国名の難読漢字20選|世界の国を漢字で読む
新聞の国際面や歴史書を読んでいると、カタカナではなく漢字で表記された国名を目にすることがあります。現在ではカタカナ表記が主流ですが、漢字による国名表記には歴史的な背景が詰まっています。この記事では、世界の国名を表す難読漢字を20個取り上げ、その読み方と由来を紹介します。
ヨーロッパの国名漢字
ヨーロッパの国名漢字は、江戸時代から明治時代にかけて定着したものが多くあります。
西ヨーロッパの国名
| 漢字 | 読み方 | 正式名称 | 由来 |
|---|---|---|---|
| 英吉利 | イギリス | グレートブリテン及び北アイルランド連合王国 | ポルトガル語のInglesに由来 |
| 仏蘭西 | フランス | フランス共和国 | 音をあてた当て字 |
| 独逸 | ドイツ | ドイツ連邦共和国 | オランダ語のDuitsに由来 |
| 伊太利 | イタリア | イタリア共和国 | 音をあてた当て字 |
| 西班牙 | スペイン | スペイン王国 | 音をあてた当て字 |
「英吉利」は略して「英」と表記されます。新聞などで「日英関係」「英国」と書かれているのはこの漢字に由来します。「仏蘭西」も同様に「仏」と略され、「仏教」の「仏」とは異なる文脈で使われます。
北ヨーロッパ・東ヨーロッパの国名
| 漢字 | 読み方 | 正式名称 | 由来 |
|---|---|---|---|
| 芬蘭 | フィンランド | フィンランド共和国 | 音をあてた当て字 |
| 瑞典 | スウェーデン | スウェーデン王国 | 音をあてた当て字 |
| 諾威 | ノルウェー | ノルウェー王国 | 音をあてた当て字 |
| 洪牙利 | ハンガリー | ハンガリー | 音をあてた当て字 |
| 波蘭 | ポーランド | ポーランド共和国 | 音をあてた当て字 |
「瑞典」の「瑞」はめでたいという意味を持つ漢字で、スウェーデンの略称として「瑞」が使われます。「瑞西」と書けばスイスを指すため、混同に注意が必要です。
アジアの国名漢字
東アジア・東南アジアの国名
| 漢字 | 読み方 | 正式名称 | 由来 |
|---|---|---|---|
| 印度 | インド | インド共和国 | 古代中国での呼称に由来 |
| 比律賓 | フィリピン | フィリピン共和国 | 音をあてた当て字 |
| 越南 | ベトナム | ベトナム社会主義共和国 | 中国語の漢字名がそのまま |
| 泰 | タイ | タイ王国 | 音をあてた一字 |
| 緬甸 | ミャンマー | ミャンマー連邦共和国 | 中国語の漢字名に由来 |
「越南」は中国語でも同じ漢字を使い、「ユエナン」と発音します。「越」は中国南方の古い地域名で、その南に位置することから「越南」と呼ばれるようになりました。
中東の国名
| 漢字 | 読み方 | 正式名称 | 由来 |
|---|---|---|---|
| 土耳古 | トルコ | トルコ共和国 | 音をあてた当て字 |
| 以色列 | イスラエル | イスラエル国 | 音をあてた当て字 |
| 沙烏地亜剌比亜 | サウジアラビア | サウジアラビア王国 | 音をあてた当て字 |
「土耳古」は略して「土」と書かれることがあります。「土日関係」と書かれるとトルコと日本の関係を指します。文脈によっては「土曜日」と混同しうるため注意が必要です。
アメリカ大陸の国名漢字
南北アメリカの国名
| 漢字 | 読み方 | 正式名称 | 由来 |
|---|---|---|---|
| 亜米利加 | アメリカ | アメリカ合衆国 | 音をあてた当て字 |
| 加奈陀 | カナダ | カナダ | 音をあてた当て字 |
| 墨西哥 | メキシコ | メキシコ合衆国 | 音をあてた当て字 |
| 伯剌西爾 | ブラジル | ブラジル連邦共和国 | 音をあてた当て字 |
| 秘露 | ペルー | ペルー共和国 | 音をあてた当て字 |
「亜米利加」は略して「米」と表記されます。「日米関係」「米国」という表記は新聞やニュースで頻繁に目にします。「伯剌西爾」は略して「伯」とされ、「日伯交流」などの表記に使われます。
国名漢字が使われる場面
新聞・報道での略称
新聞では紙面のスペースを節約するために、国名を漢字一字で略すことが広く行われています。主な略称は以下のとおりです。
| 略称 | 国名 |
|---|---|
| 米 | アメリカ |
| 英 | イギリス |
| 仏 | フランス |
| 独 | ドイツ |
| 露 | ロシア |
| 豪 | オーストラリア |
これらの略称は「日米首脳会談」「独仏関係」のように組み合わせて使われます。日常的にニュースを読む上で知っておくと便利な知識です。
歴史書・文学での表記
明治時代の文学作品や歴史文書では、国名が漢字で書かれていることが一般的です。夏目漱石の作品にも「倫敦(ロンドン)」「巴里(パリ)」といった都市名の漢字表記が登場します。歴史書を読む際にも国名漢字の知識は役立ちます。
国名漢字の覚え方
略称から覚える方法
まずは新聞でよく使われる一字の略称を覚えるところから始めると効率的です。「米」「英」「仏」「独」「露」「豪」の6つは特に使用頻度が高いため、優先的に覚えましょう。
音の当て方の法則を理解する方法
国名漢字は基本的に音読みで外国語の発音に近い漢字をあてています。「仏蘭西」であれば「フ・ラン・ス」と音読みを並べるとフランスになります。この法則を理解すると、見慣れない国名漢字でもある程度推測できるようになります。
グループで覚える方法
地域ごとにグループ分けして覚えるのも有効です。ヨーロッパ、アジア、アメリカ大陸と分類し、地図を見ながら漢字名を確認していくと地理の知識と漢字の知識が同時に身につきます。
まとめ
国名の漢字表記は、日本が西洋諸国と交流を始めた時代の名残です。現代ではカタカナ表記が主流ですが、新聞の略称や歴史文書ではいまだに漢字が使われています。「米」「英」「仏」「独」といった基本的な略称を覚えるだけでも、ニュースの理解が深まるでしょう。国名漢字を通じて、日本と世界のつながりの歴史に思いを馳せてみてください。