図形の証明問題の解き方
図形の証明問題は入試で差がつきやすい分野です。論理的に筋道を立てて解答を書く力が求められます。ここでは証明問題を解くための基本的な手順とコツ、そして頻出パターンを紹介します。
証明問題の基本
証明とは
数学における証明とは、すでに正しいと認められている性質(定義、定理、公理など)を根拠として、ある命題が正しいことを論理的に示すことです。
証明の書き方の基本構成
- 仮定の確認:問題で与えられた条件を明記する
- 論証:定理や性質を根拠に論理を展開する
- 結論:証明すべきことが成り立つことを述べる
証明問題を解く手順
- 図を丁寧に描く
- 仮定(与えられた条件)と結論(示すべきこと)を明確にする
- 結論から逆にたどって、何がわかれば証明できるか考える
- 仮定から使える性質を洗い出す
- 証明の筋道を組み立てて書く
三角形の合同の証明
合同条件
2つの三角形が合同であるための条件は次の3つです。
| 合同条件 | 内容 |
|---|---|
| 3辺相等 | 3組の辺がそれぞれ等しい |
| 2辺挟角 | 2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい |
| 1辺両端角 | 1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい |
直角三角形の合同条件
直角三角形の場合、上記に加えて次の条件も使えます。
- 斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しい
- 斜辺と他の1辺がそれぞれ等しい
証明の書き方の例
例題:二等辺三角形ABCの頂角Aの二等分線と底辺BCとの交点をDとする。三角形ABDと三角形ACDが合同であることを証明せよ。
証明:三角形ABDと三角形ACDにおいて、
仮定より AB = AC … (1)
ADは角Aの二等分線なので、角BAD = 角CAD … (2)
ADは共通 … (3)
(1)(2)(3)より、2辺挟角の合同条件を満たすから、三角形ABD ≡ 三角形ACD
三角形の相似の証明
相似条件
2つの三角形が相似であるための条件は次の3つです。
| 相似条件 | 内容 |
|---|---|
| 3辺比 | 3組の辺の比がそれぞれ等しい |
| 2辺比挟角 | 2組の辺の比とその間の角がそれぞれ等しい |
| 2角相等 | 2組の角がそれぞれ等しい |
相似の証明でよく使う性質
- 平行線と線分の比の定理
- 中点連結定理
- 円周角の定理
証明の例
例題:三角形ABCの辺AB上の点Dと辺AC上の点Eについて、DE // BC のとき、三角形ADEと三角形ABCが相似であることを証明せよ。
証明:三角形ADEと三角形ABCにおいて、
DE // BC より、平行線の同位角は等しいから、
角ADE = 角ABC … (1)
角AED = 角ACB … (2)
(1)(2)より、2組の角がそれぞれ等しいから、三角形ADE ∽ 三角形ABC
角度に関する証明
よく使う角度の性質
| 性質 | 内容 |
|---|---|
| 対頂角 | 対頂角は等しい |
| 同位角 | 平行線の同位角は等しい |
| 錯角 | 平行線の錯角は等しい |
| 三角形の内角の和 | 180度 |
| 三角形の外角 | 隣り合わない2つの内角の和に等しい |
| 円周角の定理 | 同じ弧に対する円周角は等しい |
角度の証明のコツ
角度の証明では、等しい角度に同じ印をつけていくと関係が見えやすくなります。また、「角度Xを2通りの方法で表す」というアプローチも有効です。
平行四辺形に関する証明
平行四辺形の性質
- 2組の対辺がそれぞれ平行
- 2組の対辺がそれぞれ等しい
- 2組の対角がそれぞれ等しい
- 対角線がそれぞれの中点で交わる
平行四辺形になる条件
四角形が平行四辺形であることを証明するには、次のいずれかを示せばよいです。
- 2組の対辺がそれぞれ平行
- 2組の対辺がそれぞれ等しい
- 2組の対角がそれぞれ等しい
- 対角線がそれぞれの中点で交わる
- 1組の対辺が平行かつ等しい
円に関する証明
円の性質を使った証明
- 円周角の定理:同じ弧に対する円周角は等しい
- 円周角と中心角:中心角は同じ弧に対する円周角の2倍
- 接線と半径:接点において接線と半径は垂直
- 接線と弦のなす角:接線と弦のなす角は、その弦に対する円周角に等しい(接弦定理)
方べきの定理
円と2本の直線に関する定理で、入試でも頻出です。
円の2つの弦AB、CDの交点をPとすると、PA x PB = PC x PD が成り立ちます。
証明問題で高得点を取るコツ
答案の書き方
- 「仮定より」「定理より」など根拠を明記する
- 式番号をつけて参照しやすくする
- 結論を明確に書く(「よって〜が成り立つ」)
- 飛躍のない論理展開を心がける
よくある減点ポイント
- 根拠の不記載(「明らかに」の多用)
- 合同条件・相似条件の名称の書き忘れ
- 仮定と結論の取り違え
- 論理の飛躍(途中の説明不足)
まとめ
図形の証明問題を攻略するためのポイントです。
- 図を丁寧に描き、仮定と結論を明確にする
- 合同条件と相似条件は正確に覚える
- 結論から逆算して必要な条件を考える
- 根拠を明記した論理的な答案を書く
- 多くの問題を解いて証明のパターンを身につける
証明問題は練習量が成果に直結する分野です。基本パターンを繰り返し練習しましょう。