みずがめ座の見つけ方|秋の夜空に広がる水の星座
みずがめ座は秋の夜空に広がる黄道十二星座のひとつで、水瓶から流れ出る水をモチーフにした星座です。明るい星が少ないため見つけにくい星座ですが、神話や流星群との関連など、知れば知るほど味わい深い存在です。この記事では、みずがめ座の見つけ方と観測のポイントを解説します。
みずがめ座の基本情報と見つけ方
みずがめ座は全天88星座のなかでも面積の大きな星座ですが、明るい星に乏しいのが特徴です。
夜空での位置
みずがめ座は9月から11月にかけて南の空に見えます。見頃は10月で、午後9時頃に南中します。秋の夜空は明るい星が少ない「秋の寂しい空」と呼ばれますが、みずがめ座はまさにその中心付近に位置しています。
見つけ方のコツ
みずがめ座を見つけるには、まず「秋の四辺形」(ペガスス座の大四辺形)を目印にします。四辺形の南西側の星から南に目をやると、みずがめ座の領域にたどり着きます。水瓶の口にあたる「三ツ矢」と呼ばれる小さな星の集まりが、最もわかりやすい目印です。
全体の形
みずがめ座は、水瓶を持った若者の姿を表しています。三ツ矢の部分が水瓶の口にあたり、そこから南に流れるように星が並ぶのが水の流れを表現しています。水の行き着く先には、みなみのうお座の1等星フォーマルハウトがあります。
みずがめ座の主要な星
みずがめ座の代表的な星です。
サダルメリク
サダルメリク(アルファ星)は約2.9等の黄色超巨星です。アラビア語で「王の幸運の星」を意味します。地球からの距離は約520光年で、太陽の約60倍の直径を持つ巨大な恒星です。
サダルスウド
サダルスウド(ベータ星)はみずがめ座で最も明るい星で、約2.9等です。名前は「幸運の中の幸運」を意味します。こちらも黄色超巨星で、地球からの距離は約540光年です。
三ツ矢の星々
水瓶の口にあたる「三ツ矢」は、ゼータ星を中心とした数個の星の集まりです。双眼鏡で見ると、小さな星が寄り添う美しい姿を楽しめます。
みずがめ座にまつわるギリシャ神話
みずがめ座には、ギリシャ神話のガニュメデスの物語が伝わっています。
ガニュメデスの物語
ガニュメデスはトロイアの王子で、その美しさは神々の間でも評判でした。大神ゼウスはガニュメデスの美しさに惹かれ、鷲に姿を変えて(またはわし座として知られる鷲を送って)ガニュメデスをオリンポス山に連れ去りました。
神々の給仕役
ガニュメデスはオリンポス山で神々の宴に酒を注ぐ給仕役を務めることになりました。水瓶から絶えず注がれる神酒(ネクタル)が、みずがめ座の水の流れとして表現されています。ゼウスはガニュメデスを永遠に記念するため、その姿を星座にしたとされています。
みずがめ座流星群
みずがめ座は2つの流星群の放射点を持っています。
みずがめ座エータ流星群
毎年5月6日頃に極大を迎える流星群で、ハレー彗星を母天体としています。日本では放射点の高度が低いため、観測条件は南半球の方が有利ですが、午前3時頃から明け方にかけて1時間に10個から20個程度の流星を見られることがあります。
みずがめ座デルタ流星群
7月下旬に極大を迎える流星群です。出現数は1時間に15個から20個程度で、夏の夜空を彩ります。ペルセウス座流星群の時期と近いため、合わせて楽しむことができます。
観測のベストシーズンと見どころ
みずがめ座の観測に適した条件です。
見頃の時期
10月が最も観察しやすく、午後9時頃に南の空で南中します。ただし、明るい星が少ないため、暗い場所での観察が推奨されます。
双眼鏡で楽しむ天体
みずがめ座の領域には、球状星団M2や惑星状星雲NGC 7009(土星状星雲)、NGC 7293(らせん星雲)といった見どころがあります。らせん星雲は地球に最も近い惑星状星雲のひとつで、見かけの大きさは満月の半分ほどあります。
フォーマルハウトとの関係
みずがめ座の水瓶から流れ出た水の行き先に、みなみのうお座の1等星フォーマルハウトが輝いています。秋の夜空で南の低い位置にぽつんと光るフォーマルハウトは「秋のひとつ星」とも呼ばれ、秋の星空のランドマークです。
まとめ
みずがめ座は、明るい星は少ないものの、ギリシャ神話のガニュメデスの物語や、2つの流星群、美しい星雲・星団など見どころの多い星座です。秋の夜空で三ツ矢を目印に探してみてください。双眼鏡や望遠鏡があれば、らせん星雲などの天体も楽しめます。