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夏の花火大会ガイド|日本三大花火から穴場まで紹介

花火大会 夏祭り 長岡花火 大曲花火 土浦花火
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日本の夏を象徴する風物詩といえば花火大会です。江戸時代から続く花火文化は、日本が世界に誇る伝統芸能の一つです。全国で年間約7000〜8000もの花火大会が開催され、その規模と技術は世界最高水準を誇ります。この記事では、花火大会の歴史から見どころ、観覧のコツまで詳しくご紹介します。

日本の花火の歴史

日本に火薬が伝わったのは1543年の鉄砲伝来がきっかけとされています。花火として鑑賞されるようになったのは江戸時代初期で、1733年に隅田川で行われた「両国川開き花火」が日本の花火大会の起源とされています。

この花火大会は、前年に流行した疫病や飢饉の犠牲者を弔うために始まりました。以来、花火には厄除けや供養の意味も込められるようになりました。

江戸時代には「玉屋」「鍵屋」という二大花火師が技を競い合い、観客が「たまやー」「かぎやー」と声を上げて応援したことは有名です。この掛け声は現在でも花火大会で聞くことができます。

日本三大花火大会

長岡まつり大花火大会(新潟県長岡市)

長岡まつり大花火大会は毎年8月2日・3日に開催されます。1946年に長岡空襲の翌年、復興を祈願して始まった「長岡復興祭」が起源です。信濃川河川敷を会場に、2日間で約2万発の花火が打ち上げられます。

名物の「正三尺玉」は直径約90センチメートルの巨大花火で、上空約600メートルまで打ち上げられ、開花時の直径は約650メートルに達します。光と音の衝撃波が体を直撃する感覚は、長岡ならではの体験です。

復興のシンボルである「フェニックス花火」は、信濃川の幅いっぱい約2キロメートルにわたって打ち上げられるワイドスターマインです。平原綾香の「Jupiter」をBGMに、不死鳥が翼を広げるように夜空を彩る姿は、多くの観客を感動で涙させます。

「ナイアガラ」は全長約2キロメートルの滝のような仕掛け花火で、川面に映る黄金色の光が幻想的です。

アクセスはJR長岡駅から徒歩約30分。有料観覧席は例年5月から販売されます。

全国花火競技大会「大曲の花火」(秋田県大仙市)

大曲の花火は毎年8月の第4土曜日に開催される、日本最高峰の花火競技大会です。1910年に始まり、全国から選ばれた約30の花火師が最高の技を競い合います。

他の花火大会と異なり、花火師の技術を審査する「競技」であることが最大の特徴です。昼花火の部と夜花火の部があり、特に夜の「創造花火」は花火師の芸術的センスと技術が問われる見どころです。

「大会提供花火」はスポンサーにより打ち上げられる特別プログラムで、音楽に合わせて数千発の花火が一斉に打ち上がる壮大な演出は、大曲の花火のハイライトです。

アクセスはJR大曲駅から徒歩約30分。約80万人の来場があるため、帰りの混雑は覚悟が必要です。

土浦全国花火競技大会(茨城県土浦市)

土浦全国花火競技大会は毎年11月の第1土曜日に開催されます。秋に行われる珍しい花火大会で、1925年から続く歴史ある競技大会です。

「スターマインの部」「10号玉の部」「創造花火の部」の3部門で競われ、最高賞の「内閣総理大臣賞」は花火師にとって最大の名誉です。秋の澄んだ空気の中で見る花火は、夏よりもくっきりと美しく見えるのが特徴です。

アクセスはJR土浦駅から徒歩約30分。秋の開催のため、防寒対策が必要です。

花火の種類と見方

割物(わりもの)

花火玉が上空で均一に開く最も基本的なタイプです。日本の花火は球形に美しく開くことが特徴で、この「球の美しさ」は世界最高水準です。菊、牡丹、柳、冠などの種類があります。

スターマイン

複数の花火を連続して打ち上げる速射連発花火です。音楽に合わせてプログラムされたものは「ミュージックスターマイン」と呼ばれ、近年の花火大会の主流となっています。

仕掛け花火

ナイアガラ(滝のように流れ落ちる花火)や文字花火など、地上に設置された装置から打ち上げる花火です。長岡花火のナイアガラは全長約2キロメートルにも及びます。

花火の色の仕組み

花火の色は、使用する金属化合物によって決まります。赤はストロンチウム、青は銅、緑はバリウム、黄色はナトリウムが使われます。特に青色の花火は発色が難しく、美しい青を出せることが花火師の腕の見せどころです。

全国の注目花火大会

隅田川花火大会(東京都)

7月最終土曜日に開催される、東京を代表する花火大会です。約2万発の花火が隅田川上空を彩ります。花火コンクールも併設され、若手花火師の登竜門となっています。スカイツリーと花火のコラボレーションも見どころです。

諏訪湖祭湖上花火大会(長野県)

8月15日に開催される、約4万発の花火が打ち上げられる国内最大級の花火大会です。湖上から打ち上げられる花火と、湖面に映る花火の「逆さ花火」が美しい。周囲を山に囲まれた地形のため、花火の音が反響して迫力が増すのが特徴です。

熊野大花火大会(三重県)

8月17日に開催される、約1万発の花火大会です。海上に浮かべた巨大な筏から打ち上げる「三尺玉海上自爆」は、海面が炎で染まる圧倒的な迫力です。断崖に仕掛けられた「鬼ヶ城大仕掛け」は、洞窟内に轟く爆音と光が圧巻です。

みなとみらいスマートフェスティバル(神奈川県)

8月上旬に横浜のみなとみらい地区で開催されます。都市の夜景をバックに約2万発の花火が打ち上げられ、都会的な雰囲気の中で楽しめるのが魅力です。

花火大会を快適に楽しむコツ

場所取り

人気の花火大会では、良い場所を確保するために早朝から場所取りが始まります。有料観覧席があれば購入するのが最も確実です。無料の場合は、少し離れた穴場スポットを事前にリサーチしておくと、ゆったり楽しめます。

持ち物チェックリスト

レジャーシートは必須です。加えて、虫よけスプレー、懐中電灯、モバイルバッテリー、ゴミ袋、折りたたみ椅子などがあると快適です。飲み物と軽食は事前に購入しておくと、現地の混雑した屋台に並ばずに済みます。

撮影のポイント

花火の撮影は三脚とリモートシャッターがあると格段に良い写真が撮れます。スマートフォンの場合は、花火モードがあれば活用しましょう。連写よりも動画モードで撮影し、後から静止画を切り出す方法も有効です。

帰りの混雑対策

大規模な花火大会では、終了後に数万人から数十万人が一斉に帰路につくため、駅や道路が大混雑します。フィナーレの少し前に会場を離れる、逆方向の駅を利用する、周辺で食事をして時間をずらすなどの対策が有効です。

まとめ

日本の花火大会は、江戸時代から受け継がれてきた世界に誇る夏の風物詩です。花火師たちが一年がかりで準備した渾身の作品が、わずか数秒の輝きに全てを賭ける姿は、日本の職人文化の精華そのものです。

三大花火大会の圧倒的なスケールから、地元の小さな花火大会の温かさまで、それぞれの花火大会に魅力があります。夏の夜空を彩る花火の輝きを、ぜひ現地で体感してみてください。

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