くす玉(薬玉)の折り方|ユニット折り紙で作る花の球体
くす玉(薬玉)は、同じ形のユニット(パーツ)を多数折り、それらを組み合わせて球体を作る「ユニット折り紙」の代表的な作品です。花の形をしたユニットを組み合わせると、360度どこから見ても花が咲いている美しい球体ができあがります。パーツの折り方自体はそれほど難しくありませんが、数を揃えて正確に組み立てる工程が上級者向けです。この記事では、12個のユニットで作る花のくす玉の折り方を解説します。
用意するもの
正方形の折り紙を12枚用意します。すべて同じ色でも美しいですが、2色から4色を使い分けると、球体に色の模様が現れてさらに華やかになります。サイズは7.5cm四方から15cm四方がおすすめです。7.5cm四方で作ると手のひらに乗るかわいいサイズに、15cm四方で作るとソフトボールほどの大きさになります。
のりまたは両面テープがあると、ユニット同士の接着が楽になります。吊るして飾る場合は、糸やリボンも用意しましょう。
ユニット(花のパーツ)の折り方
まず1つのユニットの折り方を説明します。同じものを12個作ります。
手順1:対角線に折る
折り紙の色のついた面を下にして置きます。手前の角と奥の角を合わせて三角形に折ります。折り目をしっかりつけましょう。
手順2:左右の角を頂点に折り上げる
三角形の底辺の左右の角を、頂点に向かって折り上げます。ぴったり頂点に合わせて折りましょう。これで小さな正方形(ひし形の向き)になります。
手順3:花びらの折り目を作る
手順2で折り上げた三角形のフラップを開きます。左側のフラップの角を持ち、中央の折り目に沿ってつぶし折りにします。三角形が開いて小さなひし形になるように折ります。右側も同じようにつぶし折りにします。
手順4:余分な角を折り込む
つぶし折りでできたひし形の上部に、三角形の先端が飛び出しているはずです。この飛び出した三角形の部分を、下に向かって折ります。左右両方の飛び出した部分を折りましょう。
手順5:三角形のフラップを折りたたむ
手順4で折った三角形の面全体を、中央の折り目に合わせて半分に折りたたみます。左右ともに折りたたむと、最初の手順2の状態に戻ったような形になりますが、折り目の構造が変わっています。
手順6:花びらの形にする
左右の折りたたんだ部分の外側の面にのりを塗り、それぞれを貼り合わせます。左のフラップの外面と、その裏にある面を貼り合わせ、右も同様にします。
これで花びらが立体的に立ち上がったユニットが完成します。円錐形のような形で、上から見ると花のような形をしています。
手順7:残り11個を折る
同じ手順で残り11個のユニットを折ります。すべてのユニットが同じ大きさ、同じ形になるように注意しましょう。サイズが揃っていないと、組み立てたときに隙間ができたり、形が歪んだりします。
くす玉の組み立て
手順1:花を5つ組にする
ユニットの側面にのりを塗り、隣のユニットの側面と貼り合わせます。5つのユニットを輪になるように貼り合わせると、1つの花の輪ができます。5つのユニットが中心で集まり、上から見ると5枚の花びらを持つ大きな花のような形になります。
手順2:上下のキャップを作る
12個のうち10個を2つの花の輪(各5個)に組み立てます。残り2個は後で使います。
ここで組み立てのパターンを説明します。くす玉の構造は、上半分と下半分に分かれます。5つ組の花の輪が上のキャップと下のキャップになります。
手順3:赤道部分を埋める
2つの5つ組のキャップの間に、残りの2個のユニットを入れて球体を完成させます。ただし、12個で作るシンプルなくす玉の場合、5つ組を2つ作り、間をつなぐようにユニットを配置します。
上のキャップの花びらと花びらの間に、下のキャップの花びらが来るように角度を調整して貼り合わせます。残りの2個のユニットは、上下のキャップの間にできる隙間を埋めるように配置して接着します。
手順4:形を整える
すべてのユニットが接着されたら、全体の形を確認します。球体がきれいな丸になるように、各ユニットの角度を微調整します。
のりが完全に乾くまで触りすぎないように注意しましょう。乾く前に動かすとユニットがずれて形が崩れることがあります。
組み立てのコツ
くす玉の組み立てでは、いくつかのポイントを押さえておきましょう。
のりは速乾性のものが作業しやすいです。乾くのを待つ時間が短縮され、テンポよく組み立てられます。ただし、位置の微調整ができる程度の固まり速度が理想です。
ユニットを貼り合わせるとき、接着面が均等になるように注意しましょう。一方に偏ると球体の形が歪みます。
大量のユニットを折る工程は根気が要りますが、1つずつ丁寧に折ることが大切です。形がばらばらのユニットでは、きれいな球体になりません。
くす玉の飾り方
完成したくす玉の飾り方を紹介します。
天井から糸で吊るすのが最も伝統的な飾り方です。糸の代わりにリボンを使い、下にタッセルや鈴をつけると華やかさが増します。
棚や台の上に置いて飾ることもできます。小さな台座や皿の上に乗せると安定します。
玄関に飾れば、訪れた人を華やかに迎えるインテリアになります。季節に合わせて色を変えたくす玉を作るのも楽しいです。
バリエーション
ユニットの数を変えると、大きさや形の異なるくす玉が作れます。
6個のユニットで作ると、立方体に近い形のくす玉ができます。30個で作ると、より球体に近い大きなくす玉になります。60個で作ると、非常に密度の高い見事な球体になりますが、制作には相当な時間と根気が必要です。
ユニットの花の形を変えることで、さまざまな表情のくす玉を作ることができます。桜の花びらをモチーフにしたユニットや、ユリの花をモチーフにしたユニットなど、多くのバリエーションが考案されています。
くす玉の歴史
くす玉(薬玉)の名前は、もともと香料や薬草を丸い袋に入れて吊るした「薬玉」に由来します。端午の節句に魔除けとして軒先に飾る風習がありました。
折り紙のくす玉は、この伝統的な薬玉を紙で表現したものです。現代では、結婚式やパーティーの装飾、お祝いの贈り物など、さまざまな場面で親しまれています。
まとめ
くす玉の折り紙は、同じユニットを正確に折り、美しく組み立てるという、折り紙の精密さと造形美を同時に楽しめる作品です。完成したくす玉の360度どこから見ても花が咲いている美しさは、ほかの折り紙作品にはない魅力があります。時間をかけてじっくりと取り組んでみてください。