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年越し・正月の季語まとめ

年越し 正月 冬の季語 俳句 歳末
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年の瀬から正月にかけては、一年の中で最も季語が豊かな時期の一つです。大掃除、除夜の鐘、初詣、おせち料理など、日本人の暮らしに根ざした行事が次々と続き、それぞれが季語として俳句に詠まれてきました。ここでは年越しと正月にまつわる季語を紹介します。

歳末に関する季語

十二月は「師走(しわす)」とも呼ばれ、年の瀬の慌ただしさを表す季語が多くあります。

歳末の季語一覧

季語読み意味
師走しわす十二月の異称
年の瀬としのせ年末
歳末さいまつ年の終わり
年の暮としのくれ年末
大晦日おおみそか十二月三十一日
年忘れとしわすれ忘年会
年用意としようい正月の準備
煤払ひすすはらい年末の大掃除
餅搗きもちつき正月用の餅をつくこと
注連飾るしめかざる注連縄の飾りをつけること
松飾るまつかざる門松を飾ること
年賀状ねんがじょう新年の挨拶を書いた葉書
歳暮せいぼ年末の贈り物

除夜に関する季語

季語読み意味
除夜じょや大晦日の夜
除夜の鐘じょやのかね大晦日の夜に寺で撞く鐘
年越蕎麦としこしそば大晦日に食べる蕎麦
行く年ゆくとし終わりゆく年
来る年くるとし新しく始まる年

正月に関する季語

正月は新年の季語として独立した分類を持つこともありますが、冬の季語に含めることもあります。

正月の季語一覧

季語読み意味
元旦がんたん一月一日の朝
元日がんじつ一月一日
初春はつはる新年
去年今年こぞことし年の変わり目
初詣はつもうで新年最初の寺社参拝
初日の出はつひので元日の日の出
お年玉おとしだま新年に子どもに贈る金品
初夢はつゆめ新年最初に見る夢
雑煮ぞうに正月に食べる餅入りの汁物
御節おせち正月に食べる特別な料理
屠蘇とそ正月に飲む薬酒
門松かどまつ正月に門に立てる松の飾り
鏡餅かがみもち正月に供える重ね餅
書初めかきぞめ新年最初の書道
初荷はつに新年最初の荷物を運ぶこと
初電車はつでんしゃ新年最初の電車

芭蕉の年末・正月の俳句

松尾芭蕉は「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」を辞世の句として残していますが、年末の句としては「年暮ぬ笠きて草鞋はきながら」が知られています。年の暮れになっても旅の姿のままだという、旅に生きた芭蕉の生き方が表れた句です。

一茶の年末・正月の俳句

小林一茶は「ともかくもあなたまかせの年の暮」と詠みました。年の暮れを迎えて、あれこれ考えてもどうにもならないことは天に任せようという、一茶らしい達観と諦念が感じられる句です。

また「めでたさも中くらゐなりおらが春」は、一茶の代表的な正月の句です。正月のめでたさも自分にとっては中くらいだという、庶民としての素直な実感を詠んでいます。

近現代の俳人と年末・正月

高浜虚子は「去年今年貫く棒の如きもの」と詠みました。年が変わっても変わらずに貫く何かがある、それは棒のようにまっすぐなものだという、時間を超えた不変の存在を詠んだ句です。新年の句として最も有名なものの一つです。

中村草田男は「元日や上下に暗き志」と詠み、元日に際して上にも下にもはっきりしない自分の志のあり方を省みています。

年越し・正月の季語を使った俳句の詠み方

時間の移り変わりを意識する

年越しは一年が終わり新しい年が始まる節目です。「去年今年」「行く年来る年」のように、時間の境目を詠むことで、時の流れに対する感慨を表現できます。

日常の中の非日常を見つける

正月は日常の中に非日常が入り込む時期です。いつもの町が静かになる元日の朝、普段は食べない雑煮やおせちの味、晴れ着姿の人々など、日常との違いに目を向けることで正月ならではの句が生まれます。

家族の情景を描く

年末年始は家族が集まる時期です。餅をつく家族、年賀状を書く子ども、おせちを作る母の姿など、家族の営みを描くことで温かみのある句になります。

静と動の対比を活かす

年末の慌ただしさと元日の静けさは好対照です。師走の喧騒から元日の静寂へ、この劇的な変化を一句に込めることで、年越しの本質をとらえることができます。

まとめ

年越しと正月は日本人にとって最も大切な季節の変わり目であり、俳句においても豊かな季語群を持つ分野です。歳末の慌ただしさ、除夜の鐘の荘厳さ、元日の清新さ、それぞれの瞬間を五七五に詠んでみてはいかがでしょうか。自分自身の年越しの風景の中に、きっと一句の種が見つかるはずです。

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