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日本の青系伝統色12選|藍から瑠璃まで色名一覧

青系 和色 伝統色 藍色 群青色 瑠璃色
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日本の伝統色のなかでも、青系の色は特に奥深いバリエーションを誇ります。藍色、縹色、群青色、瑠璃色…。どれも「青」の一言では表現しきれない、独自の色味と歴史を持つ色たちです。日本人は古来より青の微妙な差異に名前を与え、衣装や絵画、工芸品に用いてきました。この記事では、日本の青系伝統色のなかから厳選した12色について、色名・読み・HEXコード・RGB値・由来を一覧で紹介し、それぞれの色が持つ個性と文化的背景に迫ります。

日本の青系伝統色12選 一覧

まず、今回紹介する12色を一覧表にまとめます。明るい青から暗い青まで、明度順に並べています。

No.色名読みHEXRGB系統
1白群びゃくぐん#83C3E0131,195,224淡い青
2甕覗かめのぞき#C2DFE6194,223,230極淡い青
3空色そらいろ#A0D8EF160,216,239明るい青
4浅葱色あさぎいろ#00A3AF0,163,175青緑
5縹色はなだいろ#2B618F43,97,143中程度の青
6藍色あいいろ#165B8C22,91,140深い青
7群青色ぐんじょういろ#4C6CB376,108,179鮮やかな青
8瑠璃色るりいろ#1E50A230,80,162濃い鮮やかな青
9紺青こんじょう#0031710,49,113暗い鮮やかな青
10紺色こんいろ#1B294B27,41,75暗い青
11鉄紺てつこん#17184B23,24,75極めて暗い青
12留紺とめこん#0C163112,22,49最も暗い藍

各色の詳細解説

1. 白群(びゃくぐん)

項目内容
HEX#83C3E0
RGBR:131 G:195 B:224
由来群青を白く薄めた色、天然岩絵具の白群から

白群は、日本画の岩絵具に由来する淡い青色です。群青色の原料であるラピスラズリや藍銅鉱を細かく砕き、粒子を細かくするほど色が薄くなることから、この淡い青が生まれました。日本画では空や水の表現に欠かせない色であり、清らかで透明感のある印象を持ちます。

2. 甕覗(かめのぞき)

項目内容
HEX#C2DFE6
RGBR:194 G:223 B:230
由来藍甕(あいがめ)を覗いた程度のごく薄い藍色

甕覗は、藍染めにおいて布を藍甕にほんの一度だけ浸した程度の、極めて薄い藍色を指します。「甕を覗いたぐらいの色」という詩的な名前は、藍染めの職人文化から生まれたものです。ほのかに青みがかった白に近い色で、繊細さと清楚さを感じさせます。藍染めの色段階のなかで最も淡い色とされています。

3. 空色(そらいろ)

項目内容
HEX#A0D8EF
RGBR:160 G:216 B:239
由来晴天の空の色

空色は、その名のとおり晴れた日の空を映した明るく爽やかな青です。日本の色名のなかでも最もわかりやすい名前のひとつであり、平安時代から用いられてきました。『枕草子』にも空の色を愛でる記述があり、古くから日本人の感性に寄り添ってきた色と言えます。藍染めの中間程度の薄さに相当し、開放感と清涼感を与えます。

4. 浅葱色(あさぎいろ)

項目内容
HEX#00A3AF
RGBR:0 G:163 B:175
由来薄い葱(ねぎ)の葉の色に近い青緑

浅葱色は、青と緑の中間に位置する鮮やかな色です。名前の「浅葱」は薄い葱の色を意味しますが、実際には葱の色そのものではなく、藍染めのやや薄い段階を指す色名として定着しました。幕末の新選組が隊服の羽織にこの色を採用したことで、現代でも広く知られています。鮮やかで目を引く色合いから、武士の気概を表す色としても親しまれました。

5. 縹色(はなだいろ)

項目内容
HEX#2B618F
RGBR:43 G:97 B:143
由来露草(ツユクサ)の花の色。古名「はなだ」に由来

縹色は、日本最古の青色のひとつとされる伝統色です。露草の花を摺り染めにした色が語源とされ、奈良時代には「縹」の字が用いられていたことが正倉院文書から確認されています。藍色よりもやや明るく、青そのものに近い中程度の青で、律令制度の官位に応じた衣服の色としても規定されていました。

