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海里(かいり)とは?キロメートルへの換算と使い方

海里 ノーティカルマイル ノット 長さ 変換
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海里(かいり)とは

海里(かいり、nautical mile)は、主に航海や航空の分野で使われる長さの単位です。1海里は正確に1,852メートル(1.852キロメートル)と定義されています。英語では「nautical mile」と呼ばれ、記号は「NM」「nm」「nmi」などが使われます(国際水路機関では「M」を推奨)。

海里の定義は地球の大きさに基づいています。地球を完全な球体と仮定した場合、赤道や経線の全周は360度で、1度は60分に分けられます。この緯度1分に相当する地表上の弧の長さが1海里の由来です。実際の地球は完全な球体ではなく赤道方向にわずかにふくらんだ楕円体であるため、緯度1分に相当する距離は場所によって微妙に異なります。1929年の国際水路会議で1海里 = 1,852メートルと統一的に定義され、現在もこの値が国際的に使われています。

海里は国際単位系(SI)には含まれていませんが、国際的な条約や規則において航海・航空の分野での使用が認められています。日本の計量法でも、海面や空中での距離の計量に海里を使用することが認められています。

換算の計算式

海里からキロメートルへの変換

キロメートル = 海里 x 1.852

たとえば100海里をキロメートルに変換するには、100 x 1.852 = 185.2kmとなります。

キロメートルから海里への変換

海里 = キロメートル / 1.852

たとえば1,000kmを海里に変換するには、1,000 / 1.852 = 539.96海里となります。

海里と陸マイルの変換

1海里 = 約1.15078陸マイル 1陸マイル = 約0.86898海里

海里は陸マイルよりも約15%長いため、混同すると大きな誤差が生じます。

概算で素早く計算する方法

暗算で概算したい場合は以下の方法が便利です。

  • 海里からkm: 海里の値を2倍し、そこから約7%を引く(1.852倍の近似)
  • より簡単には「海里の値を2倍弱」と覚える
  • 例: 50海里 → 約100km弱(正確には92.6km)

精度は落ちますが「海里 x 1.85」で計算するのも実用的です。

早見表:海里とキロメートルの対応

海里からキロメートルの換算表

海里 (NM)キロメートル (km)海里 (NM)キロメートル (km)
11.855092.60
23.70100185.20
35.56150277.80
59.26200370.40
1018.52300555.60
1527.78500926.00
2037.041,0001,852.00
3055.562,0003,704.00

キロメートルから海里の換算表

キロメートル (km)海里 (NM)キロメートル (km)海里 (NM)
10.5410054.0
52.70200108.0
105.40500270.0
2010.801,000540.0
5027.005,0002,700.0

ノット(knot)との関係

ノット(knot)は海里に基づく速度の単位で、1ノットは「1時間に1海里進む速度」を意味します。記号は「kt」または「kn」です。

1ノット = 1海里/時 = 1.852 km/h = 約0.514 m/s

ノットは船舶と航空機の速度を表す国際標準の単位です。

ノット (kt)km/hm/s参考
11.850.51緩やかな歩行程度
59.262.57ヨットの微風時
1018.525.14小型漁船
2037.0410.29一般的な貨物船
3055.5615.43大型客船
4074.0820.58高速フェリー
250463.00128.61旅客機の巡航速度
500926.00257.22ジェット旅客機

「ノット」の語源は、かつての帆船時代に速度を測る方法に由来します。ロープに等間隔で結び目(knot)をつけ、船尾から流した「測程板(ログ)」が砂時計の一定時間内に何個の結び目を繰り出すかで速度を計測しました。この結び目の間隔が海里に基づいて設定されていたため、速度の単位として「ノット」が定着しました。

生活の中での実用例

航空路線の距離

航空会社の路線距離は海里で管理されており、マイレージプログラムの付与マイル数もこの距離に基づきます(航空マイレージの「マイル」は陸マイルの場合もあるため、航空会社ごとの規定を確認する必要があります)。

路線距離 (NM)距離 (km)
東京 - 大阪約245約454
東京 - 札幌約510約945
東京 - 沖縄約840約1,556
東京 - ソウル約650約1,204
東京 - 上海約950約1,760
東京 - ホノルル約3,300約6,114
東京 - ニューヨーク約5,850約10,834
東京 - ロンドン約5,200約9,630

