ペルセウス座流星群の見方|8月の夏の流れ星ガイド
毎年8月のお盆前後、夜空に多くの流れ星が飛ぶ時期がやってきます。ペルセウス座流星群は、年間で最も観察しやすい流星群のひとつで、暖かい夏の夜に特別な機材なしで楽しめる天文現象です。
この記事では、ペルセウス座流星群の見方、極大日の確認方法、観察に適した条件、そして流星群の仕組みについて解説します。
ペルセウス座流星群とは
ペルセウス座流星群は、毎年7月中旬から8月下旬にかけて活動する流星群です。極大(最も多くの流星が見られる時期)は8月12日から13日頃で、条件が良ければ1時間に50個から60個以上の流星を見ることができます。
三大流星群のひとつ
ペルセウス座流星群は、1月のしぶんぎ座流星群、12月のふたご座流星群と並んで「三大流星群」に数えられています。三大流星群のなかで最も観察条件に恵まれやすいのがペルセウス座流星群です。8月の暖かい時期に極大を迎えるため、防寒の心配が少なく、夏休みと重なることから家族連れでも楽しめます。
毎年安定した活動を見せるのもこの流星群の特徴です。極大時の1時間あたりの流星数(ZHR:天頂補正出現数)は例年100個前後で、実際に肉眼で見える数はその半分から3分の1程度ですが、それでも十分に見ごたえがあります。
母天体はスイフト・タットル彗星
ペルセウス座流星群の母天体は、スイフト・タットル彗星(109P/Swift-Tuttle)です。この彗星は約133年の周期で太陽の周りを回っており、軌道上にちりの帯を残しています。地球が毎年8月にこのちりの帯を横切る際、ちりの粒が大気に飛び込んで発光し、流星として見えるのです。
彗星が残すちりの粒は、大きさが砂粒から米粒程度で、大気に秒速約60キロメートルという猛烈な速度で突入します。この衝突で大気が加熱されて発光し、一筋の光として見えるのが流星です。
ペルセウス座流星群の見方
流星群の観察は特別な道具を必要としませんが、いくつかのポイントを押さえると、より多くの流星を楽しめます。
極大日と観察に適した時間帯
ペルセウス座流星群の極大は例年8月12日から13日頃ですが、年によって多少前後することがあります。国立天文台のウェブサイトや天文雑誌で、その年の極大予想日時を確認しましょう。
観察に最適な時間帯は、極大日の夜の午後10時頃から翌朝4時頃までです。特に午前0時を過ぎると放射点が高く昇るため、流星の数が増えていきます。放射点が高い位置にあるほど、空の広い範囲で流星が見える可能性が高まります。
放射点とどこを見ればいいか
流星群の流星は、空のある一点から放射状に飛び出すように見えます。この点を放射点(輻射点)と呼びます。ペルセウス座流星群の放射点はペルセウス座のγ星付近にあり、北東の空にあります。
ただし、流星を見るために放射点ばかりを見つめる必要はありません。流星は空のどこにでも現れるため、むしろ放射点から少し離れた方向を広く見渡すのが効果的です。放射点付近の流星は短く、離れた位置の流星は長い尾を引くため、見ごたえがあるのは放射点から離れた方向です。
観察場所の選び方
流星を多く見るためには、できるだけ暗い場所を選ぶことが重要です。都市の明るい光は空全体を照らしてしまい、暗い流星が見えなくなります。郊外の公園や山間部、海岸など、人工の光が少ない場所が理想的です。
到着してすぐは目が暗さに慣れていないため、最低でも15分から20分は暗い環境に目を慣らしましょう。スマートフォンの画面を見ると暗順応がリセットされるため、使う場合は赤いフィルターモードにするか、画面を最低輝度にしてください。
月明かりと年ごとの条件
流星群の観察条件を大きく左右するのが月明かりです。明るい月が出ていると空が照らされ、暗い流星が見えなくなります。
月齢の影響
極大日の月齢によって、その年の観察条件は大きく変わります。新月に近い時期に極大を迎える年は最高の条件で、多くの流星を楽しめます。反対に、満月に近い時期に極大が重なると、月明かりに邪魔されて見える流星の数が激減します。
満月が近い年でも、月が沈んでから明け方までの時間帯を狙えば、ある程度の流星を観察できます。また、月とは反対方向の空を中心に見ると、月明かりの影響を多少軽減できます。
天気の確認
8月中旬は夏の天候が安定しやすい時期ですが、台風や前線の影響で曇ることもあります。極大日の天気が悪い場合でも、極大の前後数日間は通常の夜よりも流星が多いため、晴れた日を選んで観察してみましょう。
天気予報のなかでも、雲量や大気の安定度に関する情報が参考になります。気象庁のウェブサイトや天気予報アプリで、時間ごとの雲量を確認するとよいでしょう。
流星群観察の実践ガイド
快適に流星群を楽しむための具体的なアドバイスをまとめます。
持ち物リスト
レジャーシートまたはリクライニングチェアがあると、長時間の観察でも首や背中が疲れません。寝転がった姿勢で空を見上げるのが最も効率的な観察方法です。
夏とはいえ夜間は冷えることがあるため、薄手の上着を用意しましょう。山間部では思いのほか気温が下がります。虫除けスプレーと飲み物もお忘れなく。懐中電灯は赤いセロファンを貼ると暗順応を妨げにくくなります。
記録と撮影
流れ星が見えたら、時刻と空のどの方向に見えたかを記録しておくと、後から振り返る楽しみがあります。明るい流星(火球)が見えた場合は、国立天文台の報告フォームに情報を提供することもできます。
流星の撮影にはカメラを三脚に固定し、広角レンズで10秒から30秒の長時間露出をかける方法が一般的です。どこに流星が現れるかは予測できないため、連続撮影モードで何百枚も撮影し、流星が写り込んだカットを探すという方法がとられます。近年のスマートフォンにはナイトモードが搭載されているものもあり、三脚に固定すれば明るい流星を撮影できる可能性があります。
家族で楽しむコツ
子どもと一緒に流星群を観察する場合、最初の1時間が勝負です。長時間の観察は難しいため、極大日の午後10時から11時頃に30分から1時間程度見るのが現実的です。流れ星を見つけたら声をかけ合い、一晩で何個見えたかを数えるゲームにすると盛り上がります。
ペルセウス座流星群は特別な知識や道具がなくても楽しめる、最も身近な天文イベントです。夏の夜に空を見上げて、宇宙から降り注ぐ光のショーを楽しんでみてください。