日本語の回文100選|上から読んでも下から読んでも同じ言葉
回文とは、前から読んでも後ろから読んでも同じになる文のことです。日本語は一文字が一音に対応しているため、回文が作りやすい言語のひとつとされています。この記事では、有名なものから意外と知られていないものまで、日本語の回文を100個集めました。
回文の基本ルール
日本語の回文にはいくつかの慣習的なルールがあります。
読み方の基本
回文はひらがな(またはカタカナ)に変換した状態で、前から読んでも後ろから読んでも同じになるものを指します。漢字の見た目ではなく、読みが対象です。
濁点・半濁点の扱い
「か」と「が」、「は」と「ば」「ぱ」のように、濁点や半濁点の有無は区別しないのが一般的なルールです。ただし、厳密に区別する流派もあります。
長音・撥音の扱い
長音「ー」や撥音「ん」も一文字として数えます。「ん」は文の途中に自由に配置できます。
助詞の省略
回文では自然な文を作るために、助詞(「は」「が」「を」など)を省略することがあります。多少不自然な日本語になっても、意味が通じれば回文として成立するとされています。
1文字〜3文字の回文
最も短い回文から見ていきましょう。
- しし(獅子)
- きき(危機)
- くく(九九)
- ここ
- なな(七)
- はは(母)
- もも(桃)
- やや
- よよ(世々)
- トマト
1文字の回文は「あ」「い」「う」など、すべての単独文字が該当しますが、ここでは2文字以上のものを取り上げています。「トマト」は3文字の回文として最も有名なもののひとつです。
4文字〜5文字の回文
少し長くなると、意味のある言葉が増えてきます。
- しんぶんし(新聞紙)
- たけやぶやけた(竹藪焼けた)
- よくきくよ(よく効くよ)
- わたしたわ(私だわ)
- なるみるな(鳴る見るな)
- いかたかい(イカ高い)
- しなないし(死なないし)
- にわのわに(庭のワニ)
- くるみるく(くるみミルク)
- まさかさま(まさか様)
「しんぶんし」と「たけやぶやけた」は、日本人なら誰もが知る回文の代表格です。「にわのわに」は短いながらも場面が想像できる面白い回文です。
日常で使えそうな回文
普段の会話に紛れ込ませても違和感が少ない回文を集めました。
- よくきくよ(よく効くよ)
- まかなかま(賄い仲間)
- なかきかな(長きかな)
- いまなまい(今生まい)
- かるいいるか(軽いイルカ)
- わたしまけましたわ(私負けましたわ)
- よのなかほかなのよ(世の中ほかなのよ)
- すきなきす(好きなキス)
- ダンスがすんだ
- るすにする(留守にする)
「ダンスがすんだ」は回文だと気づかずに使ってしまいそうな自然な文です。「わたしまけましたわ」も昔の小説に出てきそうな、情緒ある回文です。
食べ物に関する回文
食べ物をテーマにした回文は意外と多く作ることができます。
- いかたかい(イカ高い)
- かるいいるか(軽いイルカ)
- すいかかいす(スイカ買いす)
- なすすな(ナス捨てな)
- まぐろろぐま(マグロログマ)
- うどんどう(うどんどう)
- たいやきやいた(たい焼き焼いた)
- にくいくに(肉行く二)
- かまぼこぼまか(かまぼこ暈か)
- さかなかなかなかなかかなかさ
「たいやきやいた」は食べ物回文の定番です。たい焼きを焼いている場面が目に浮かぶ楽しい回文です。
動物に関する回文
動物の名前を使った回文も人気があります。
- にわのわに(庭のワニ)
- かるいいるか(軽いイルカ)
- いぬのぬい(犬のぬい)
- さるがるさ(猿が留守)
- たぬきぬた(狸砧)
- くまがまく(熊が撒く)
- すずめめずす(雀めずす)
- かめのめか(亀の目か)
- ねこのこね(猫の子ね)
- うしのしう(牛のしう)
「にわのわに」と「かるいいるか」は動物回文の二大定番です。庭にワニがいるという非日常的な状況が面白さを生んでいます。
長い回文
文字数が多くなるほど、回文を作る難易度は上がります。以下は、比較的長い回文です。
- わたしまけましたわ(私負けましたわ)
- よのなかねかなのよ(世の中ね金なのよ)
- なかきよのとおのねふりのみなめさめなみのりふねのおとのよきかな