6. 藍色(あいいろ)

項目内容
HEX#165B8C
RGBR:22 G:91 B:140
由来タデアイの葉を発酵させた藍染めの色

藍色は、日本を代表する青の伝統色です。タデアイ(蓼藍)の葉を発酵させた天然藍染料で染め上げた深く渋みのある青で、明治時代にイギリスの化学者ロバート・ウィリアム・アトキンソンが「ジャパン・ブルー」と称したことで世界的にも知られるようになりました。江戸時代、奢侈禁止令のもとで庶民が身につけられる色として爆発的に広まり、防虫効果も相まって日本人の暮らしに深く根づいた色です。

7. 群青色(ぐんじょういろ)

項目内容
HEX#4C6CB3
RGBR:76 G:108 B:179
由来鉱物の藍銅鉱(アズライト)から作った岩絵具の色

群青色は、天然鉱物のアズライト(藍銅鉱)を砕いて作った岩絵具に由来する鮮やかな青です。「群青」の名は「群がる青」、つまり濃く深い青が集まった色を意味するとされます。日本画の重要な画材として古くから珍重されており、仏画の背景や金碧障壁画の空の表現に欠かせない色でした。藍色とは異なり、鉱物由来の鮮やかな発色が特徴です。

8. 瑠璃色(るりいろ)

項目内容
HEX#1E50A2
RGBR:30 G:80 B:162
由来宝石のラピスラズリ(瑠璃)に由来

瑠璃色は、仏教の七宝のひとつに数えられる宝石「瑠璃(ラピスラズリ)」に由来する鮮やかな青色です。古来より瑠璃は極めて高貴な石とされ、正倉院の宝物にもラピスラズリを用いた工芸品が残されています。群青色と近い色相ですがより深く濃い発色が特徴で、「瑠璃色の地球」という表現に使われるように、深遠で神秘的な印象を与えます。

9. 紺青(こんじょう)

項目内容
HEX#003171
RGBR:0 G:49 B:113
由来群青色の原料をさらに濃く精製した岩絵具の色

紺青は、群青色の原料であるアズライトの粗い粒子から得られる暗く深い青色です。日本画においては群青と対をなす重要な色であり、暗部の表現に用いられました。紺と青の字が示すとおり、紺色の深さと群青の鮮やかさを併せ持つ色で、夜空や深海のような深遠な印象を与えます。

10. 紺色(こんいろ)

項目内容
HEX#1B294B
RGBR:27 G:41 B:75
由来藍染めを何度も繰り返した深い青

紺色は、藍染めを幾重にも重ねて染め上げた暗く深みのある青です。藍色よりさらに暗く、ほぼ黒に近い深さを持ちながらも、光の当たり方によって青の気配が感じられます。武家社会では格式の高い色とされ、「紺屋」と呼ばれる藍染め専門の職人が数多く存在しました。「紺屋の白袴」の慣用句は、忙しい紺屋が自分の袴を染める暇もないことから生まれた表現です。

11. 鉄紺(てつこん)

項目内容
HEX#17184B
RGBR:23 G:24 B:75
由来鉄のように暗い紺色

鉄紺は、紺色に鉄のような重厚感を加えた、極めて暗い青です。藍染めに鉄媒染を施すことで生まれる色で、通常の紺色よりもさらに深く、紫みを帯びた暗い色調が特徴です。武具や甲冑の威糸にも用いられた色であり、力強さと威厳を感じさせます。

12. 留紺(とめこん)

項目内容
HEX#0C1631
RGBR:12 G:22 B:49
由来これ以上染められないほど藍を染め重ねた極限の色

留紺は、藍染めの最終段階、つまり「これ以上は留める(止める)」ほど繰り返し染め上げた究極の紺色です。「とめこん」あるいは「とまりこん」とも読みます。ほとんど黒に見えるほどの深い色ですが、よく見ると藍特有の青みが奥底に潜んでいます。藍染め職人の技と根気が凝縮された色であり、藍の色段階の頂点に位置する色です。

青系伝統色の分類と系統

日本の青系伝統色は、由来や製法によって大きく3つの系統に分けられます。

系統代表色特徴
藍染め系甕覗・浅葱色・縹色・藍色・紺色・鉄紺・留紺タデアイの藍染めに由来。染め重ねの回数で色が変化
岩絵具系白群・群青色・紺青天然鉱物を砕いた顔料由来。日本画の重要色材
自然由来系空色・瑠璃色空や宝石など自然物の色を写した色名

