等差数列・等比数列の公式まとめ
数列は高校数学Bの中心的な単元で、規則的に並んだ数の列について、一般項や和の公式を求めます。ここでは等差数列と等比数列の公式を中心に体系的にまとめます。
数列の基本
数列とは
数列とは、ある規則に従って並べられた数の列のことです。数列の各項を第1項(初項)、第2項、第3項、…と呼び、第n項をanで表します。第n項を求める式をnの式で表したものを一般項と呼びます。
数列の表し方
数列の表し方には次の方法があります。
| 表し方 | 例 |
|---|---|
| 各項を列挙 | 1, 3, 5, 7, 9, … |
| 一般項 | an = 2n - 1 |
| 漸化式 | a1 = 1, a(n+1) = an + 2 |
等差数列
定義
隣り合う項の差が一定である数列を等差数列と呼びます。この一定の差を公差といい、dで表します。
a(n+1) - an = d(一定)
一般項の公式
初項a1、公差dの等差数列の一般項は次の通りです。
an = a1 + (n - 1)d
公式の導出
各項を順に書き出すと、
- a1 = a1
- a2 = a1 + d
- a3 = a1 + 2d
- a4 = a1 + 3d
第n項では公差dが(n-1)回加えられるので、an = a1 + (n-1)d です。
等差中項
3つの数a、b、cがこの順で等差数列をなすとき、bを等差中項と呼びます。
b = (a + c) / 2
例題
初項3、公差4の等差数列の第10項を求めます。
a10 = 3 + (10 - 1) x 4 = 3 + 36 = 39
等差数列の和
和の公式
初項a1、末項an(第n項)、項数nの等差数列の和Snは次の公式で求められます。
Sn = n(a1 + an) / 2
または、末項が不明の場合は次の形を使います。
Sn = n{2a1 + (n - 1)d} / 2
公式の導出
Sn = a1 + a2 + … + an を正順と逆順に書いて足すと、
2Sn = n(a1 + an) となることから導かれます。
例題
初項2、公差3の等差数列の初項から第20項までの和を求めます。
a20 = 2 + 19 x 3 = 59
S20 = 20 x (2 + 59) / 2 = 20 x 61 / 2 = 610
等比数列
定義
隣り合う項の比が一定である数列を等比数列と呼びます。この一定の比を公比といい、rで表します。
a(n+1) / an = r(一定、an ≠ 0)
一般項の公式
初項a1、公比rの等比数列の一般項は次の通りです。
an = a1 x r^(n-1)
公式の導出
各項を順に書き出すと、
- a1 = a1
- a2 = a1 x r
- a3 = a1 x r^2
- a4 = a1 x r^3
第n項では公比rが(n-1)回かけられるので、an = a1 x r^(n-1) です。
等比中項
3つの数a、b、cがこの順で等比数列をなすとき、bを等比中項と呼びます。
b^2 = ac
例題
初項2、公比3の等比数列の第6項を求めます。
a6 = 2 x 3^5 = 2 x 243 = 486
等比数列の和
和の公式
初項a1、公比r(r ≠ 1)、項数nの等比数列の和Snは次の公式で求められます。
Sn = a1(1 - r^n) / (1 - r)(r ≠ 1のとき)
r = 1 のときは Sn = na1 です。
公式の導出
Sn = a1 + a1r + a1r^2 + … + a1r^(n-1)
rSnを計算してSnから引くと、
Sn - rSn = a1 - a1r^n
(1 - r)Sn = a1(1 - r^n)
例題
初項1、公比2の等比数列の初項から第8項までの和を求めます。
S8 = 1 x (1 - 2^8) / (1 - 2) = (1 - 256) / (-1) = 255
シグマ記号
シグマの基本
Σ(シグマ)記号は和を簡潔に表す記号です。
Σ[k=1→n] ak = a1 + a2 + a3 + … + an
よく使うシグマの公式
| 公式 | 値 |
|---|---|
| Σ[k=1→n] c | cn |
| Σ[k=1→n] k | n(n+1)/2 |
| Σ[k=1→n] k^2 | n(n+1)(2n+1)/6 |
| Σ[k=1→n] k^3 | {n(n+1)/2}^2 |
シグマの性質
- Σ(ak + bk) = Σak + Σbk
- Σcak = cΣak
- Σ[k=1→n] c = cn
階差数列
数列{an}の隣り合う項の差を並べた数列{bn}を階差数列と呼びます。
bn = a(n+1) - an
階差数列がわかっているとき、もとの数列の一般項は次の式で求められます。
an = a1 + Σ[k=1→n-1] bk(n >= 2)
理解を深めるためのアドバイス
図やグラフを活用する
数学の抽象的な概念は、図やグラフを描くことで直感的に理解しやすくなります。問題を解くときにも、まず図を描いてから取り組むことで解法が見えてくることが多いです。
具体的な数値で確認する
公式や定理が本当に正しいか、具体的な数値を代入して確認する習慣をつけましょう。公式を覚え間違えていた場合でも、具体例で確認すれば気づくことができます。
教科書の例題を何度も解く
教科書の例題は、その単元の最も基本的な問題です。例題を見なくてもスラスラ解けるようになるまで繰り返し練習することが、応用問題を解くための基盤になります。
段階的な学習計画
基礎期
まず教科書の定義と基本例題を完全に理解します。この段階では解けるスピードは気にせず、正確さを優先しましょう。
演習期
問題集の基本問題を解いて、公式の使い方に慣れます。間違えた問題にはチェックをつけて、後日必ず解き直しましょう。
| 段階 | 目標 | 使う教材 |
|---|---|---|
| 基礎期 | 定義と公式の理解 | 教科書 |
| 演習期 | 公式の運用力向上 | 問題集(基本) |
| 発展期 | 応用力と思考力 | 問題集(応用)、過去問 |
発展期
応用問題や入試問題に挑戦します。一つの問題に複数のアプローチがないか考える習慣をつけると、数学的な思考力が養われます。
間違えたときの学び方
間違いノートを作る
間違えた問題は最大の学習教材です。問題、自分の解答、正しい解答、間違えた原因をノートにまとめておき、定期的に見返しましょう。
同じミスを繰り返さない工夫
計算ミスのパターンは人によって偏りがあります。自分がよくする計算ミスのパターンを把握し、その箇所を重点的にチェックする習慣をつけましょう。
まとめ
数列の公式を整理します。
- 等差数列の一般項:an = a1 + (n-1)d
- 等差数列の和:Sn = n(a1 + an)/2
- 等比数列の一般項:an = a1 x r^(n-1)
- 等比数列の和:Sn = a1(1 - r^n)/(1 - r)
- シグマ記号で和を簡潔に表す
- 階差数列から元の数列を復元できる
公式を丸暗記するだけでなく、導出過程を理解しておくと応用問題にも対応できます。