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動物に由来する言葉|「猫舌」「犬猿の仲」の語源

語源 動物 慣用句 日本語
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日本語には動物に由来する表現が数多くあります。「猫舌」「犬猿の仲」「馬が合う」など、動物の特性や行動を人間に当てはめた慣用表現の語源を解説します。

猫に由来する表現

猫舌

熱い食べ物が苦手な人のことです。猫は体温調節が苦手で、熱いものを食べられないことから、熱さに弱い人を「猫舌」と呼ぶようになりました。実際には猫に限らず、多くの動物は熱い食べ物が苦手です。

猫の手も借りたい

非常に忙しくて人手が足りない状態です。普段は役に立たない猫の手ですら借りたいほど忙しいという比喩です。猫は犬と違って人間の指示に従って作業することがないため、「役に立たない存在の代表」として用いられています。

猫をかぶる

本性を隠しておとなしそうに振る舞うことです。猫は時におとなしく見えて実は爪を隠しているという観察から生まれた表現です。

犬に由来する表現

犬猿の仲

非常に仲が悪いことの例えです。犬と猿は出会うと激しく争う習性があるとされ、相性が極めて悪い関係を表す言葉になりました。十二支で犬(戌)と猿(申)が隣同士であることも関連しているとする説があります。

犬も食わない

夫婦喧嘩など、他人が関わるべきではないことの例えです。「犬も食わない」の完全な形は「夫婦喧嘩は犬も食わない」で、何でも食べる犬でさえ手を出さないほど、他人が介入すべきではないという意味です。

馬に由来する表現

馬が合う

性格や気持ちが合って仲が良いことです。馬術において、騎手と馬の呼吸が合うことが重要であることから、人間同士の相性の良さを表す表現になりました。

馬耳東風

人の意見を聞き流すことです。中国の詩人・李白の詩に由来し、馬の耳に春風が吹いても馬は何も感じないという比喩から来ています。

鳥に由来する表現

鶴の一声

権力者の一言で物事が決まることです。鶴は古来より高貴な鳥とされ、その一声は他の鳥を圧倒する力を持つと考えられていたことから生まれた表現です。

烏合の衆

統率のない集団のことです。烏(カラス)が群れをなして集まるが、規律のない様子に由来します。中国の古典に出典があります。

虫に由来する表現

虫の居所が悪い

機嫌が悪い状態のことです。日本では体内に「虫」が住んでいるとする古い信仰があり、その虫の居場所が悪いと機嫌が悪くなると考えられていました。

虫が好かない

理由はわからないが気に入らないことです。体内の虫が好ましくないと感じていることを表しています。

魚に由来する表現

鯖を読む

数をごまかすことです。鯖は傷みやすい魚であるため、市場で急いで数えたところ数が合わなくなったことから、数をごまかすことを「鯖を読む」と言うようになったとされています。

まな板の鯉

相手の思い通りになるしかない状態のことです。まな板の上に置かれた鯉はもう逃げることができないことから、観念して運命を受け入れるしかない状態を表しています。

まとめ

動物に由来する日本語表現は、日本人が身近な動物を長年観察してきた知恵の結晶です。猫のしなやかさ、犬の忠実さ、馬との一体感、鳥の気高さなど、動物の特性を人間の行動や関係に巧みに当てはめた表現の豊かさは、日本語の大きな魅力と言えるでしょう。

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