数列の入試問題パターン
数列は大学入試の数学Bにおける最重要テーマの1つです。等差数列・等比数列の基本から、漸化式、和の計算、数学的帰納法まで、入試で問われるパターンを体系的に整理して解説します。
パターン1:一般項と和の基本
一般項を求める問題
初項と公差(公比)から一般項を求める基本問題のほか、数列の規則性を見つけて一般項を立式する問題が出題されます。
例題:数列 2, 5, 10, 17, 26, … の一般項を求めよ。
階差数列を調べると 3, 5, 7, 9, … で等差数列(公差2)です。
階差数列の一般項:bn = 2n + 1
an = a1 + Σ[k=1→n-1] bk = 2 + Σ[k=1→n-1] (2k+1)
= 2 + 2 x (n-1)n/2 + (n-1)
= 2 + n^2 - n + n - 1
= n^2 + 1
Snとanの関係
数列の和 Sn = a1 + a2 + … + an が与えられたとき、一般項は次の関係から求められます。
- n >= 2 のとき:an = Sn - S(n-1)
- n = 1 のとき:a1 = S1
n = 1 の場合を別に確認する必要があることに注意してください。
例題:Sn = n^2 + 3n のとき、anを求めよ。
n >= 2 のとき:an = (n^2 + 3n) - ((n-1)^2 + 3(n-1)) = 2n + 2
n = 1 のとき:a1 = S1 = 1 + 3 = 4 = 2(1) + 2(一致)
よって an = 2n + 2
パターン2:シグマの計算
基本的なシグマの計算
入試では、シグマの公式を使った和の計算が頻出です。
| 公式 | 値 |
|---|---|
| Σk | n(n+1)/2 |
| Σk^2 | n(n+1)(2n+1)/6 |
| Σk^3 | {n(n+1)/2}^2 |
| Σr^k (k=0→n-1) | (r^n - 1)/(r - 1) |
部分分数分解を利用する和
Σ 1/{k(k+1)} のような形は部分分数分解を使います。
1/{k(k+1)} = 1/k - 1/(k+1)
Σ[k=1→n] 1/{k(k+1)} = 1 - 1/(n+1) = n/(n+1)
群数列
数列をいくつかのグループに分けて考える問題です。
例:1 | 2, 3 | 4, 5, 6 | 7, 8, 9, 10 | …
第n群にはn個の項が含まれます。第n群の最初の項の番号を求めたり、第m項がどの群に属するかを求める問題が出題されます。
第n群の最初の項:1 + 2 + … + (n-1) + 1 = n(n-1)/2 + 1
パターン3:漸化式
基本型の漸化式
| 型 | 漸化式 | 解法 |
|---|---|---|
| 等差型 | a(n+1) = an + d | an = a1 + (n-1)d |
| 等比型 | a(n+1) = ran | an = a1 x r^(n-1) |
| 階差型 | a(n+1) = an + f(n) | 階差数列を利用 |
特性方程式を使う漸化式
a(n+1) = pan + q(p ≠ 1)の形の漸化式は、特性方程式 α = pα + q を解いて、
bn = an - α とおくと、b(n+1) = p x bn(等比数列)になります。
例題:a(n+1) = 3an - 4、a1 = 3
特性方程式:α = 3α - 4 → α = 2
bn = an - 2 とおくと、b(n+1) = 3bn
b1 = a1 - 2 = 1、公比3の等比数列なので bn = 3^(n-1)
an = 3^(n-1) + 2
対数をとる漸化式
a(n+1) = an^2 x r のような形は、両辺の対数をとることで線形の漸化式に帰着できます。
分数型の漸化式
a(n+1) = (pan + q)/(ran + s) の形は、逆数 bn = 1/an を考えたり、式を変形して既知の型に帰着させます。
パターン4:数学的帰納法
数学的帰納法とは
自然数nに関する命題P(n)を証明する方法です。
- P(1)が成り立つことを示す(基底段階)
- P(k)が成り立つと仮定して、P(k+1)が成り立つことを示す(帰納段階)
この2つが示されれば、すべての自然数nに対してP(n)が成り立ちます。
証明の書き方
例題:1 + 2 + 3 + … + n = n(n+1)/2 を数学的帰納法で証明せよ。
(I) n = 1 のとき
左辺 = 1、右辺 = 1 x 2/2 = 1。等式は成り立つ。
(II) n = k のとき成り立つと仮定する。
1 + 2 + … + k = k(k+1)/2
n = k + 1 のとき、
左辺 = 1 + 2 + … + k + (k+1) = k(k+1)/2 + (k+1)
= (k+1)(k+2)/2
これは右辺で n = k+1 としたものに等しい。
(I)(II)より、すべての自然数nに対して等式が成り立つ。
数学的帰納法でよくある出題
- 等式の証明
- 不等式の証明
- 整数の性質の証明(整除性など)
パターン5:和と一般項の複合問題
入試では、数列の和を求めた後にその結果を使う複合問題が出題されます。
例:Σ[k=1→n] k x 2^k を求める問題
この形の和は「ずらし引き」のテクニックを使います。
Sn = 1x2 + 2x4 + 3x8 + … + n x 2^n
2Sn = 1x4 + 2x8 + 3x16 + … + n x 2^(n+1)
Sn - 2Sn を計算すると、等比数列の和に帰着します。
まとめ
数列の入試問題に対応するためのポイントです。
- 等差数列・等比数列の公式は即座に使えるようにする
- 階差数列を使った一般項の求め方をマスターする
- 漸化式は型を見極めて適切な変換を行う
- シグマの計算では部分分数分解やずらし引きを活用する
- 数学的帰納法は証明の書き方を正確に身につける
数列は計算力と発想力の両方が問われる分野です。多くの問題に取り組んでパターンを蓄積しましょう。