フレームワーク図鑑 フレームワーク図鑑

特性要因図(フィッシュボーン)の書き方と活用法

特性要因図 フィッシュボーン 問題解決 品質管理 フレームワーク
広告スペース (article-top)

特性要因図は、問題(特性)とその原因(要因)の関係を魚の骨のような図で表した分析ツールです。石川馨博士が考案したことから「石川ダイアグラム」とも呼ばれ、その形状から「フィッシュボーンダイアグラム」とも呼ばれています。品質管理の分野で生まれましたが、現在ではビジネスの問題解決に幅広く活用されています。

特性要因図の基本構造

図の構成要素

特性要因図は、右端に「特性」(解決したい問題)を配置し、そこから左へ向かう太い矢印(背骨)を引きます。背骨から斜めに伸びる大きな枝(大骨)が主要な原因カテゴリを表し、大骨からさらに小さな枝(中骨・小骨)が個々の原因を表します。

主要な原因カテゴリ

製造業では4M(Man:人、Machine:機械、Material:材料、Method:方法)が一般的な大骨のカテゴリです。サービス業や事務作業では、4M以外にEnvironment(環境)やMeasurement(測定)を加えた6Mを使うこともあります。

特性要因図の作成手順

ステップ1:問題を明確にする

解決すべき問題をできるだけ具体的に定義し、図の右端に記載します。「不良率が高い」よりも「A工程の外観不良率が3%を超えている」のように具体的であるほど、原因の掘り下げが的確になります。

ステップ2:大骨を設定する

主要な原因カテゴリを決め、背骨から大骨を引きます。4M(人・機械・材料・方法)が基本ですが、問題に応じてカテゴリは変更・追加できます。

ステップ3:中骨・小骨を書き出す

各カテゴリについて、考えられる原因を中骨、さらにその原因を小骨として書き出します。ブレインストーミング形式で、チームメンバーからできるだけ多くの原因を挙げてもらいます。

ステップ4:原因の深掘りをする

中骨に挙げた原因に対して「なぜ」を繰り返し、より根本的な原因を小骨として追記します。表面的な原因にとどまらず、真の原因(根本原因)に迫ることが重要です。

ステップ5:重要な原因を特定する

書き出した原因の中から、影響度が大きいと考えられるものを特定します。データや経験に基づいて優先順位をつけ、対策を講じるべき原因を絞り込みます。

具体例:顧客クレーム増加の原因分析

「月間の顧客クレーム件数が前月比で50%増加した」という問題をテーマに、特性要因図を作成する例を紹介します。

人(Man)

新人スタッフの増加による対応品質のばらつき、繁忙期の疲労によるミス、研修不足によるマニュアル理解の不徹底などが挙がりました。

プロセス(Method)

注文確認フローの省略、クレーム対応マニュアルの未更新、引き継ぎルールの不備、品質チェック体制の甘さなどが指摘されました。

設備・システム(Machine)

受注管理システムの処理遅延、在庫管理システムとの連携不具合、電話回線の混雑による対応遅れなどが挙がりました。

材料・商品(Material)

仕入れ先の変更による品質のばらつき、季節商品の在庫不足、パッケージの破損しやすさなどが指摘されました。

分析結果

これらの原因を整理した結果、「新人スタッフの研修不足」と「注文確認フローの省略」が特に影響が大きいと判断され、優先的に対策を講じることになりました。

活用のポイント

チームで作成する

一人で作成するよりも、問題に関わる複数の部門のメンバーで作成するほうが、多角的な視点から原因を洗い出せます。ホワイトボードや大きな紙を使い、付箋でアイデアを貼り出す方法が効果的です。

「なぜ」を繰り返す

表面的な原因にとどまらず、「なぜそれが起きるのか」を繰り返し問うことで根本原因に迫ります。「なぜなぜ分析」と組み合わせて使うと効果的です。

データで裏づける

特性要因図で洗い出した原因は仮説にすぎません。重要と判断した原因については、データの収集と分析で仮説を検証することが重要です。

定期的に見直す

一度作成した特性要因図は、環境の変化に応じて更新します。新たな原因が判明した場合や、対策を講じた結果を反映させることで、継続的な改善につなげます。

他の分析手法との組み合わせ

なぜなぜ分析との併用

特性要因図で原因の全体像を把握し、重要な原因については「なぜなぜ分析」で根本原因まで掘り下げるという使い方が効果的です。

パレート図との併用

特性要因図で洗い出した原因をパレート図で定量的に分析し、影響の大きい順に並べることで、優先的に対策すべき原因が明確になります。

まとめ

特性要因図は、問題とその原因の関係を視覚的に整理し、根本原因の特定を支援する分析ツールです。チームで作成することで多角的な視点が得られ、原因の漏れを防ぐことができます。4Mなどのカテゴリを活用して原因を体系的に洗い出し、データで裏づけながら優先度の高い原因から対策を講じてみてください。

広告スペース (article-bottom)

あわせて読みたい