領海と排他的経済水域(EEZ)

国際法における海の区域は海里で定義されています。

区域範囲キロメートル換算
領海基線から12海里約22.2 km
接続水域基線から24海里約44.4 km
排他的経済水域(EEZ)基線から200海里約370.4 km

日本のEEZ(排他的経済水域)は世界第6位の広さを持ち、その面積は約447万平方キロメートルに及びます。領海と合わせると日本の国土面積(約37.8万平方キロメートル)の約12倍にもなります。この広大な海域の管理に海里という単位が使われています。

船舶の航海

船の航海計画では距離を海里、速度をノットで計算します。たとえば、目的地まで200海里の距離を15ノットで航行する場合、所要時間は200 / 15 = 約13.3時間と計算できます。

海図上では、緯度の目盛りがそのまま海里の距離として使えるのが大きな利点です。海図の横(緯線方向)の端にある緯度目盛りで距離を測るだけで、海里単位の距離がわかります。これは海里が「緯度1分の距離」に由来していることの実用的な恩恵です。

気象情報

台風の強風域や暴風域の大きさも海里で発表されることがあります。気象庁の発表では、たとえば「強風域は中心から250海里(約460km)」のように表記されます。台風の予報円の半径も海里で計算されていることが多く、海里とキロメートルの換算を知っておくと気象情報をより正確に理解できます。

海里と陸マイルの違いに注意

海里(nautical mile)と陸マイル(statute mile / mile)は名前が似ていますが、異なる単位です。

項目海里 (NM)陸マイル (mi)
メートル換算1,852 m1,609.344 m
キロメートル換算1.852 km1.609 km
主な使用分野航海、航空陸上(アメリカ等)
定義の由来緯度1分の距離古代ローマの千歩
陸マイルより約15%長い海里より約13%短い

航空マイレージプログラムで「マイル」と表記される場合、航空会社によって陸マイルを基準にしている場合と海里を基準にしている場合があります。多くの航空会社は陸マイルを使用していますが、個別の確認が必要です。

海里の歴史

海里の概念は大航海時代にさかのぼります。船で大洋を航海する際、地球上の位置を緯度・経度で表し、目的地までの距離を緯度の差から計算する必要がありました。このとき「緯度1分 = 1海里」という関係があれば、海図上で直接距離を読み取ることができます。

しかし、地球は完全な球体ではないため、緯度1分に相当する距離は赤道付近(約1,843m)と極付近(約1,862m)で異なります。この問題を解決するため、各国でさまざまな値が提案されてきました。

1929年にモナコで開催された国際水路会議で1海里 = 1,852メートルと国際的に定義されました。この値は緯度45度付近における緯度1分の距離にほぼ等しく、地球全体の平均的な値でもあります。アメリカはしばらく独自の値(1海里 = 1,853.248m)を使用していましたが、1954年にこの国際基準を採用しました。

よくある疑問

「海里」と「浬」の違いは?

「浬」は海里の漢字表記のひとつです。計量法では「海里」が正式な表記とされていますが、海図や航海日誌などでは「浬」の字が使われることもあります。読み方はどちらも「かいり」です。

なぜ航空でも海里を使うの?

航空機は海上を含むあらゆる場所を飛行するため、地球の座標系(緯度・経度)と直接対応する海里が距離の単位として合理的です。また、航空業界は船舶の航海術から多くの技術や用語を引き継いでおり、海里やノットもそのひとつです。国際民間航空機関(ICAO)が海里とノットを公式な単位として定めています。

1海里を歩くとどのくらいかかる?

1海里 = 1,852メートルを時速4km(一般的な歩行速度)で歩くと約28分かかります。ジョギング(時速8km)なら約14分、ランニング(時速12km)なら約9分です。

まとめ

海里は「1海里 = 1,852メートル = 1.852キロメートル」と覚えておけば、航海や航空に関する距離の情報をすぐに理解できます。速度のノットは「1ノット = 1海里/時 = 1.852km/h」です。概算では「海里の値を約2倍弱するとキロメートル」と覚えると便利です。

領海やEEZなどの国際法上の区域、航空路線の距離、船舶の航海計画、気象情報など、海里が使われる場面は意外と幅広いものです。陸マイルとの混同に注意しつつ、この記事の早見表を活用してください。

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