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惑星の衝とは|外惑星が最も見やすくなる瞬間

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「衝(しょう)」とは、外惑星(火星、木星、土星など地球よりも外側を回る惑星)が太陽の正反対の方向に位置する現象です。衝の前後は惑星が最も明るく見え、一晩中観測できるため、惑星観察の絶好のチャンスとなります。この記事では、衝の仕組みと観測のポイントを解説します。

衝の仕組み

衝がどのようにして起きるのかを理解しましょう。

衝の定義

衝とは、太陽・地球・外惑星がこの順に一直線に並ぶ配置のことです。このとき外惑星は太陽と正反対の方向にあるため、日没とともに東の空から昇り、真夜中に南中し、日の出とともに西に沈みます。つまり、一晩中見ることができます。

なぜ明るくなるのか

衝の前後は、地球と外惑星の距離が近くなるため、惑星が通常よりも明るく見えます。また、惑星の太陽に照らされた面がほぼ正面を向くため、反射光が最大になります。

衝の周期

衝は、地球と外惑星の公転速度の差によって周期的に起こります。火星の衝は約2年2か月ごと、木星は約1年1か月ごと、土星は約1年13日ごとに訪れます。

各惑星の衝

主な外惑星の衝の特徴を紹介します。

火星の衝

火星は約2年2か月ごとに衝を迎えます。特に約15年から17年ごとに起こる「大接近」では、地球と火星の距離が約5600万km以下になり、マイナス3等に達する明るさで赤く輝きます。2003年の大接近では約5576万kmまで近づき、約6万年ぶりの超大接近として話題になりました。望遠鏡では火星の表面模様や極冠を観察できます。

木星の衝

木星は毎年衝を迎えるため、比較的頻繁に好条件で観測できます。衝の時期には約マイナス2.5等から2.9等に達し、夜空で最も明るい星のひとつになります。小型望遠鏡でも縞模様や4つのガリレオ衛星(イオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト)を確認できます。

土星の衝

土星も毎年衝を迎えます。明るさは約0等前後で、環の傾きによって変化します。環が大きく開いた年は反射面積が増えて明るくなり、環が真横を向く年(約15年ごと)は暗くなります。望遠鏡では環のカッシーニの間隙や最大衛星タイタンを観察できます。

衝の前後の観測

衝の当日だけでなく、前後数週間が観測好期です。

観測適期

衝の前後2か月程度が惑星観測の好条件期間です。この間、惑星は真夜中前後に南の空高く見え、大気の影響を受けにくい条件で観察できます。

逆行現象

衝の前後には、惑星が通常の東向きの動きから西向きに動く「逆行」が起こります。これは地球が外惑星を追い抜くことで生じる見かけの動きです。古代には惑星の逆行が大きな謎でしたが、コペルニクスの地動説で説明がつくようになりました。

観測機材

惑星の衝は肉眼でも楽しめますが、望遠鏡があると格段に楽しみが広がります。口径8cm以上の望遠鏡で木星の縞模様、10cm以上で土星の環が見えます。高倍率(150倍から200倍)での観察がおすすめです。

衝と合の違い

対になる概念も理解しておきましょう。

合(ごう)とは

合は、太陽と惑星が同じ方向に位置する配置です。外惑星の合では、惑星が太陽の向こう側にあるため観測できません。内惑星(水星・金星)には「内合」(地球と太陽の間)と「外合」(太陽の向こう側)の2種類があります。

矩(く)とは

矩は、太陽・地球・惑星の角度が90度になる配置です。「東矩」では日没後に南の空に見え、「西矩」では日の出前に南の空に見えます。

衝の日程の調べ方

今後の衝の日程を知る方法です。

国立天文台の情報

国立天文台のウェブサイト「暦計算室」で、各惑星の衝の日程を確認できます。年間の天文現象カレンダーにも掲載されています。

天文年鑑

毎年発行される天文年鑑には、惑星の衝の日程や予想される明るさ、視直径などの詳細情報が載っています。

天文アプリ

「Stellarium」「Star Walk」などの天文アプリで、惑星の位置と衝の時期を視覚的に確認できます。

まとめ

惑星の衝は、外惑星が最も明るく一晩中見える絶好の観測機会です。火星は約2年2か月、木星と土星は約1年ごとに衝を迎えます。衝の前後数週間は惑星観測の好条件期間となりますので、天文カレンダーをチェックして観測計画を立てましょう。

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