灯籠祭りガイド|全国の灯籠・提灯の祭り
灯籠や提灯の灯りを使った祭りは、日本各地で古くから行われてきました。先祖の霊を送る灯籠流しから、幻想的な万灯祭まで、灯りの祭りには日本人の信仰と美意識が凝縮されています。ここでは全国の灯りをテーマにした祭りを紹介します。
灯りの祭りの種類
灯籠流し
灯籠流しはお盆の時期に川や海に灯籠を流す行事で、先祖の霊を送る意味があります。水面に揺れる無数の灯りは、この世とあの世をつなぐ幻想的な光景を生み出します。
万灯祭・提灯祭り
多数の灯籠や提灯で境内や街を照らす祭りです。数千から数万の灯りが灯される光景は圧巻です。
ねぶた系の祭り
青森ねぶた祭りに代表される、巨大な灯籠を山車に乗せて練り歩く祭りも灯りの祭りの一種です。
灯籠流しの祭り
広島平和記念式典の灯籠流し(広島県広島市)
8月6日の原爆の日に元安川で行われる灯籠流しは、原爆犠牲者の追悼と平和への祈りを込めた行事です。数千の灯籠が川面に浮かび、静かに流れていく光景は見る者の心を打ちます。
嵐山灯籠流し(京都府京都市)
8月16日に嵐山の渡月橋付近で行われる灯籠流しは、五山の送り火と同じ日に行われます。大堰川に浮かべられた灯籠が渡月橋の下をくぐっていく光景は、京都の夏の終わりを告げる風物詩です。
宮津灯籠流し(京都府宮津市)
8月16日に天橋立近くの宮津湾で行われる灯籠流しは、約1万個の灯籠が海面を埋め尽くし、花火大会と合わせて行われます。
万灯祭・灯籠の祭り
春日大社万灯籠(奈良県奈良市)
春日大社の万灯籠は2月の節分と8月14日・15日のお盆に行われます。境内に奉納された約3,000基の灯籠(石灯籠約2,000基、釣灯籠約1,000基)に火が灯され、暗闇の中に浮かび上がる灯りの回廊は神秘的な雰囲気に包まれます。
回廊に吊るされた釣灯籠が一斉に灯る光景は、平安時代から続く春日大社の信仰の深さを物語っています。
住吉大社の万灯祭(大阪府大阪市)
8月の第一土曜日に行われる住吉大社の万灯祭では、境内に約12,000もの提灯や灯籠が灯されます。幻想的な灯りの中で神楽や能が奉納され、夏の夜の特別な空間が生まれます。
三原やっさ祭り(広島県三原市)
8月に行われる三原やっさ祭りの期間中、三原城跡付近では灯籠が並べられ、「やっさやっさ」の掛け声とともに踊る人々が灯りに照らされる光景が広がります。
提灯祭り
二本松提灯祭り(福島県二本松市)
10月に行われる二本松提灯祭りは、日本三大提灯祭りの一つに数えられています。7台の太鼓台に約300個ずつの提灯が飾られ、夜になると一斉に灯りが灯されます。提灯に照らされた太鼓台が坂道を練り歩く光景は勇壮かつ幻想的です。
竿燈まつり(秋田県秋田市)
竿燈まつりは厳密には提灯祭りに分類されます。長さ12メートルの竹竿に46個の提灯を提げた竿燈を、額、肩、腰などでバランスを取りながら支える技は見事です。稲穂に見立てた竿燈が200本以上並ぶ姿は壮観です。
冬の灯りの祭り
横手かまくら(秋田県横手市)
2月に行われる横手のかまくらは、雪で作った室の中に水神様を祀り、ろうそくの灯りを灯す小正月の行事です。雪の中に温かい灯りがともるかまくらの光景は、冬の東北を代表する幻想的な風景です。
湯西川温泉かまくら祭(栃木県日光市)
1月下旬から3月上旬にかけて行われるかまくら祭では、河川敷に作られたミニかまくらにろうそくが灯され、幻想的な雪景色が広がります。
灯りの祭りの魅力
写真撮影のコツ
灯りの祭りは写真映えする場面が多いですが、暗所での撮影には工夫が必要です。三脚の使用が可能な場所では三脚を使い、手持ちの場合はISO感度を上げるかスマートフォンの夜間モードを活用しましょう。
観覧の心得
灯りの祭りでは静かに鑑賞することが求められる場面もあります。灯籠流しなどは宗教的な意味合いが強いため、節度ある態度で参加することが大切です。
まとめ
灯りをテーマにした祭りは、灯籠流し、万灯祭、提灯祭り、冬のかまくらなど多様な形で全国各地に存在します。水面に揺れる灯籠、暗闇に浮かぶ数千の灯り、雪の中にともるろうそくの灯り――灯りの祭りの美しさは、日本の祭り文化の中でも特別な位置を占めています。