昆虫の漢字20選|虫の名前を漢字で読む
昆虫の名前は普段カタカナで書かれることが多いですが、漢字で表記すると驚くほど難しいものがあります。「蟷螂」「蜻蛉」などは虫へんの漢字が並び、見ただけでは読み方の見当もつきません。この記事では、昆虫にまつわる漢字を20個取り上げ、読み方と由来を解説します。
身近な昆虫の漢字
庭や公園で出会う昆虫
| 漢字 | 読み方 | 特徴 | 漢字の由来 |
|---|---|---|---|
| 蟷螂 | かまきり | 鎌のような前脚を持つ | 螂は細長い虫の意 |
| 蜻蛉 | とんぼ(かげろう) | 大きな複眼と透明な翅 | 蜻は青い虫の意 |
| 天道虫 | てんとうむし | 半球形の赤い体に黒い斑点 | 天に向かって飛ぶ虫 |
| 飛蝗 | バッタ | 跳躍力に優れた後脚 | 飛んで蝗害をもたらす虫 |
| 蟋蟀 | こおろぎ | 秋に美しい声で鳴く | 蟋蟀は鳴き声の擬音 |
「蟷螂」は「かまきり」と読みます。「螳螂」とも書きます。「蟷螂の斧(とうろうのおの)」ということわざは、自分の力を顧みずに強敵に立ち向かう無謀さを意味します。カマキリが前脚を振り上げて車に立ち向かうという中国の故事に由来しています。
水辺の昆虫
| 漢字 | 読み方 | 特徴 | 漢字の由来 |
|---|---|---|---|
| 蜻蜓 | やんま | トンボ目の大型種 | 蜓は細長い虫の意 |
| 水馬 | あめんぼ | 水面を歩く昆虫 | 水の上を馬のように走る |
| 源五郎 | げんごろう | 水中を泳ぐ甲虫 | 人名が由来の俗称 |
「水馬」は「あめんぼ」と読みます。水面を滑るように移動する様子が馬のように見えることからこの字があてられました。「あめんぼ」の「あめ」は飴のことで、体から飴のような甘い匂いがすることに由来するとされています。
鳴く昆虫の漢字
秋の鳴く虫
| 漢字 | 読み方 | 特徴 | 漢字の由来 |
|---|---|---|---|
| 鈴虫 | すずむし | リーンリーンと鈴のように鳴く | 鈴のような音の虫 |
| 松虫 | まつむし | チンチロリンと鳴く | 松の木に多くいたことから |
| 螽斯 | きりぎりす | ギーッチョンと鳴く | 螽は跳ねる虫の意 |
| 蝉 | せみ | 夏に大きな声で鳴く | 蝉は薄い翅の虫 |
| 轡虫 | くつわむし | ガシャガシャと大きく鳴く | 馬の轡に似た音 |
「轡虫」は「くつわむし」と読みます。鳴き声が馬の口にはめる轡(くつわ)の音に似ていることからこの名がつきました。鳴き声は昆虫の中でも特に大きく、夏の終わりから秋にかけて聞くことができます。
鳴き声と漢字の関係
昆虫の漢字には鳴き声や生態が反映されているものが多くあります。「鈴虫」は鈴のような音、「松虫」は松林に多いこと、「轡虫」は轡のような音という具合に、名前の由来を知ると覚えやすくなります。
光る昆虫と美しい昆虫
光る昆虫
| 漢字 | 読み方 | 特徴 | 漢字の由来 |
|---|---|---|---|
| 蛍 | ほたる | 腹部が発光する | 火が垂れるように光る |
| 発光虫 | はっこうちゅう | 光を放つ虫の総称 | 光を発する虫 |
「蛍」は古くから日本人に親しまれてきた昆虫です。「蛍の光」は蛍が放つ淡い光のことで、「蛍雪の功(けいせつのこう)」は蛍の光や雪明りで勉強した故事から、苦労して学問に励むことを意味します。
華やかな昆虫
| 漢字 | 読み方 | 特徴 | 漢字の由来 |
|---|---|---|---|
| 蝶 | ちょう | 美しい翅を持つ昆虫 | 葉のようにひらひら舞う虫 |
| 揚羽蝶 | あげはちょう | 大型の美しい蝶 | 翅を揚げるように飛ぶ蝶 |
| 紋白蝶 | もんしろちょう | 白い翅に黒い紋がある | 紋のある白い蝶 |
「蝶」は昆虫の中でも特に多くの文学作品や芸術に登場します。「胡蝶の夢(こちょうのゆめ)」は荘子の有名な寓話で、蝶になった夢を見た自分と、自分の夢を見ている蝶のどちらが本当かわからないという哲学的な問いかけです。
害虫と益虫の漢字
害虫の漢字
| 漢字 | 読み方 | 特徴 | 漢字の由来 |
|---|---|---|---|
| 蚊 | か | 血を吸う小さな虫 | 虫へんに文(模様) |
| 蠅 | はえ | 不衛生な場所に集まる虫 | 虫へんに黽(かえる) |
| 蟑螂 | ごきぶり | 暗い場所に潜む虫 | 中国語由来の字 |
| 白蟻 | しろあり | 木材を食害する社会性昆虫 | 白い蟻のような虫 |
「蚊」は虫へんに「文」で構成されています。蚊の翅に細かい模様(文様)があることから、この字があてられたとされています。蚊は俳句では夏の季語として使われ、「蚊遣火(かやりび)」「蚊帳(かや)」なども夏の季語です。
益虫の役割
益虫として知られるのは「天道虫(てんとうむし)」です。アブラムシを食べてくれるため、農業においては益虫として重宝されています。「天道」は太陽の意味で、太陽に向かって飛ぶ習性からこの名がつきました。
昆虫漢字の覚え方
虫へんの漢字を整理する
昆虫の漢字はほとんどが虫へんを含んでいます。虫へんの右側の部分に注目すると、漢字の区別がつきやすくなります。「蝶」は「葉」に似た部分、「蛍」は「火」に似た部分がそれぞれの特徴を表しています。
実際に昆虫を観察しながら覚える
公園や野山で昆虫を観察しながら漢字を確認すると、視覚的な記憶と結びついて定着します。昆虫図鑑には漢字表記が掲載されているものもあるので、観察のお供に活用してみましょう。
まとめ
昆虫の漢字は、その虫の特徴や生態を漢字の中に見事に封じ込めたものが多くあります。「蟷螂」「蜻蛉」「蟋蟀」など難読漢字の宝庫ですが、由来を知ると覚えやすくなります。普段カタカナで見ている昆虫の名前を漢字で書いてみると、生き物への見方が変わるかもしれません。