おうし座の見つけ方|アルデバランとすばるの魅力
おうし座は冬の夜空に輝くオレンジ色の1等星アルデバランと、肉眼でも見える散開星団「すばる(プレアデス星団)」を擁する魅力的な星座です。オリオン座の右上に位置し、初心者でも見つけやすい星座のひとつです。この記事では、おうし座の見つけ方、主要な天体、神話、観測のポイントを解説します。
おうし座の基本情報と見つけ方
おうし座は全天88星座のひとつで、黄道十二星座にも数えられています。
夜空での位置
おうし座は11月から3月にかけて見えます。見頃は1月で、午後9時頃に南の空のやや高い位置に見えます。オリオン座の三つ星を右上方向に延長すると、赤みがかったアルデバランに到達します。
アルデバランを目印にする
アルデバランは見かけの等級が約0.9等で、オレンジ色に輝く目立つ星です。オリオン座からたどれるため、まずオリオン座を見つけてから探すのが確実です。アルデバランの周囲にはV字形に星が並ぶヒアデス星団があり、これがおうし座の顔にあたります。
すばるの位置
アルデバランからさらに右上(北西)に目を向けると、小さな星の集まりが見えます。これがプレアデス星団、通称「すばる」です。肉眼でも5個から7個の星がまとまって見え、日本では古来より親しまれてきた天体です。
おうし座の主要な天体
おうし座は明るい星だけでなく、有名な天体の宝庫です。
アルデバラン
アルデバランはおうし座のアルファ星で、アラビア語で「後に続くもの」を意味します。すばるの後を追うように空を昇ることが名前の由来です。地球からの距離は約65光年で、太陽の約44倍の直径を持つ橙色巨星です。ヒアデス星団の中に見えますが、実際にはヒアデスよりも地球に近い手前の星です。
プレアデス星団(すばる)
プレアデス星団(M45)は、地球から約440光年の距離にある散開星団です。肉眼で見える星は6個から7個ですが、双眼鏡では数十個、望遠鏡では100個以上の青白い若い星が確認できます。星の年齢は約1億年で、天文学的には非常に若い星団です。双眼鏡で見ると、星の周囲に青い星雲(反射星雲)が広がる様子を楽しめます。
ヒアデス星団
ヒアデス星団はアルデバランの周囲にV字形に広がる散開星団で、地球から約150光年と最も近い散開星団のひとつです。肉眼で十数個の星が見え、双眼鏡で見るとさらに多くの星が広がります。星の年齢は約6億年から7億年で、プレアデスよりも古い星団です。
かに星雲(M1)
おうし座の領域には、かに星雲(M1)と呼ばれる超新星残骸があります。1054年に地球から観測された超新星爆発の名残で、日本の藤原定家の日記「明月記」にもこの時の「客星」の記録が残されています。小型望遠鏡では淡い楕円形の光の塊として見えます。
おうし座にまつわるギリシャ神話
おうし座はゼウスの変身に由来する星座です。
ゼウスと白い雄牛
大神ゼウスは、フェニキアの王女エウロパに恋をしました。エウロパに近づくため、ゼウスは美しい白い雄牛に姿を変えて海辺に現れました。エウロパが牛の背に乗ると、ゼウスは海を渡ってクレタ島まで走り去りました。
ヨーロッパの語源
この物語のエウロパは、ヨーロッパ(Europe)の語源とされています。おうし座が上半身だけの形をしているのは、牛が海を泳いでいる姿を表していると言われています。ゼウスはこの牛の姿を天に上げて星座にしたとされています。
観測のベストシーズンと条件
おうし座の観測に適した時期です。
見頃の時期
12月から2月が最も観察しやすい時期です。1月中旬には午後8時頃に南中し、ゆっくり楽しめます。すばるは秋から冬にかけて長く楽しめます。
双眼鏡のすすめ
おうし座の見どころを存分に楽しむには、双眼鏡がおすすめです。すばるの青白い星々の輝き、ヒアデス星団のV字の広がりは、双眼鏡の倍率と視野で最も美しく見えます。口径30mm以上、倍率7倍から10倍程度の双眼鏡が適しています。
おうし座のアルデバラン食
月がアルデバランを隠す「アルデバラン食」が数年に一度観測されることがあります。月の縁にアルデバランが隠される瞬間は、小型望遠鏡で観察すると劇的な天文現象です。
まとめ
おうし座は、1等星アルデバラン、プレアデス星団(すばる)、ヒアデス星団、かに星雲と、見どころに満ちた冬の星座です。オリオン座を起点にすれば初心者でも簡単に見つけられます。双眼鏡を手に、冬の夜空でおうし座の魅力を存分に楽しんでください。