二次関数の最大最小の求め方
高校数学における二次関数の最大値・最小値の問題は、数学Iの中でも特に重要な単元です。ここでは平方完成の方法から、定義域が与えられた場合の場合分け、さらに応用問題まで段階的に解説します。
平方完成
平方完成とは
二次関数 y = ax^2 + bx + c を y = a(x - p)^2 + q の形に変形することを平方完成と呼びます。この形にすることで、頂点の座標(p, q)と軸の方程式 x = p がすぐにわかります。
平方完成の手順
y = ax^2 + bx + c の平方完成は次の手順で行います。
- xの係数aでくくる:y = a(x^2 + (b/a)x) + c
- かっこ内を (x + b/2a)^2 の形にする
- 調整のための定数を処理する
具体例
y = 2x^2 - 8x + 10 を平方完成します。
- y = 2(x^2 - 4x) + 10
- y = 2(x^2 - 4x + 4 - 4) + 10
- y = 2(x - 2)^2 - 8 + 10
- y = 2(x - 2)^2 + 2
頂点は(2, 2)、軸は x = 2 です。
定義域に制限がない場合の最大最小
a > 0 の場合
グラフは下に凸の放物線となり、頂点で最小値をとります。最大値は存在しません。
y = a(x - p)^2 + q のとき、x = p で最小値 q をとる。
a < 0 の場合
グラフは上に凸の放物線となり、頂点で最大値をとります。最小値は存在しません。
y = a(x - p)^2 + q のとき、x = p で最大値 q をとる。
定義域が限られた場合の最大最小
基本的な考え方
定義域が m <= x <= n と指定されている場合、最大値・最小値は次の候補のいずれかです。
- 頂点(定義域内に含まれる場合)
- 定義域の両端 x = m、x = n
場合分けのパターン(a > 0 の場合)
軸 x = p と定義域 [m, n] の位置関係で3つのパターンに分かれます。
| パターン | 軸の位置 | 最小値 | 最大値 |
|---|---|---|---|
| 1 | p < m(軸が左外) | x = m で最小 | x = n で最大 |
| 2 | m <= p <= n(軸が内側) | x = p で最小 | 端点の遠い方で最大 |
| 3 | n < p(軸が右外) | x = n で最小 | x = m で最大 |
例題
y = x^2 - 4x + 5 の 1 <= x <= 4 における最大値と最小値を求めます。
平方完成すると y = (x - 2)^2 + 1 で、頂点は(2, 1)、軸は x = 2 です。
軸 x = 2 は定義域 [1, 4] の内側にあるので、パターン2です。
- 最小値:x = 2 のとき y = 1
- 最大値の候補:x = 1 のとき y = 2、x = 4 のとき y = 5
- 軸から遠い x = 4 の方が大きいので、最大値は 5
軸や定義域が動く問題
軸が動く場合
定義域が固定で、軸が文字aを含んで動く問題は、場合分けが必要です。
例題:y = x^2 - 2ax + 1 の 0 <= x <= 2 における最小値を求めよ。
平方完成すると y = (x - a)^2 + 1 - a^2 で、軸は x = a です。
- a < 0 のとき:軸が定義域の左外なので、x = 0 で最小値 1
- 0 <= a <= 2 のとき:軸が定義域内なので、x = a で最小値 1 - a^2
- a > 2 のとき:軸が定義域の右外なので、x = 2 で最小値 5 - 4a
定義域が動く場合
軸が固定で定義域が動く問題もあります。定義域 [t, t+2] のように文字を含む場合、軸との位置関係で場合分けします。
二次関数の決定
条件から二次関数を求める
与えられた条件から二次関数の式を決定する問題も重要です。条件に応じて使う形を選びます。
| 条件 | 使う形 |
|---|---|
| 頂点と通過点 | y = a(x - p)^2 + q |
| 3つの通過点 | y = ax^2 + bx + c |
| x軸との交点 | y = a(x - α)(x - β) |
例題
頂点が(1, -3)で点(3, 5)を通る二次関数を求めます。
- y = a(x - 1)^2 - 3 とおく
- (3, 5)を代入:5 = a(3 - 1)^2 - 3 = 4a - 3
- 4a = 8、a = 2
- y = 2(x - 1)^2 - 3 = 2x^2 - 4x - 1
二次不等式への応用
二次関数のグラフを利用して二次不等式を解くことができます。
ax^2 + bx + c > 0 の解は、y = ax^2 + bx + c のグラフがx軸より上にある部分のxの範囲です。
判別式 D = b^2 - 4ac の値によって解の形が変わります。
- D > 0:2つの実数解をもつ
- D = 0:重解をもつ
- D < 0:実数解をもたない
まとめ
二次関数の最大最小を確実に求めるためのポイントです。
- 平方完成で頂点と軸を求めるのが第一歩
- 定義域の制限があるときは、軸と定義域の位置関係で場合分け
- 文字を含む問題では場合分けの境界を正確に求める
- グラフを描いて視覚的に確認する習慣をつける
- 二次関数の決定では条件に合った形を選ぶ
二次関数は高校数学の中でも基盤となる分野です。この単元の理解が後の数学の学習に大きく影響します。