ターミナル入門|初心者が覚えるべき基本コマンド
ターミナル(コマンドライン)は、キーボードで文字を入力してコンピュータを操作するツールです。プログラミングでは、コードの実行やGitの操作、パッケージのインストールなど、さまざまな場面でターミナルを使います。この記事では、最初に覚えるべき基本コマンドを解説します。
ターミナルの開き方
macOS
「アプリケーション」の「ユーティリティ」にある「ターミナル.app」を起動します。Spotlightで「ターミナル」と検索しても見つかります。
Windows
「PowerShell」または「コマンドプロンプト」を使います。スタートメニューで検索するか、Windows + Rで「powershell」と入力して起動します。Git Bashをインストールしている場合はそちらも使えます。
VS Code内のターミナル
VS Codeでは`Ctrl + “(バッククォート)でエディタ内にターミナルを開けます。コーディングとコマンド操作を同時に行えるので便利です。
ディレクトリ(フォルダ)操作
pwd: 現在地を確認する
pwd
# /Users/username
pwd(print working directory)は、現在いるディレクトリのパスを表示します。迷ったらまずpwdで現在地を確認しましょう。
ls: ファイル一覧を表示する
# 現在のディレクトリのファイル一覧
ls
# Documents Downloads Desktop Pictures
# 詳細情報つきで表示
ls -l
# drwxr-xr-x 5 user staff 160 Jun 13 10:00 Documents
# drwxr-xr-x 3 user staff 96 Jun 13 09:00 Downloads
# 隠しファイルも含めて表示
ls -a
# . .. .gitconfig .bashrc Documents Downloads
# 詳細 + 隠しファイルの組み合わせ
ls -la
-lは詳細表示、-aは隠しファイル(ドットで始まるファイル)も表示するオプションです。
cd: ディレクトリを移動する
# Documentsフォルダに移動
cd Documents
# 1つ上のディレクトリに戻る
cd ..
# 2つ上のディレクトリに戻る
cd ../..
# ホームディレクトリに戻る
cd ~
# または
cd
# 絶対パスで移動
cd /Users/username/Documents/projects
# 直前のディレクトリに戻る
cd -
パスの指定方法は2種類あります。
- 絶対パス: ルート(
/)からのフルパス(例:/Users/username/Documents) - 相対パス: 現在地からの相対的な位置(例:
../Documents)
ファイル操作
mkdir: ディレクトリを作成する
# ディレクトリを作成
mkdir my-project
# 深い階層のディレクトリを一度に作成
mkdir -p my-project/src/components
-pオプションをつけると、途中のディレクトリも含めて一度に作成できます。
touch: ファイルを作成する
# 空のファイルを作成
touch index.html
touch style.css
# 複数ファイルを一度に
touch index.html style.css script.js
cp: コピーする
# ファイルをコピー
cp index.html backup.html
# ディレクトリごとコピー(-rオプション必須)
cp -r my-project my-project-backup
mv: 移動・名前変更
# ファイルを移動
mv style.css css/style.css
# ファイル名を変更
mv old-name.html new-name.html
# ディレクトリを移動
mv my-folder another-location/
mvはファイルの移動と名前変更の両方に使えます。
rm: 削除する
# ファイルを削除
rm unwanted-file.txt
# ディレクトリを中身ごと削除(注意して使う)
rm -r old-project
# 確認しながら削除
rm -i important-file.txt
# remove important-file.txt? と確認される
rmで削除したファイルはゴミ箱に入らず完全に消えます。特にrm -rは中身をすべて削除するため、慎重に使いましょう。
ファイルの内容を確認する
cat: ファイル全体を表示
cat index.html
# <!DOCTYPE html>
# <html lang="ja">
# ...
less: ページ単位で表示
# 長いファイルをページ単位で閲覧
less long-file.txt
# スペースキー: 次のページ
# b: 前のページ
# q: 終了
# /文字列: 検索
catは短いファイル、lessは長いファイルに向いています。
head / tail: 先頭・末尾を表示
# 先頭10行を表示
head -n 10 log.txt
# 末尾10行を表示
tail -n 10 log.txt
# リアルタイムで末尾を監視
tail -f log.txt
実用的なコマンド
clear: 画面をクリア
clear
# ターミナルの表示をクリアする
# ショートカット: Ctrl + L
history: コマンド履歴
# 過去に実行したコマンドの一覧
history
# 履歴から検索(Ctrl + R)
# (reverse-i-search)`git`: git commit -m "初期コミット"
上矢印キーで直前のコマンドを呼び出すこともできます。
which: コマンドの場所を確認
which python
# /usr/bin/python
which git
# /usr/bin/git
echo: 文字列を出力
echo "Hello, World!"
# Hello, World!
# 環境変数の確認
echo $HOME
# /Users/username
echo $PATH
# /usr/local/bin:/usr/bin:/bin:...
よくある間違いと対策
間違い1: パスのスペル間違い
# NG: ディレクトリ名が違う
cd Documants
# bash: cd: Documants: No such file or directory
# タブキーで補完を活用する
cd Doc # ここでTabキーを押すと自動補完される
cd Documents/
タブ補完は最も便利な機能の一つです。パスの途中まで入力してTabキーを押すと、候補が自動的に補完されます。
間違い2: パーミッションエラー
# 権限がないと操作できない
rm /etc/important-file
# Permission denied
# 管理者権限で実行(パスワードが求められる)
sudo rm /etc/important-file
sudoは管理者権限でコマンドを実行します。よく理解してから使いましょう。
間違い3: ホームディレクトリとプロジェクトディレクトリの混同
# まずpwdで現在地を確認
pwd
# /Users/username
# プロジェクトディレクトリに移動してから作業
cd ~/Documents/my-project
pwd
# /Users/username/Documents/my-project
ターミナルは最初は難しく感じますが、毎日少しずつ使っていると自然と手に馴染んできます。まずはcd、ls、pwdの3つを使いこなすことから始めてみてください。