料理に関する読み間違いやすい漢字20選
レシピ本や料理番組で見かける漢字の中には、読み間違いが多いものが少なくありません。料理の基本用語でさえ正しく読めていない場合があり、恥ずかしい思いをした経験がある方もいるでしょう。この記事では、料理にまつわる読み間違いやすい漢字を20個取り上げ、正しい読み方を丁寧に解説します。
調味料・食材の読み間違い
基本的な調味料
| 漢字 | 正しい読み | よくある間違い | 意味 |
|---|---|---|---|
| 味醂 | みりん | あじりん | もち米と米麹で作る甘い調味料 |
| 出汁 | だし | でじる | 食材から旨味を抽出した液体 |
| 灰汁 | あく | はいじる | 食材に含まれる苦味や渋味の成分 |
| 甜菜 | てんさい | あまな | 砂糖の原料となる植物 |
| 味噌 | みそ | みぞ | 大豆を発酵させた調味料 |
「出汁」は「だし」と読みます。「でじる」は誤りです。昆布、鰹節、煮干しなどから旨味を引き出した液体のことで、日本料理の基本です。「出汁を取る」「出汁が効いている」のように使います。
穀物・豆類
| 漢字 | 正しい読み | よくある間違い | 意味 |
|---|---|---|---|
| 粳米 | うるちまい | こうべい | 普段食べているお米 |
| 糯米 | もちごめ | じまい | 餅や赤飯に使うお米 |
| 小豆 | あずき | しょうず(慣用読み) | マメ科の赤い豆 |
| 蕎麦 | そば | きょうば | タデ科の穀物から作る麺 |
| 饂飩 | うどん | うんどん | 小麦粉から作る太い麺 |
「粳米」と「糯米」の区別は料理好きでも間違えやすいポイントです。「粳」は「うるち」と読み、普段食べているお米のことです。「糯」は「もち」と読み、粘りの強いもち米を指します。赤飯やおこわには糯米を使います。
調理法の読み間違い
基本的な調理法
| 漢字 | 正しい読み | よくある間違い | 意味 |
|---|---|---|---|
| 炒める | いためる | いためる(正) | 少量の油で加熱しながら混ぜる |
| 煮浸し | にびたし | にひたし | 煮た後に煮汁に浸して味を含ませる |
| 和える | あえる | わえる | 食材に調味料を混ぜ合わせる |
| 捏ねる | こねる | ひねる | 粉に水を加えて練り混ぜる |
| 炙る | あぶる | しゃる | 直火で表面を軽く焼く |
「和える」は「あえる」と読みます。「わえる」は誤りです。「胡麻和え」「白和え」のように、調味料や副材料を混ぜ合わせる調理法を指します。動詞「和える」は五段活用で、「和えない」「和えます」「和えれば」と活用します。
下ごしらえの漢字
| 漢字 | 正しい読み | よくある間違い | 意味 |
|---|---|---|---|
| 晒す | さらす | さらす(正) | 水に浸してアクや臭みを抜く |
| 磨り下ろす | すりおろす | まりおろす | おろし金で食材を細かくする |
| 鳥の唐揚げ | からあげ | とうあげ | 下味をつけた鶏肉を油で揚げる |
「唐揚げ」の「唐」を「から」と読むのは、唐(中国)から伝わった揚げ物の技法に由来するとされています。「空揚げ」と書くこともあり、こちらは衣をつけない「空(から)」の状態で揚げるという意味です。
和食の料理名の読み間違い
懐石・会席料理の用語
| 漢字 | 正しい読み | よくある間違い | 意味 |
|---|---|---|---|
| 向付 | むこうづけ | こうづけ | 刺身などの盛り合わせ |
| 八寸 | はっすん | やすん | 前菜の盛り合わせ |
| 強肴 | しいざかな | きょうこう | 追加で出される酒肴 |
| 香の物 | こうのもの | かのもの | 漬物のこと |
| 水菓子 | みずがし | すいかし | 果物のこと |
「向付」は懐石料理で膳の向こう側に置く料理のことで、「むこうづけ」と読みます。主に刺身が盛られます。「八寸」は本来八寸(約24センチメートル)四方の杉の木皿に盛る前菜を指していたことから名付けられました。
家庭料理の漢字
| 漢字 | 正しい読み | よくある間違い | 意味 |
|---|---|---|---|
| 筑前煮 | ちくぜんに | つくまえに | 鶏肉と野菜を炒めて煮た料理 |
| 金平 | きんぴら | きんぺい | 根菜を細切りにして炒めた料理 |
| 卯の花 | うのはな | うのか | おからのこと、またはおからの炒り煮 |
「金平」は「きんぴら」と読みます。「きんぴらごぼう」の「きんぴら」はこの字を当てます。金太郎(坂田金時)の息子である坂田金平にちなむとされ、唐辛子の辛さが強さを連想させることからこの名がついたといわれています。
食器・器具の読み間違い
日本料理の食器
| 漢字 | 正しい読み | よくある間違い | 意味 |
|---|---|---|---|
| 徳利 | とっくり | とくり | 日本酒を注ぐ細長い容器 |
| 猪口 | ちょく(ちょこ) | いのくち | 日本酒を飲む小さな杯 |
| 急須 | きゅうす | きゅうしゅ | お茶を淹れる器具 |
| 擂鉢 | すりばち | らいばち | 食材をすりつぶす器 |
「猪口」は「ちょく」「ちょこ」と読み、「お猪口(おちょこ)」として親しまれています。中国語の「鍾(ちゅう)」が変化したとする説がありますが、語源には諸説あります。酒席で「猪口才な(ちょこざいな)」という表現がありますが、これは別の語源です。
料理漢字を覚えるコツ
実際に料理をしながら覚える
料理漢字は実際に台所に立ちながら覚えるのが効果的です。レシピ本を読む際に漢字表記に注意を払い、「和える」「炙る」「捏ねる」といった動詞を声に出して読みながら調理すると自然に定着します。
料理番組を字幕付きで見る
テレビの料理番組やネット動画を字幕付きで見ると、音声と文字を同時に確認できます。「出汁」「灰汁」「味醂」などの調味料は繰り返し登場するため、何度も目にするうちに正しい読み方が身につきます。
食材売り場で確認する
スーパーの食材売り場には漢字表記の札がかかっていることがあります。鮮魚コーナーや乾物売り場では特に漢字が使われやすいので、買い物のついでに確認してみましょう。
まとめ
料理に関する漢字の読み間違いは、意外に身近なところに潜んでいます。「出汁」「灰汁」「和える」など基本的な用語でさえ正しく読めていないことがあります。正しい読み方を知ることで、レシピ本がもっと読みやすくなり、料理の腕も上がるかもしれません。日々の料理の中で少しずつ漢字を覚えていきましょう。