まつりの手帖 まつりの手帖

7月のお祭り一覧|祇園祭から夏祭りの始まりまで紹介

7月 祇園祭 博多山笠 天神祭 夏祭り
広告スペース (article-top)

7月は日本の夏祭りシーズンの幕開けです。京都の祇園祭、博多祇園山笠、大阪の天神祭という日本を代表する三大祭りが7月に集中しており、全国各地で夏の訪れを祝う祭りが華やかに繰り広げられます。この記事では、7月に行われる代表的なお祭りの歴史・見どころ・アクセスをご紹介します。

7月の祭りの特徴

7月の祭りには、疫病退散や厄除けを目的としたものが多いという特徴があります。蒸し暑い梅雨から盛夏にかけての時期は、かつて疫病が流行しやすい季節でした。人々は神仏の力を借りて疫病を退けようと、盛大な祭りを行ってきたのです。

祇園祭も博多祇園山笠も、その起源は疫病退散の祈願にあります。現代では疫病の心配は減りましたが、祭りは地域の絆を深め、夏の活力を生む大切な文化として受け継がれています。

祇園祭(京都府京都市)

歴史と由来

祇園祭は八坂神社の祭礼で、7月1日の「吉符入」から31日の「疫神社夏越祭」まで、一ヶ月にわたって多彩な行事が行われます。869年に京都で疫病が流行した際、神泉苑に当時の国の数にあたる66本の鉾を立てて疫病退散を祈願したのが始まりです。

1100年以上の歴史を持ち、ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。

見どころ

7月17日の前祭(さきまつり)山鉾巡行では23基の山鉾が、7月24日の後祭(あとまつり)山鉾巡行では11基の山鉾が都大路を巡行します。高さ最大25メートル、重さ最大12トンという巨大な山鉾が、「エンヤラヤー」の掛け声とともにゆっくりと進む姿は壮観です。

交差点での「辻回し」は最大の見せ場です。重い山鉾を青竹と水を使って方向転換させる技術は、何百年も受け継がれてきた職人技です。

14日〜16日の前祭宵山、21日〜23日の後祭宵山では、提灯に灯が入った山鉾が京都の夜を幻想的に照らします。各山鉾町では御朱印やちまきの授与、屏風祭(町家の秘蔵の屏風を公開する)などが行われ、歩いて回るだけで楽しめます。

アクセス

阪急京都河原町駅・京都市営地下鉄四条駅から徒歩すぐです。山鉾は四条通・新町通・室町通周辺に建てられています。

観覧のコツ

巡行の有料観覧席は御池通沿いに設けられ、例年6月から販売されます。四条河原町交差点の辻回しは無料で見学できますが、非常に混雑するため2時間前からの場所取りが必要です。後祭の方が前祭より来場者が少なく、ゆったり楽しめます。

博多祇園山笠(福岡県福岡市)

歴史と由来

博多祇園山笠は7月1日から15日まで開催されます。1241年、承天寺の聖一国師が施餓鬼棚に乗って祈祷水を撒き、疫病を退散させたことが起源です。博多の商人たちによって守り継がれてきた祭りで、ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。

見どころ

7月15日午前4時59分に始まる「追い山」がクライマックスです。七つの流(ながれ)が約5キロメートルのコースを全力疾走します。締め込み姿の男衆が「おっしょい、おっしょい」と掛け声を上げながら、約1トンの舁き山笠を担いで駆け抜ける姿は、博多の男の心意気そのものです。

7月1日から市内14カ所に展示される「飾り山笠」は、高さ10メートル以上の豪華な装飾が施された観賞用の山笠です。表と裏で異なるテーマの人形が飾られ、その精巧さは見事です。

7月12日の「追い山ならし」は追い山のリハーサルで、本番に近い迫力を味わえます。コースが約4キロメートルと本番より短いため、観覧の練習としてもおすすめです。

アクセス

福岡市営地下鉄祇園駅・中洲川端駅から徒歩すぐです。追い山の早朝は公共交通機関が動いていないため、博多・天神エリアに宿泊するのが確実です。

観覧のコツ

追い山は桟敷席が櫛田神社に設けられますが、抽選で倍率が高いです。コース沿いの東町筋や大博通りで見学する場合は、午前3時頃には場所を確保しましょう。

天神祭(大阪府大阪市)

歴史と由来

天神祭は大阪天満宮の祭礼で、7月24日の宵宮と25日の本宮が中心です。951年に創建された大阪天満宮の社前で、大川に神鉾を流して流れ着いた場所で禊を行ったのが起源です。日本三大祭りの一つに数えられ、千年以上の歴史があります。

見どころ

25日の「船渡御(ふなとぎょ)」が最大の見どころです。約100隻の船が大川(旧淀川)を行き交い、篝火に照らされた船団が水面を進む光景は「火と水の祭典」と呼ばれるにふさわしい華やかさです。

