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隕石と流星の違い|宇宙から来る石と光の正体を解説

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夜空を流れる光の筋である流星(流れ星)と、地表に落下する石である隕石は、どちらも宇宙から来た物体に関連していますが、指している対象が異なります。ここでは隕石と流星の違いを天文学の観点から解説します。

用語の整理

流星体(りゅうせいたい)

宇宙空間を漂っている小さな物体を「流星体(メテオロイド)」と呼びます。大きさは砂粒ほどのものから数メートルのものまで様々です。多くは彗星が軌道上にまき散らした塵や、小惑星の破片です。

流星(りゅうせい)

流星体が地球の大気圏に突入し、大気との摩擦で高温になって発光する現象を「流星(メテオ)」と呼びます。一般に「流れ星」と呼ばれるのがこれです。

流星は物体そのものではなく、発光現象を指す言葉です。多くの流星体は大気中で完全に燃え尽きてしまいます。

隕石(いんせき)

流星体が大気圏を通過しても燃え尽きずに地表に到達した固体物質を「隕石(メテオライト)」と呼びます。つまり、隕石は地上で実際に手に取ることができる宇宙由来の物体です。

用語の関係

段階用語場所
宇宙空間にあるとき流星体宇宙空間
大気中で発光しているとき流星大気圏内
地表に到達したとき隕石地表

同じ物体であっても、存在する場所と状態によって呼び方が変わるのです。

流星の仕組み

なぜ光るのか

流星体が地球の大気圏に突入する速度は秒速11〜72キロメートルにもなります。この高速で大気の分子と衝突すると、流星体の表面が数千度に加熱され、物質が蒸発して周囲の空気を電離(プラズマ化)させます。この電離した気体が発光するのが流星の光です。

厳密には流星体そのものが燃えているわけではなく、流星体の周囲の空気がプラズマ化して光を放っているのです。

流星の明るさと色

流星の明るさは流星体の大きさと速度によって決まります。砂粒程度の小さな流星体でも肉眼で見える流星になることがあります。特に明るい流星は「火球(かきゅう)」と呼ばれ、金星より明るく輝くものもあります。

流星の色は流星体の化学組成と速度によって異なります。マグネシウムが多いと青白い光、鉄が多いと黄色い光、ナトリウムが多いとオレンジ色の光を放つ傾向があります。

流星群

毎年決まった時期に多数の流星が観測される現象を「流星群」と呼びます。これは彗星が軌道上に残した塵の帯の中を地球が通過するときに起こります。

ペルセウス座流星群(8月)、ふたご座流星群(12月)、しぶんぎ座流星群(1月)が日本での三大流星群とされています。

隕石の特徴

隕石の種類

隕石は主に3つの種類に分類されます。

石質隕石はケイ酸塩鉱物を主成分とする隕石で、全隕石の約95%を占めます。鉄隕石は鉄とニッケルの合金からなる隕石で、全体の約5%です。石鉄隕石はケイ酸塩鉱物と鉄ニッケル合金が混在したもので、最も希少です。

種類主成分全体に占める割合
石質隕石ケイ酸塩鉱物約95%
鉄隕石鉄・ニッケル合金約5%
石鉄隕石ケイ酸塩+鉄ニッケル非常に希少

隕石の見分け方

地上で発見された石が隕石かどうかを見分けるポイントはいくつかあります。大気圏通過時の加熱で表面に溶融殻(ようゆうかく)と呼ばれる黒い薄い皮膜ができていること、磁石に反応すること(鉄やニッケルを含むため)、内部に金属粒が見えることなどが手がかりになります。

南極での隕石収集

南極大陸は隕石の発見に適した場所として知られています。白い氷の上に黒い隕石が目立つこと、氷河の流れによって隕石が特定の場所に集められることが理由です。日本の南極観測隊は多数の隕石を回収しており、世界有数の隕石コレクションを保有しています。

大気圏突入から地上到達まで

大気圏への突入

流星体が大気圏に突入するのは高度約100〜120キロメートル付近です。この高度で大気の密度が十分になり、流星体の減速と加熱が始まります。

大気中での変化

小さな流星体は高度80〜50キロメートル付近で完全に蒸発してしまいます。これが通常の流星です。大きな流星体は大気中で破砕されながらも一部が燃え残り、地表に向かって落下します。

大気との摩擦で十分に減速された後は、終端速度(重力と空気抵抗が釣り合う速度)で落下します。この段階では発光は止まっており、暗黒飛行と呼ばれます。

地表への到達

地表に到達した物体が隕石です。落下地点では衝撃によるクレーターが形成されることがありますが、小さな隕石であれば地面に軽くめり込む程度です。

隕石の科学的価値

太陽系の歴史を伝える

隕石は太陽系の形成初期(約46億年前)の物質をそのまま保存している貴重な資料です。特に炭素質コンドライトと呼ばれる種類の隕石には、アミノ酸のような有機物が含まれていることがあり、生命の起源に関する研究に重要な手がかりを提供しています。

他の天体からの隕石

隕石の中には月や火星に由来するものもあります。大きな天体衝突によって月や火星の表面の岩石が宇宙空間に放出され、長い時間をかけて地球に到達したものです。

まとめ

流星と隕石の違いは、同じ宇宙由来の物体が大気圏内で発光している段階(流星)と地表に到達した段階(隕石)という、状態の違いによるものです。宇宙空間にあるときは流星体、大気中で光れば流星、地表に届けば隕石と呼ばれます。ほとんどの流星体は大気中で燃え尽きるため、地表に到達する隕石は比較的珍しい存在です。

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