手作り気象観測所|天気を記録する工作の自由研究
テレビの天気予報では気温や降水量、風速などの数値が毎日発表されています。これらのデータはどうやって測っているのでしょうか。手作りの気象観測装置を作って毎日データを記録する自由研究に取り組めば、天気と数値の関係を自分の手で確かめることができます。この記事では、家庭で作れる気象観測装置の作り方、観測の方法、レポートのまとめ方を解説します。
気象観測の基礎知識
気象観測では主に以下の要素を測定します。
- 気温:空気の温度
- 湿度:空気中の水蒸気の量
- 気圧:大気の圧力
- 風向:風が吹いてくる方向
- 風速:風の強さ
- 降水量:雨や雪の量
- 雲量:空をどのくらい雲が覆っているか
すべてを正確に測るのは難しいですが、工夫次第で気温・風向・降水量は手作りの装置で観測できます。
用意する材料と道具
温度計の百葉箱(簡易版)
- 温度計(理科実験用またはデジタル温度計):1本
- 段ボール箱(小):1個
- 白い画用紙または白いペンキ
- 割り箸:2本
- ガムテープ
風向計
- 紙コップ:1個
- ストロー:1本
- 画鋲:1個
- 厚紙:少量
- 鉛筆(消しゴムつき):1本
- 粘土:少量
雨量計
- ペットボトル(2リットル、円筒形のもの):1本
- 油性ペン
- 定規
- カッターナイフ
共通の道具
- はさみ
- テープ(セロハンテープ、ガムテープ)
- 方位磁針(風向を確認するため)
- ノートまたは記録用紙
- 筆記用具
- カメラ
観測装置の作り方
温度計の百葉箱を作る
温度計を直射日光や雨から守りながら正確な気温を測るために、簡易的な百葉箱を作ります。
段ボール箱の外側に白い画用紙を貼ります。白は太陽光を反射するため、箱の中が余計に温まるのを防ぎます。箱の前面と左右の側面にカッターナイフで横長の通気口を数か所開けます。風が通ることで、箱の中の温度と外気温が等しくなるようにするためです。
箱の中に温度計を設置します。箱の底を抜くか、割り箸で底上げして、地面からの反射熱の影響を減らしましょう。
設置場所は日陰で風通しのよい場所を選びます。地面から1.2m~1.5mの高さに置くのが理想です。台やフェンスに固定しましょう。
風向計を作る
ストローの一方の端に縦の切り込みを入れ、厚紙で作った矢羽根(三角形)を差し込んで固定します。反対側の端にも切り込みを入れ、矢じり(小さな三角形)を差し込みます。
ストローの中心にバランスの取れる点を見つけ、画鋲を通して鉛筆の消しゴム部分に刺します。ストローが自由に回転することを確認してください。矢羽根のほうが面積が大きいため風を受けやすく、矢じりが風の吹いてくる方向を指します。
鉛筆を紙コップの底に通して粘土で固定し、安定した台座にします。紙コップの縁に方位(北・南・東・西)を書き込んでおくと、風向がすぐにわかります。方位磁針を使って正しい方角を合わせてから設置しましょう。
雨量計を作る
ペットボトルの上部(飲み口のある部分)をカッターナイフで切り取ります。切り取った部分を逆さまにしてペットボトルの本体にはめ込むと、漏斗(じょうご)のような形になり、雨水を集めやすくなります。
ペットボトルの側面に油性ペンで目盛りを書きます。定規を当てて、底から5mmごとに線を引きましょう。雨量はmm(ミリメートル)で記録します。
雨量計は屋外の開けた場所に置きます。屋根の下や木の下だと正確に測れません。風で倒れないように地面に少し埋めるか、重しを置いて固定しましょう。
観測の方法
毎日の観測記録
最低2週間、できれば1か月間、毎日決まった時刻に観測しましょう。朝(7時頃)と昼(12時頃)と夕方(17時頃)の3回測定するのが理想ですが、難しければ1日1回でもかまいません。
記録する項目は以下のとおりです。
- 日付と時刻
- 気温(温度計の読み取り値)
- 風向(風向計が指す方角)
- 降水量(雨量計にたまった水の量)
- 天気(晴れ、曇り、雨、雷雨など)
- 雲量(空全体を10としたとき雲が覆っている割合)
- 雲の形(わた雲、すじ雲、入道雲など)
- そのほか気づいたこと
雨量計は毎日観測後に水を捨てて、翌日の降水量を正確に測れるようにします。
観測記録表の例
日付、時刻、気温、風向、降水量、天気、雲量を列にした表を作り、毎日記入していきます。ノートに罫線を引いて表を作るか、パソコンで表計算ソフトを使うとよいでしょう。
レポートのまとめ方
1. 研究の動機と目的
「天気予報のデータがどうやって測られているか知りたかった」「自分で気象データを集めて天気の変化を調べたかった」など。
2. 予想
「気温が高い日は雲が少ないと思う」「南風の日は気温が高くなると予想する」など、気象要素どうしの関係について予想を書きましょう。
3. 材料と作り方
各観測装置の材料と作り方を写真やイラストつきで説明します。設置場所の写真も掲載しましょう。
4. 結果
観測期間のデータをすべて表にまとめて掲載します。気温の変化を折れ線グラフに、降水量を棒グラフにするのが基本的なまとめ方です。同じグラフに気温と降水量を重ねて表示すると、関係が見えやすくなります。
風向を円グラフ(風配図)にまとめるのも効果的です。観測期間中にどの方角からの風が多かったかが一目でわかります。
天気と気温の関係を散布図で示すこともできます。晴れの日・曇りの日・雨の日で気温にどのような違いがあるかを可視化しましょう。
5. 考察
「雨が降った翌日は気温が下がる傾向があった。これは雨雲が日差しを遮ることと、雨水の蒸発によって熱が奪われることが原因と考えられる。」
「観測期間中、南寄りの風が吹いた日は気温が平均より2度高かった。南風は温かい空気を運んでくるためだと考えられる。」
気象庁のデータと自分のデータを比較して、手作り装置の精度についても考察しましょう。
6. 感想とまとめ
観測を続けた大変さや、天気の変化に対する新たな気づきを書きます。「毎日観測を続けることで天気のパターンが見えてきた」「気象庁の仕事の大変さがわかった」など。
観測のコツと注意点
観測は毎日同じ時刻に行うことが重要です。時刻がばらつくとデータの比較ができなくなります。
雷のときは屋外の観測を中止してください。安全を最優先にしましょう。
温度計は直射日光が当たると正確な気温が測れません。必ず日陰に設置してください。
まとめ
手作りの気象観測装置を作り、毎日データを記録する自由研究は、天気の仕組みを数値で理解できるテーマです。温度計の百葉箱、風向計、雨量計を身近な材料で自作し、最低2週間の継続観測を行いましょう。データをグラフにまとめ、気象要素どうしの関係を考察することで、理科的な思考力が養われます。