しし座流星群ガイド|流星嵐の歴史と観測方法
しし座流星群は毎年11月中旬に活動する流星群で、約33年周期で「流星嵐」と呼ばれる大出現を見せることで知られています。2001年には日本でも1時間あたり数千個もの流星が観測され、夜空が流れ星で埋め尽くされる壮大な光景が話題となりました。この記事では、しし座流星群の特徴と観測方法を解説します。
しし座流星群の基本情報
しし座流星群の概要を確認しましょう。
活動期間と極大
しし座流星群の活動期間は11月6日から11月30日頃で、極大は例年11月17日から18日頃です。通常の年の出現数は1時間あたり10個から15個程度で、三大流星群(しぶんぎ座、ペルセウス座、ふたご座)と比べると控えめです。
放射点の位置
放射点はしし座のガンマ星付近にあります。しし座は11月中旬の午後11時頃から東の空に昇り始め、深夜から明け方にかけて高度を増します。放射点が高くなる明け方が観測に最も適した時間帯です。
流星の特徴
しし座流星群の流星は、地球大気への突入速度が秒速約71kmと非常に高速です。このため明るい流星(火球)の割合が高く、緑色や青色の痕(流星の軌跡に残る光)が数秒から数十秒間見えることがあります。
母天体テンペル・タットル彗星
しし座流星群の元となる彗星について解説します。
テンペル・タットル彗星の概要
しし座流星群の母天体は、周期約33年のテンペル・タットル彗星(55P/Tempel-Tuttle)です。1866年にドイツのテンペルとアメリカのタットルがそれぞれ独立に発見しました。
流星嵐のメカニズム
テンペル・タットル彗星が太陽に接近するたびに、氷と塵を放出します。これらの塵の帯が地球の軌道と交差する場所を地球が通過すると流星群が発生します。彗星の帰還後しばらくの間は、放出されたばかりの濃い塵の帯が存在するため、流星の数が劇的に増加する「流星嵐」が起こります。
次回の回帰
テンペル・タットル彗星の次回の近日点通過は2031年頃と予測されています。その前後数年間にしし座流星群の出現数が増加することが期待されていますが、流星嵐が起こるかどうかは塵の分布に依存するため、確実な予測は困難です。
歴史的な大出現
しし座流星群の流星嵐の歴史を振り返ります。
1833年の流星嵐
1833年11月13日、北米で観測された流星嵐は、流星群研究の幕開けとなった歴史的な出来事です。1時間あたり数万個もの流星が降り注ぎ、「星が降ってくる」と恐れた人々がパニックに陥ったと記録されています。この出来事がきっかけで、流星群が周期的に起こる現象であることが認識されました。
1966年の流星嵐
1966年11月17日、北米西部で1時間あたり約15万個もの流星が観測されました。これは記録上最大の流星嵐のひとつです。秒速数個の流星が視野を横切り、空が流星で満たされたと報告されています。
2001年の大出現
2001年11月18日から19日にかけて、日本を含む東アジアで素晴らしい流星嵐が観測されました。1時間あたり約2000個から3000個の流星が出現し、明るい火球が次々と流れる壮大な光景が広がりました。日本では深夜から明け方にかけてが最も多く、多くの人々が夜空を見上げました。
観測方法
しし座流星群を観測するためのポイントです。
観測に最適な時間帯
放射点が空高く昇る午前1時から明け方(午前5時頃)までが最も多くの流星を見られる時間帯です。深夜まで放射点が低い位置にあるため、夜の早い時間帯は出現数が少なくなります。
観測場所
できるだけ光害の少ない暗い場所を選びましょう。通常の年の出現数が少ないため、都市部では見える流星がさらに少なくなります。山間部や郊外が適しています。
観測の姿勢
寝転がって空全体を見渡すのが最も効率的です。放射点の方向だけでなく、空全体に流星は出現します。防寒対策を万全にし、レジャーシートや寝袋を用意しましょう。11月の深夜は非常に冷え込みます。
暗順応
暗い場所に到着してから最低15分から20分は目を暗さに慣らしましょう。スマートフォンの画面を見ると暗順応がリセットされるため、赤色フィルターモードを使用するか、使用を控えてください。
しし座流星群の撮影
流星の写真を残す方法です。
基本的な設定
三脚に固定した一眼カメラで、広角レンズ(14mmから24mm)、ISO3200から6400、絞り開放、シャッタースピード15秒から30秒で連続撮影します。多数のコマを撮影し、流星が写り込んだフレームを後から選びます。
インターバル撮影
カメラのインターバルタイマー機能やリモートコントローラーを使って、自動で連続撮影し続けるのが効率的です。数百枚撮影すれば、何枚かに流星が写り込む可能性があります。
まとめ
しし座流星群は通常年の出現数は控えめですが、約33年周期で起こる流星嵐は天文史に残る壮大な現象です。2001年の大出現は多くの人の記憶に残っています。母天体テンペル・タットル彗星の次回回帰は2031年頃で、その前後に出現数の増加が期待されます。毎年11月17日前後の深夜、東の空を見上げてみてください。