船渡御に合わせて約5000発の奉納花火が打ち上げられます。水上の船渡御と夜空の花火が同時に楽しめるのは天神祭ならではです。

25日午後の「陸渡御(りくとぎょ)」では、約3000人の行列が天満宮から天神橋筋を経て船乗り場まで練り歩きます。催太鼓を先頭に、平安装束の神職や采女、武者行列などが続く壮大な時代絵巻です。

24日の宵宮では、「鉾流神事」や「催太鼓」が行われ、祭りの序章として厳かな雰囲気に包まれます。

アクセス

大阪メトロ南森町駅・JR大阪天満宮駅から徒歩約5分です。船渡御の観覧は天満橋〜桜宮橋の川沿いです。

観覧のコツ

船渡御と花火を両方楽しむなら、源八橋付近が好位置です。有料の「奉拝船」に乗船すれば、船上から間近で船渡御を体験できます。乗船券は例年5月から販売されます。川沿いの無料スポットは17時頃から場所取りが始まります。

那智の火祭り(和歌山県那智勝浦町)

歴史と由来

那智の火祭り(那智の扇祭り)は、毎年7月14日に熊野那智大社で行われる例大祭です。熊野信仰の中心地である那智大社と那智の滝が舞台となる壮大な火祭りで、日本三大火祭りの一つに数えられます。

見どころ

12体の扇神輿が那智の滝前の飛瀧神社に向かって石段を下り、重さ約50キログラムの大松明12本で迎える光景が最大のクライマックスです。「ハリヤ、ハリヤ」の掛け声とともに、白装束の氏子たちが燃え盛る大松明を振りかざしながら扇神輿を迎え入れる姿は圧巻です。

那智の大滝(落差133メートル)を背景に、火と水と緑が織りなす光景は他に類を見ない神秘的な美しさがあります。

アクセス

JR紀伊勝浦駅からバスで約30分です。大阪から特急くろしおで約4時間です。

観覧のコツ

飛瀧神社前の観覧スポットは早い時間から場所取りが始まります。正午頃の大松明点火までに到着しておきましょう。那智山は山の中腹にあるため、歩きやすい靴が必須です。

相馬野馬追(福島県南相馬市)

歴史と由来

相馬野馬追(そうまのまおい)は毎年7月の最終土曜日から月曜日にかけて開催される、1000年以上の歴史を持つ伝統行事です。相馬氏の祖・平将門が野馬を敵兵に見立てて軍事訓練を行ったのが起源とされています。国の重要無形民俗文化財に指定されています。

見どころ

甲冑に身を包んだ約500騎の騎馬武者が出陣する姿は、まるで戦国時代にタイムスリップしたかのような迫力があります。中日の「甲冑競馬」では、甲冑姿の騎馬武者が全速力で疾走するレースが行われます。

「神旗争奪戦」では、花火で打ち上げられた御神旗を数百騎の騎馬武者が奪い合います。砂塵を巻き上げながら旗を目指して殺到する武者たちの姿は、野馬追最大の見せ場です。

アクセス

JR常磐線原ノ町駅から会場(雲雀ヶ原祭場地)までバスで約10分です。東京からは常磐線特急で約3時間半です。

観覧のコツ

雲雀ヶ原祭場地には有料観覧席が設けられています。甲冑競馬と神旗争奪戦は中日に行われ、最も盛り上がります。直射日光を遮るものが少ないため、日よけ対策は必須です。

7月の祭りを楽しむための準備

暑さ対策

7月は梅雨末期から盛夏にかけての高温多湿な時期です。帽子、日焼け止め、携帯扇風機、冷却タオル、十分な飲料水は必需品です。長時間の屋外観覧では、熱中症予防のためにこまめな水分・塩分補給を心がけましょう。

雨への備え

7月前半は梅雨が明けていない地域も多く、突然の雨に見舞われることがあります。折りたたみ傘やレインコートを持参しましょう。ただし、祭り会場では傘の使用が制限される場合があるため、レインコートの方が実用的です。

宿泊

祇園祭、天神祭、博多祇園山笠の期間中は、京都・大阪・福岡のホテルが非常に混み合います。数ヶ月前からの予約が推奨されます。周辺都市への宿泊も選択肢に入れましょう。

まとめ

7月のお祭りは、日本の夏祭りシーズンの幕を開ける華やかな行事の数々です。祇園祭の千年の雅、博多祇園山笠の男たちの疾走、天神祭の火と水の饗宴、那智の火祭りの神秘、相馬野馬追の戦国絵巻――7月の祭りは日本文化の多様性と深さを象徴しています。

梅雨明けとともに始まる熱い夏を、各地の祭りとともに体感してみてください。

広告スペース (article-bottom)

あわせて読みたい