会計・経理で使う難読漢字
会計や経理の世界には、専門的な漢字が数多く登場します。決算書や帳簿を読むためには、これらの漢字を正しく読めることが必要です。ここでは会計・経理で使う難読漢字を紹介します。
決算書に出てくる漢字
貸借対照表(バランスシート)の漢字
| 漢字 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 貸借対照表 | たいしゃくたいしょうひょう | 資産・負債・純資産の一覧表 |
| 勘定 | かんじょう | 取引を分類する項目 |
| 繰延 | くりのべ | 支出を将来の期間に配分すること |
| 引当金 | ひきあてきん | 将来の損失に備えて計上する金額 |
| 減価償却 | げんかしょうきゃく | 資産の価値を年数に応じて減らすこと |
| 未収 | みしゅう | まだ受け取っていないこと |
「繰延」は「くりのべ」と読みます。「繰延資産」は、支出の効果が将来にわたって発生するために、一度に費用にせずに複数年にわたって配分する資産のことです。創立費や開業費などがこれにあたります。
「減価償却」は「げんかしょうきゃく」と読みます。建物や機械などの固定資産は、時間の経過とともに価値が下がるため、その減少分を毎期の費用として計上します。会計の基本概念の一つです。
損益計算書の漢字
| 漢字 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 損益計算書 | そんえきけいさんしょ | 収益と費用の計算書 |
| 売掛金 | うりかけきん | 売上代金の未回収分 |
| 買掛金 | かいかけきん | 仕入代金の未払い分 |
| 棚卸 | たなおろし | 在庫を実地に調査すること |
| 粗利 | あらり | 売上から原価を引いた利益 |
| 営業外収益 | えいぎょうがいしゅうえき | 本業以外からの収益 |
「棚卸」は「たなおろし」と読みます。倉庫や店舗にある在庫の数量と価額を実際に確認する作業です。決算時に必ず行われる重要な業務で、「棚卸資産」は在庫の会計上の呼び方です。
税務に関する漢字
| 漢字 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 賦課 | ふか | 税金を割り当てること |
| 控除 | こうじょ | 差し引くこと |
| 徴収 | ちょうしゅう | 税金などを取り立てること |
| 課税 | かぜい | 税を課すこと |
| 申告 | しんこく | 税務署に届け出ること |
| 還付 | かんぷ | 払い過ぎた税金を返すこと |
| 滞納 | たいのう | 期限までに納付しないこと |
「賦課」は「ふか」と読みます。固定資産税のように行政が税額を決定して納税者に通知する方式を「賦課課税方式」と呼びます。対して、所得税のように納税者自身が税額を計算する方式は「申告納税方式」です。
「還付」は「かんぷ」と読みます。確定申告で払い過ぎた税金が戻ってくることを「還付金」と呼びます。「還」は「返す」という意味です。
簿記で使う漢字
| 漢字 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 仕訳 | しわけ | 取引を借方と貸方に分けて記録すること |
| 借方 | かりかた | 仕訳の左側 |
| 貸方 | かしかた | 仕訳の右側 |
| 転記 | てんき | 仕訳帳から元帳に記録を移すこと |
| 残高 | ざんだか | 勘定科目の差引の金額 |
| 締め | しめ | 一定期間の取引を集計すること |
「仕訳」は「しわけ」と読みます。簿記の最も基本的な作業で、すべての取引を「借方」と「貸方」に分けて記録します。「仕分け」と混同されることがありますが、会計用語としては「仕訳」が正しい表記です。
経営分析の漢字
| 漢字 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 利鞘 | りざや | 利益の幅。売値と買値の差 |
| 按分 | あんぶん | 比率に応じて分けること |
| 逓増 | ていぞう | 次第に増えること |
| 逓減 | ていげん | 次第に減ること |
| 累計 | るいけい | 積み重ねた合計 |
| 乖離 | かいり | 大きくかけ離れること |
「利鞘」は「りざや」と読みます。「鞘」は刀の鞘(さや)のことで、「鞘を抜く」(利益を得る)という表現から「利鞘」という言葉が生まれました。金融業界では金利差による収益を指すことが多いです。
「逓増」「逓減」はそれぞれ「ていぞう」「ていげん」と読みます。「逓」は「順番に」「次第に」という意味で、段階的に増える・減ることを表します。「逓減税率」のように税務の分野でもよく使われます。
監査・内部統制の漢字
| 漢字 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 監査 | かんさ | 業務や会計を検査すること |
| 会計監査人 | かいけいかんさにん | 会計を検査する公認会計士 |
| 適正 | てきせい | 基準に合っていること |
| 虚偽 | きょぎ | 事実と異なること |
| 粉飾 | ふんしょく | 実態をよく見せかけること |
「粉飾」は「ふんしょく」と読みます。「粉飾決算」は会計上の数字を操作して実態よりも良い業績に見せかける不正行為です。「粉」は「おしろい」の意味があり、化粧で実態を覆い隠すことに例えています。
会計漢字を学ぶメリット
会計用語の漢字を正しく読めることは、経理担当者だけでなくすべてのビジネスパーソンにとって重要です。決算書を読み解く力は、取引先の経営状態を把握したり、自社の財務状況を理解したりする上で不可欠だからです。
また、簿記の学習を通じて会計漢字に親しむことも効果的です。日商簿記検定の勉強は、会計用語の読み方と意味を体系的に学ぶ良い機会となります。
まとめ
会計・経理で使う難読漢字は、企業活動の根幹に関わる重要な用語です。「繰延」「棚卸」「賦課」「仕訳」「利鞘」などは特に押さえておきたい漢字です。これらの漢字を正しく読めることで、決算書や会計文書の理解が格段に深まるでしょう。