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啓蟄の意味と虫たちの目覚め

啓蟄 二十四節気
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啓蟄は二十四節気の第3番目にあたる節気です。土の中で冬眠していた虫たちが、春の暖かさを感じて地上に出てくる時期を意味します。ここでは啓蟄の意味や由来、この時期の自然界の変化について詳しく解説します。

啓蟄とは

名前の意味

「啓」は「開く」「ひらく」という意味で、「蟄」は「虫が土の中に隠れている」という意味です。つまり啓蟄とは「土の中に隠れていた虫が穴を開いて出てくる」ことを表しています。

ただし、ここでいう「虫」は昆虫だけではありません。古くは蛇やカエルなども含めた、冬眠する小動物全般を指していました。

時期

啓蟄は毎年3月6日頃にあたります。太陽黄経が345度になる日で、雨水の次の節気です。啓蟄の期間はおよそ3月6日から3月20日頃までで、次の節気は春分です。

啓蟄の七十二候

啓蟄の期間は七十二候によって3つに分けられます。

時期意味
初候3月6日頃蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)
次候3月11日頃桃始笑(ももはじめてさく)
末候3月16日頃菜虫化蝶(なむしちょうとなる)

初候はまさに啓蟄の名前通り、冬眠していた虫が地上に出てくることを表しています。次候では桃の花が咲き始め、末候ではモンシロチョウの幼虫が蝶になって飛び始めます。

桃の花が「笑う」と表現されているのは、花が開くさまを笑顔にたとえた美しい表現です。

啓蟄の頃に目覚める生き物

昆虫

冬の間、土の中や落ち葉の下、木の皮の裏などで越冬していた昆虫が活動を始めます。

昆虫越冬場所越冬形態
テントウムシ落ち葉の下、建物の隙間成虫
アリ地中の巣成虫
モンシロチョウ草木の葉裏
カブトムシ腐葉土の中幼虫
ミツバチ巣箱の中成虫(集団で越冬)

両生類・爬虫類

  • カエル:水辺近くの土の中で冬眠し、春の雨の日に目覚める
  • トカゲ:石の下や土の中で冬眠する
  • ヘビ:岩の隙間や地中で冬眠する

哺乳類

  • クマ:山中の穴で冬眠し、3月頃から活動を再開する
  • ヤマネ:体温を大幅に下げて冬眠する日本固有の動物
  • コウモリ:洞窟や屋根裏で冬眠する

啓蟄の自然の変化

植物

啓蟄の頃は植物の活動も活発になります。

  • 桃の花が咲き始める
  • 沈丁花が甘い香りを放つ
  • つくしが顔を出す
  • タンポポが咲き始める
  • 柳の芽が膨らむ

気候

この時期は「春一番」と呼ばれる強い南風が吹くことがあります。春一番は、立春から春分の間に初めて吹く、南寄りの強風(風速8m/s以上)のことです。

また、この頃から雷が鳴ることもあり、これを「春雷」と呼びます。古来、春雷が虫たちを目覚めさせるという言い伝えもありました。

啓蟄の行事と風習

菰外し(こもはずし)

冬の間、松の木に巻いていた藁の菰(こも)を外す作業が啓蟄の頃に行われます。菰巻きは害虫を集めるための仕掛けで、啓蟄の頃に外して焼却することで害虫駆除の役割を果たしていました。

お水取り

奈良の東大寺二月堂で行われるお水取り(修二会)は、3月1日から14日まで行われる伝統行事です。啓蟄の頃と重なるこの行事は、1260年以上続いているとされ、奈良に春を呼ぶ行事として知られています。

啓蟄の旬の食べ物

春の味覚

食材特徴
つくし春の訪れを告げる食材。卵とじや佃煮に
蕨(わらび)代表的な春の山菜。おひたしやアク抜きして炊き込みご飯に
蕗(ふき)独特の香りと風味。煮物や佃煮に
新玉ねぎ甘みが強くみずみずしい。サラダやスライスで
鯛(たい)桜鯛と呼ばれる春の鯛。刺身や塩焼きに

啓蟄の過ごし方

自然観察

啓蟄は自然観察に最適な時期です。

  • 庭や公園で虫の動きを観察する
  • 土の中から出てくるつくしを探す
  • 桃や梅の花を鑑賞する
  • 水辺でカエルの鳴き声に耳を傾ける

衣替えの準備

本格的な春を迎える前に、少しずつ衣替えの準備を始めましょう。冬物のクリーニングや収納の計画を立てるとよい時期です。

花粉症対策

スギ花粉の飛散がピークを迎える時期でもあります。マスクの着用やこまめな洗顔、部屋の換気のタイミングに気を配りましょう。

まとめ

啓蟄のポイントを整理します。

  • 啓蟄は3月6日頃の節気で「虫が穴を開いて出てくる」意味
  • 冬眠していた虫や動物が活動を再開する時期
  • 桃の花が咲き、つくしが顔を出す
  • 春一番が吹いたり春雷が鳴ったりする
  • 菰外しやお水取りなどの行事がある
  • つくしや蕨など春の山菜が旬を迎える

啓蟄を迎えると、冬の終わりと春の到来を実感できます。身の回りの小さな生き物の動きにも注目してみましょう。

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