い赤で、秋冬の落ち着いた装いに合う渋い色です。茶道具や漆器にも見られる色で、日本の侘びの美意識を反映した色といえます。
赤系伝統色の色相比較
15色を色相の観点から分類すると、以下のようなグループに分けられます。
| グループ | 含まれる色 | 色相の特徴 |
|---|---|---|
| 赤ピンク系 | 珊瑚色、紅梅色、薔薇色 | 青み寄りの赤。華やかで女性的 |
| 純赤系 | 韓紅花、猩々緋、紅色 | 最も赤らしい赤。力強く鮮烈 |
| 赤橙系 | 朱色、緋色 | 黄み寄りの赤。温かく活発 |
| 深赤系 | 茜色、蘇芳、臙脂色 | 暗く深い赤。重厚で格調高い |
| 赤茶系 | 小豆色、弁柄色、海老茶、栗梅 | 茶色寄りの赤。素朴で渋い |
デザインでの活用例
配色パターン
赤系伝統色をデザインに取り入れる際の配色パターンをいくつか紹介します。
| テーマ | メインカラー | サブカラー | アクセント | 背景色 |
|---|---|---|---|---|
| 華やかな和モダン | 紅色 #D7003A | 金色 #C8A84E | 紺色 #1B294B | 生成色 #F5F0E8 |
| 秋の和デザイン | 茜色 #B7282E | 山吹色 #F8B400 | 深緑 #2D5F2D | クリーム #FFF8E8 |
| レトロクラシック | 海老茶 #773C30 | 鬱金色 #D4A017 | 藍色 #165B8C | 白練 #F3F1E6 |
| 神社仏閣風 | 朱色 #E34234 | 墨色 #343434 | 白 #FFFFFF | 木色 #C4A87D |
| フェミニン和風 | 紅梅色 #E85070 | 藤色 #B8A0D2 | 若草色 #A8C97F | 薄桜 #FDF0F0 |
Webデザインでの注意点
赤系の色をWebデザインに使用する際は、以下の点に注意が必要です。
| ポイント | 説明 |
|---|---|
| アクセシビリティ | 赤は色覚多様性のあるユーザーに見分けにくい場合がある。色だけに頼らず、形状やテキストでも情報を伝える |
| コントラスト比 | 暗い赤(臙脂色、海老茶など)は背景色としてコントラスト比を確保しやすい。明るい赤は白文字との組み合わせに注意 |
| 使用面積 | 鮮やかな赤は大面積で使うと圧迫感が出る。アクセントカラーとして使用面積を抑えるのが効果的 |
| 文化的意味 | 日本では赤は祝い事・情熱を象徴するが、危険・警告の意味もある。文脈に合わせて使い分ける |
まとめ
日本の赤系伝統色は、自然の染料や鉱物顔料から生まれた多彩な色の宝庫です。珊瑚色の柔らかなピンクから栗梅の渋い赤褐色まで、15色それぞれが固有の歴史と美意識を持っています。デザインに伝統色を取り入れる際は、単に色コードを使うだけでなく、その色が持つ文化的背景や由来を理解することで、より深みのある表現が可能になります。この記事の一覧表を、デザインワークのリファレンスとしてご活用ください。