インタビュー調査の方法と注意点|卒論のための実践ガイド
インタビュー調査は質的研究の代表的な手法であり、卒業論文でも多く用いられます。しかし、適切に計画・実施しないと有用なデータが得られません。ここではインタビュー調査の実践方法を解説します。
インタビュー調査の種類
構造化インタビュー
あらかじめ決められた質問を順番通りに聞く方法です。全ての対象者に同じ質問をするため比較がしやすいですが、柔軟な掘り下げが難しいです。
半構造化インタビュー
大まかな質問項目は準備しますが、回答に応じて追加質問を行う方法です。一定の構造を保ちながら柔軟に対応できるため、卒論で最もよく使われます。
非構造化インタビュー
質問項目を事前に決めず、自由に会話する方法です。探索的な研究に適していますが、データの整理が難しく、初心者にはハードルが高い手法です。
インタビューの準備
インタビューガイドの作成
半構造化インタビューでは、大きなテーマと具体的な質問項目をまとめた「インタビューガイド」を作成します。質問は5〜10個程度に絞り、オープンエンドの質問(はい/いいえでは答えられない質問)を中心にします。
対象者の選定
インタビュー対象者は研究の目的に合った人を選びます。「どのような基準で対象者を選んだか」を論文に記述する必要があるため、選定基準を明確にしておきます。
同意の取得
インタビューを行う前に、研究の目的、データの取り扱い方法、録音の有無などを対象者に説明し、書面で同意を得ます(インフォームドコンセント)。
インタビューの実施
場所と時間
静かで落ち着ける場所を選びます。カフェよりも会議室や個室のほうが適しています。所要時間は30分から1時間程度が一般的です。
録音の方法
対象者の許可を得た上で、ICレコーダーやスマートフォンで録音します。万が一の機器トラブルに備えて、二台で録音するのが安全です。
聞き方のコツ
対象者の話を遮らず、うなずきや相槌で傾聴の姿勢を示します。沈黙を恐れずに待つことも重要です。対象者が自分の言葉で語れるよう、誘導的な質問は避けます。
データの整理
逐語録(トランスクリプト)の作成
録音を文字に起こした逐語録を作成します。1時間のインタビューの文字起こしには4〜6時間かかるのが一般的です。時間に余裕を持って計画します。
コーディング
逐語録のテキストをテーマ別に分類する作業がコーディングです。繰り返し現れるキーワードやパターンを見つけ出し、カテゴリーに整理します。
まとめ
インタビュー調査は対象者の深い理解を可能にする強力な手法ですが、準備から分析まで多くの手間がかかります。インタビューガイドの作成、同意の取得、丁寧な聞き取り、正確な逐語録の作成という各段階を着実に進めることが、質の高い研究につながります。