- いろしろい(色白い)
- まさかさかさま(まさか逆さま)
- やおやのおやはおやおやおやおやだ(八百屋の親は親親親だ)
- ルールをうる(ルールを売る)
- たしかにかした(確かに貸した)
- ながきよのとおのねぶりのみなめざめなみのりぶねのおとのよきかな
- くるまでまるく(車で丸く)
53番と59番は有名な回文歌(回文和歌)で、初夢に関わるおまじないとして知られています。「長き夜の遠の眠りの皆目覚め波乗り船の音の良きかな」という意味で、宝船の絵と一緒に枕の下に敷くと良い初夢が見られるとされてきました。
季節に関する回文
季節の情景を描いた回文です。
- はなのなは(花の名は)
- さくらくらくさ(桜暗草)
- なつまつな(夏待つな)
- もみじしもみ(紅葉霜見)
- ゆきがきゆ(雪が消ゆ)
- はるのるは(春の留は)
- つきがきつ(月がきつ)
- かぜのぜか(風のぜか)
- あめのめあ(雨の目あ)
- よるのるよ(夜の留よ)
日本語は季節を表す言葉が豊富なため、季節をテーマにした回文も数多く作ることができます。
ユーモアのある回文
クスリと笑える面白い回文を集めました。
- たいがいにしないたい(大概にしないたい)
- いかにもかもにかい(如何にも鴨に貝)
- なんてたてんな(何て建てんな)
- きつねのねつき(狐の寝付き)
- うたうたう(歌歌う)
- みそのそみ(味噌のそみ)
- すべてべす(すべてべす)
- かいだんのだいか(階段の代価)
- やきにくにきや(焼肉に来や)
- とまとのまと(トマトの的)
「きつねのねつき」は情景が目に浮かぶ回文です。狐が寝付く様子を想像すると微笑ましい気持ちになります。
回文の豆知識
世界最古の回文
ラテン語の「SATOR AREPO TENET OPERA ROTAS」が世界最古の回文のひとつとされています。西暦79年に噴火したヴェスヴィオ火山の灰の下から発見されたものです。
日本最古の回文
日本で最も古い回文とされるのは、前述の回文歌「長き夜の遠の眠りの皆目覚め波乗り船の音の良きかな」です。室町時代にはすでに知られていたとされています。
回文と数学
数学の世界にも回文数(11、121、12321など)が存在します。前から読んでも後ろから読んでも同じ数字の並びになる数のことで、回文と同じ原理です。
回文を楽しむためのヒント
声に出して読んでみる
回文は目で見るだけでなく、声に出して読むとその面白さが倍増します。前から読んだ後に後ろから読んで、本当に同じ音になるか確認してみましょう。
自分でも作ってみる
回文を鑑賞するだけでなく、自分で作ることにも挑戦してみましょう。最初は3文字の短いものから始めて、少しずつ長いものに挑戦していくと良いでしょう。
友達とクイズにする
「この文は回文でしょうか」というクイズ形式で遊ぶのも面白いです。回文と回文でない文を混ぜて出題すると、意外と判断が難しいものです。
81〜100:もっと楽しむ回文集
残りの20個を一気にご紹介します。
- かいかいか(快哉か)
- まわるわま(回る輪間)
- このこのこ(この子の子)
- よわいいわよ(弱いいわよ)
- するめめるす(スルメ減るす)
- いけにけい(池にケイ)
- なみだだみな(涙だ皆)
- たいへいへいた(太平兵太)
- あしたしたあ(明日したあ)
- こねこのねこ(子猫の猫)
- そうなんなうそ(そうなんなウソ)
- てんさいさんて(天才さんて)
- いけたたけい(行けた丈い)
- つみきのきみつ(積み木の機密)
- はなはさくさはなは(花は咲く差は花は)
- うまいいまう(旨いイマウ)
- さいたまたいさ(さいたま大佐)
- かたいいたか(硬いいたか)
- まるくてくるま(丸くて車)
- とけいいけと(時計行けと)
まとめ
日本語の回文100選をお届けしました。短い単語の回文から、文章として意味が通る長い回文まで、日本語の回文の世界は実に奥深いものです。回文は言葉の音に注目する遊びであり、日本語の美しさや面白さを再発見させてくれます。気に入った回文があれば、ぜひ友人や家族にも教えてあげてください。また、自分だけのオリジナル回文づくりにも挑戦してみてはいかがでしょうか。