類似色・関連色との比較

日本の青系伝統色と西洋の代表的な青色を比較します。

色名由来文化HEX特徴
藍色日本#165B8C緑みのある深い青。天然藍染め由来
インディゴ西洋#4B0082紫みの強い藍色。色相が異なる
ネイビー西洋#1B2444海軍に由来する暗い青。紺色に近い
ロイヤルブルー西洋#4169E1鮮やかで華やかな青。群青色に近い
プルシアンブルー西洋#00315318世紀ドイツ合成の深青。紺青に近い
コバルトブルー西洋#0047AB鮮やかで明るい青。瑠璃色に近い
セルリアンブルー西洋#007BA7明るく緑みのある青。縹色に近い

デザインでの活用例

Webデザイン

青系伝統色は信頼感・誠実さ・知性を伝える色として、あらゆるジャンルのWebデザインに活用できます。

用途推奨の配色効果
和風ブランドサイト藍色 + 生成色 (
#F5F0E8) + 朱色 (
#E34234)
伝統的な品格と日本らしさを表現
企業コーポレート紺色 + 白 (
#FFFFFF) + 金 (
#C8A84E)
信頼感と格式の高さを演出
メディアサイト群青色 + ライトグレー (
#F5F5F5) + 黒 (
#222222)
知性的で読みやすい画面設計
観光・文化系瑠璃色 + 白群 + 白 (
#FFFFFF)
日本の美意識を感じさせる配色

和風デザインの青系カラーパレット

和風デザインで青系伝統色を効果的に使うためのパレット例を紹介します。

パレット名色1色2色3色4色5
藍のグラデーション#C2DFE6#A0D8EF#2B618F#165B8C#1B294B
青と赤の対比#1E50A2#4C6CB3#F5F0E8#D7003A#333333
海と空#83C3E0#A0D8EF#165B8C#003171#FFFFFF

グラフィックデザイン

制作物おすすめの色ポイント
日本酒ラベル藍色・紺色深い藍系で格調と伝統を表現
旅行ポスター群青色・瑠璃色鮮やかな青で日本の美しさを伝える
文化イベント告知浅葱色・縹色中程度の青で親しみやすさと品格を両立
高級ブランディング紺色・留紺暗い藍で重厚感と高級感を演出

色コード早見表

デザインツールで使いやすいように、12色のカラーコードをまとめます。

色名HEXRGBCSS変数例
白群#83C3E0rgb(131,195,224)—color-byakugun:
#83C3E0;
甕覗#C2DFE6rgb(194,223,230)—color-kamenozoki:
#C2DFE6;
空色#A0D8EFrgb(160,216,239)—color-sorairo:
#A0D8EF;
浅葱色#00A3AFrgb(0,163,175)—color-asagiiro:
#00A3AF;
縹色#2B618Frgb(43,97,143)—color-hanadairo:
#2B618F;
藍色#165B8Crgb(22,91,140)—color-aiiro:
#165B8C;
群青色#4C6CB3rgb(76,108,179)—color-gunjou:
#4C6CB3;
瑠璃色#1E50A2rgb(30,80,162)—color-ruriiro:
#1E50A2;
紺青#003171rgb(0,49,113)—color-konjou:
#003171;
紺色#1B294Brgb(27,41,75)—color-koniro:
#1B294B;
鉄紺#17184Brgb(23,24,75)—color-tetsukon:
#17184B;
留紺#0C1631rgb(12,22,49)—color-tomekon:
#0C1631;

まとめ

日本の青系伝統色は、藍染めの濃淡から岩絵具の鮮やかな発色まで、驚くほど豊かなバリエーションを持っています。甕覗の極淡い青から留紺の限界まで染め上げた濃藍まで、12色すべてが独自の歴史と文化的背景を持つ色です。藍染め系の色は暮らしに根ざした実用の色であり、群青や紺青といった岩絵具系の色は芸術表現に不可欠な色でした。これらの色を理解し使い分けることは、日本の美意識をデザインに取り入れる第一歩となるでしょう。HEXコードやRGB値を参照しながら、制作物の目的や雰囲気に合った青系伝統色を選んでみてください。

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