面接で使う敬語ガイド|好印象を与える話し方
面接は敬語力が試される場面のひとつです。正しい敬語を使えるかどうかは、社会人としての基本的なコミュニケーション能力の判断材料になります。この記事では、面接の流れに沿って、入室から退室まで各場面で使う敬語を例文付きで解説します。
面接の流れと敬語
面接は以下の流れで進みます。それぞれの場面で使う敬語を確認しましょう。
- 受付・待機
- 入室
- 自己紹介
- 質疑応答
- 逆質問
- 退室
受付での敬語
受付で名乗るフレーズ
- 「本日〇時に面接のお約束をいただいております、田中太郎と申します」
- 「〇〇部の山田様との面接で参りました。田中と申します」
誤った例:
- 「面接に来ました田中です」(「来ました」ではなく「参りました」、名乗りは「申します」が適切)
案内されたとき
- 「ありがとうございます」
- 「恐れ入ります」
入室の敬語
ノックと入室
ドアをノックし、「どうぞ」と言われたら入室します。
- 「失礼いたします」(ドアを開けながら)
着席前の挨拶
椅子のそばに立ち、面接官に挨拶します。
- 「本日はお忙しい中、面接のお時間をいただきありがとうございます。田中太郎と申します。よろしくお願いいたします」
着席を促されたとき
- 「ありがとうございます。失礼いたします」(一言添えてから座る)
「どうぞおかけください」と言われるまで座らないのがマナーです。
自己紹介の敬語
自己紹介の例文
「田中太郎と申します。〇〇大学〇〇学部を卒業後、株式会社ABCで3年間、営業職として勤務しております。主に法人営業を担当し、新規顧客の開拓に力を入れてまいりました。本日はどうぞよろしくお願いいたします」
自己紹介で注意する敬語
- 「〜と言います」→「〜と申します」
- 「〜で働いています」→「〜で勤務しております」「〜に在籍しております」
- 「〜をやっています」→「〜を担当しております」「〜に携わっております」
質疑応答の敬語
質問を聞くときのあいづち
面接官の話を聞くときは、適切なあいづちを打ちましょう。
適切なあいづち:
- 「はい」
- 「さようでございますか」
- 「おっしゃる通りです」
避けるべきあいづち:
- 「なるほど」(目上に使うのは不適切とされることがある)
- 「うん」「ええ」(カジュアルすぎる)
- 「はいはい」(軽い印象を与える)
よく聞かれる質問への回答例
志望動機を聞かれたとき:
- 「御社を志望した理由は〜でございます」
- 「〜という点に大変魅力を感じ、志望いたしました」
前職の退職理由を聞かれたとき:
- 「前職では〜を経験いたしました。その中で〜という思いが強くなり、転職を決意いたしました」
- 「キャリアアップを目指し、〜の分野でさらに経験を積みたいと考えるようになりました」
注意:前職の悪口は避けましょう。「上司が嫌で辞めました」ではなく、前向きな理由を伝えます。
長所・短所を聞かれたとき:
- 「私の長所は〜でございます。前職では〜の場面で発揮することができました」
- 「短所といたしましては〜な面がございます。現在は〜するよう心がけております」
何か質問はありますかと聞かれたとき:
- 「はい、一点お伺いしてもよろしいでしょうか」
- 「もしよろしければ、〜についてお聞かせいただけますでしょうか」
答えに詰まったときのフレーズ
すぐに答えられないときは、正直に時間をもらいましょう。
- 「少々お時間をいただいてもよろしいでしょうか」
- 「申し訳ございません。少し考えをまとめさせてください」
知らないことを聞かれたとき:
- 「恐れ入りますが、その件については不勉強でございます。今後学んでまいりたいと存じます」
- 「申し訳ございません。勉強不足でお答えできません」
知ったかぶりをするよりも、正直に認めたほうが好印象です。
逆質問の敬語
逆質問のフレーズ例
- 「御社で活躍されている方には、どのような共通点がございますでしょうか」
- 「入社までに準備しておくべきことがございましたら、お教えいただけますか」
- 「配属後の研修制度について、お伺いしてもよろしいでしょうか」
- 「〇〇事業の今後の展望についてお聞かせいただけますでしょうか」
逆質問で避けるべき表現
- 「特にありません」(関心がない印象を与える)
- 「給料はいくらですか」(直接的すぎる。「待遇面について詳しくお伺いできますか」のほうがよい)
- 「残業はどのくらいありますか」(聞き方を工夫する。「繁忙期の業務量についてお伺いできますでしょうか」)
退室の敬語
面接終了時のフレーズ
- 「本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました」
- 「御社のことをより深く知ることができ、大変有意義な時間でございました」
- 「ご検討のほど、何卒よろしくお願いいたします」
退室のフレーズ
- 「失礼いたします」(立ち上がって一礼)
- ドアの前で振り返り「失礼いたします」(もう一度一礼してからドアを閉める)
面接で避けるべき言葉遣い
若者言葉・砕けた表現
面接にふさわしくない表現と、適切な言い換えです。
| 避けるべき表現 | 適切な表現 |
|---|---|
| 〜っていうか | 〜と申しますか |
| 〜みたいな | 〜のような |
| 〜な感じです | 〜と考えております |
| ぶっちゃけ | 率直に申しますと |
| めっちゃ | 大変・非常に |
| やっぱり | やはり |
| 〜ですけど | 〜ですが |
| 一応 | 念のため |
「わたし」の呼び方
面接では「わたし」または「わたくし」を使います。男性が「僕」「俺」を使うのは不適切です。女性が「あたし」を使うのも避けましょう。よりフォーマルな場では「わたくし」を使うと丁寧です。
「御社」と「貴社」の使い分け
- 御社:面接の場(話し言葉)で使う
- 貴社:履歴書やメール(書き言葉)で使う
面接は話し言葉の場面なので「御社」が正しい表現です。
面接前後のメール敬語
面接日程の確認メール
「〇月〇日〇時の面接の件、承知いたしました。当日はどうぞよろしくお願いいたします」
面接後のお礼メール
「本日はお忙しい中、面接のお時間をいただき誠にありがとうございました。御社の事業内容やお仕事の魅力を直接伺うことができ、ますます入社への意欲が高まりました。ご検討のほど、何卒よろしくお願い申し上げます」
お礼メールは面接当日中に送るのが理想的です。
まとめ
面接での敬語は、基本的なビジネス敬語を正しく使えていれば問題ありません。特別に難しい表現を覚える必要はなく、「申します」「いたします」「ございます」といった基本形を確実に使えることが大切です。入室から退室までの流れを練習し、自然に敬語が出てくるよう準備しましょう。