ビジネスで使う難読漢字【基本編】
ビジネスの場面では、日常会話ではあまり使わない漢字が飛び交うことがあります。会議や文書で正しく読めないと恥ずかしい思いをすることも。ここではビジネスパーソンなら押さえておきたい基本的な難読漢字を紹介します。
会議・打ち合わせで使う漢字
| 漢字 | 読み方 | 意味 | 使用例 |
|---|---|---|---|
| 稟議 | りんぎ | 上位者に許可を求める手続き | 稟議書を回す |
| 忌憚 | きたん | 遠慮すること | 忌憚のないご意見を |
| 俯瞰 | ふかん | 高い所から見下ろすこと | 俯瞰的に分析する |
| 施策 | しさく | 政策や対策を実施すること | 新たな施策を講じる |
| 審議 | しんぎ | 詳しく調べて議論すること | 審議の結果を報告する |
「稟議」は「りんぎ」と読みます。日本の企業で広く行われている意思決定の方式で、起案者が文書を作成し、関係者の承認を得て決裁を仰ぐ手続きです。「ひんぎ」と読み間違える人もいますが、正しくは「りんぎ」です。
「忌憚」は「きたん」と読みます。「忌憚のないご意見をお聞かせください」という定番のフレーズで使われます。「忌」は「はばかる」、「憚」も「はばかる」という意味で、「忌憚なく」は「遠慮なく」という意味になります。
文書・報告で使う漢字
| 漢字 | 読み方 | 意味 | 使用例 |
|---|---|---|---|
| 概要 | がいよう | 全体のおおまかな内容 | 概要を説明する |
| 詳細 | しょうさい | 細かく詳しいこと | 詳細は後日連絡する |
| 趣旨 | しゅし | 物事の根本的な意味や目的 | 趣旨を説明する |
| 帰結 | きけつ | 結論に達すること | 議論の帰結として |
| 顛末 | てんまつ | 事の初めから終わりまで | 顛末を報告する |
| 経緯 | けいい/いきさつ | 物事の成り行き | 経緯を説明する |
「顛末」は「てんまつ」と読みます。「顛」は「いただき(頂上)」、「末」は「すえ(最後)」を意味し、事の始まりから終わりまでの一部始終を指します。「顛末書」はトラブルが起きた際に経緯をまとめる文書です。
「経緯」は「けいい」と「いきさつ」の二通りの読み方があります。「けいい」は文章的な表現、「いきさつ」は口語的な表現として使い分けられることが多いです。
人事・組織に関する漢字
| 漢字 | 読み方 | 意味 | 使用例 |
|---|---|---|---|
| 更迭 | こうてつ | 役職のある人を替えること | 社長が更迭された |
| 人事異動 | じんじいどう | 社員の配置を変えること | 人事異動の内示を受ける |
| 昇進 | しょうしん | 地位が上がること | 課長に昇進する |
| 出向 | しゅっこう | 他の組織で働くこと | 子会社に出向する |
| 赴任 | ふにん | 任地に向かうこと | 大阪に赴任する |
| 辞令 | じれい | 人事上の命令書 | 辞令を受け取る |
「更迭」は「こうてつ」と読みます。「迭」は「入れ替える」という意味で、主に管理職以上の人を交代させる場合に使われます。ニュースで「大臣が更迭された」のように使われることが多い言葉です。
経営・戦略に関する漢字
| 漢字 | 読み方 | 意味 | 使用例 |
|---|---|---|---|
| 甚大 | じんだい | 非常に大きいこと | 甚大な被害 |
| 逼迫 | ひっぱく | 差し迫ること | 資金繰りが逼迫する |
| 尽力 | じんりょく | 力を尽くすこと | 尽力いたします |
| 斡旋 | あっせん | 間に入って仲介すること | 斡旋を依頼する |
| 担保 | たんぽ | 保証すること | 品質を担保する |
| 刷新 | さっしん | 新しく改めること | 経営を刷新する |
「逼迫」は「ひっぱく」と読みます。「逼」は「差し迫る」という意味の漢字で、経営や財政が厳しい状況に追い込まれることを表します。「医療体制が逼迫している」のようにニュースでもよく使われます。
「斡旋」は「あっせん」と読みます。「斡」も「旋」も「回す」に近い意味があり、人と人の間を取り持って回すことから仲介の意味になりました。
数字・統計に関する漢字
| 漢字 | 読み方 | 意味 | 使用例 |
|---|---|---|---|
| 概算 | がいさん | おおまかな計算 | 概算で見積もる |
| 按分 | あんぶん | 基準に応じて分けること | 費用を按分する |
| 乖離 | かいり | かけ離れること | 目標との乖離が大きい |
| 逓減 | ていげん | 次第に減ること | 収益が逓減している |
| 漸増 | ぜんぞう | 次第に増えること | 会員数が漸増している |
「乖離」は「かいり」と読みます。目標値と実績値が大きく離れている場合に「乖離が生じている」のように使います。「乖」には「背く、離れる」という意味があります。
「按分」は「あんぶん」と読みます。共有スペースの電気代を面積で按分する、のように使われます。「案分」と表記することもあります。
ビジネス漢字を身につけるには
ビジネスで使う難読漢字を身につけるには、日常的に新聞やビジネス書を読む習慣が効果的です。文脈の中で漢字に触れることで、読み方だけでなく使い方も自然と身につきます。
また、会議や打ち合わせで聞き慣れない漢字が出てきたら、その場でメモを取り、後から確認する習慣を付けるとよいでしょう。わからない漢字を放置せず、一つずつ確認していくことが漢字力の向上につながります。
まとめ
ビジネスシーンで使う難読漢字は、正しく読めることが社会人としての信頼につながります。「稟議」「忌憚」「顛末」「逼迫」「乖離」などは特に頻出する漢字です。基本的な漢字から確実に押さえていくことで、ビジネスコミュニケーション力を高めることができるでしょう。