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社会生活で間違いやすい日本語|公的文書・ニュースの誤用

誤用 社会 法律用語 日本語
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ニュースや公的文書に登場する日本語には、一般に誤解されている表現が多くあります。法律用語や行政用語の正しい意味を理解し、社会生活で適切に使いこなしましょう。

法律関連の誤用

「容疑者」と「被告」

ニュースでよく聞く表現ですが、使い分けが不正確なことがあります。

呼称正しい意味
被疑者(容疑者)捜査機関に犯罪の嫌疑をかけられている人
被告人起訴されて裁判にかけられている人
被告民事裁判で訴えられた側

「被告」と「被告人」は異なり、「被告」は民事裁判の用語です。刑事裁判では「被告人」が正しい呼称です。

「起訴」と「逮捕」

逮捕は捜査段階で身柄を拘束することであり、有罪が確定したわけではありません。起訴は検察が裁判を求めることです。「逮捕された=犯罪者」ではないことに注意が必要です。

「善意」と「悪意」

日常語の善意・悪意と法律用語では意味が全く異なります。

用語日常の意味法律上の意味
善意親切な心ある事実を知らないこと
悪意害を加える意思ある事実を知っていること

行政用語の誤解

「規制緩和」と「規制撤廃」

「規制緩和」は規制を弱めることであり、「規制撤廃」(規制を完全になくすこと)とは異なります。混同されがちですが、緩和は規制が残っている状態です。

「閣議決定」の意味

「閣議決定」は内閣の意思決定であり、法律として成立したわけではありません。法律になるには国会の審議と可決が必要です。

「行政指導」の性格

「行政指導」は法的な強制力を持たない助言や指導です。しかし実際には事実上の強制力を持つことも多く、その性格は複雑です。

ニュースでよく誤用される表現

「未曾有」の読み方

「みぞう」が正しい読みです。「みぞうゆう」と読む間違いが見られます。「今まで一度も起こったことがない」という意味です。

「世論」の読み方

「せろん」と「よろん」の二つの読みがありますが、「世論」は本来「せろん」と読みます。「よろん」は「輿論」の読みでしたが、現在では「世論」を「よろん」と読むことも広く認められています。

「代替」の読み方

「だいたい」が正しい読みです。「だいがえ」と読む人も多いですが、本来は「だいたい」です。ただし、「代替わり」は「だいがわり」と読みます。

時事用語の誤解

「デフレ」と「不景気」

「デフレーション(デフレ)」は物価が持続的に下落する現象であり、「不景気」とは別の概念です。デフレは不景気を伴うことが多いですが、同義ではありません。

「円安」と「円高」

「円安」は円の価値が下がることで、輸出企業に有利とされます。「円高」は円の価値が上がることで、輸入品が安くなります。どちらが良い・悪いとは一概に言えず、立場によって影響が異なります。

「利上げ」と「引き締め」

「利上げ」は金利を引き上げることで、「金融引き締め」の手段の一つです。金融引き締めには利上げ以外にも量的緩和の縮小などが含まれます。

まとめ

社会生活で使われる日本語には、法律用語、行政用語、経済用語など専門的な表現が多く含まれます。日常語と専門用語で意味が異なる場合(「善意」「悪意」など)や、読み方が間違いやすい語(「未曾有」「代替」など)には特に注意が必要です。ニュースや公的文書を正確に理解するために、これらの表現の正しい意味を覚えておきましょう。

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