なぞかけ上達のコツ|もっとうまく作る5つの技
なぞかけの基本は「お題を決めて、同音異義語を探し、意外な答えと結びつける」という流れですが、慣れてきたら次の段階として、もう一段うまく聞かせるための技を身につけると表現の幅がぐっと広がります。この記事では、基本を押さえた人向けに、なぞかけをもっとうまく作るための5つのテクニックを、実際のなぞかけの実例とともに紹介します。
技1:具体的なモノだけでなく「感情・状況」をお題にする
初心者のうちは「寿司」「野球」のように具体的なモノをお題にすることが多いですが、一歩進んだ作り方として「焦り」「安堵」「気まずさ」といった心理描写や、その場の状況そのものをお題にする方法があります。抽象的な感情や場面からお題を立てると、聞き手が「そう来たか」と驚きやすく、なぞかけ全体に深みが出ます。
遅刻しそうな満員電車とかけて、真夏の炎天下でのランニングととく そのこころは、どちらも「あせ(汗)」が止まりません。
「満員電車」という具体的な情景の中にある「焦り」という感情を、それが引き起こす「汗」という体の反応に置き換えて答えに落とし込んでいます。モノではなく、状況や感情から発想する練習をしてみましょう。
技2:オノマトペ(擬音語・擬態語)を掛詞に使う
「ばたばた」「そわそわ」「はらはら」といった擬音語・擬態語は、当てはめる場面によって意味合いが変わるため、掛詞の材料として使いやすい言葉です。オノマトペをお題や答えの一部に忍ばせると、説明がいらないぶんテンポの良いなぞかけになります。
締め切り直前の編集部とかけて、飛び立つ直前のニワトリととく そのこころは、どちらも「ばたばた」しています。
編集部の慌ただしさと、ニワトリが羽を「ばたばた」させる様子を重ねています。オノマトペは意味の説明がいらない分、テンポよく聞かせられるのが魅力です。
技3:あえて言い切らない「体言止め」で余韻を残す
「そのこころは、〜です」と最後まで丁寧に説明すると、わかりやすい反面、少し説明過多に聞こえることがあります。掛詞の言葉で言い切る体言止めを使うと、聞き手に最後の一歩を自分で埋めてもらう余韻が生まれます。
傘とかけて、親の七光りで出世した人ととく そのこころは、どちらも「かさ(傘/笠)」。
「〜に着ています」まで言わず「かさ」で言い切ることで、「笠に着る(人の力や立場を借りて威張る)」という言葉を聞き手自身に思い出させる仕掛けです。言い切ったほうが余韻が残り、聞き手の「なるほど」を引き出しやすくなります。
技4:目の前にあるモノを即興でお題にする
宴会やイベントでその場の空気を一気につかむには、あらかじめ用意したネタよりも、目の前にあるモノをその場でお題にする即興力が効果的です。日頃から身の回りのものを見て「これは何と掛けられるか」を考える練習をしておくと、いざというときに強くなります。
食卓の醤油差しとかけて、白熱した将棋の対局ととく そのこころは、どちらも「さす(差す/指す)」のが得意です。
醤油を「差す」ことと、将棋の駒を「指す」ことをかけています。その場にあるものをそのままお題にできると、居合わせた人たちから「おお」という反応を引き出しやすくなります。
技5:「そのこころ」の後に一言添えて余韻を強める
掛詞そのものが正しくても、言いっぱなしで終わると印象に残りにくいことがあります。掛詞のあとに、状況を軽くまとめる一言を添えると、聞き手の納得感がもう一段深まります。
忘年会の一発芸とかけて、打ち上げ花火ととく そのこころは、どちらも「いっぱつ(一発)」勝負、決まったときの拍手が格別です。
「一発勝負」という共通点を示したあとに「決まったときの拍手が格別です」という一言を添えることで、聞き手が情景を思い浮かべやすくなります。ただし付け加えすぎると長くなるので、一言程度にとどめるのがコツです。
まとめ
なぞかけをもっとうまく作るには、①感情や状況をお題にする、②オノマトペを活用する、③体言止めで余韻を残す、④目の前のモノを即興でお題にする、⑤一言を添えて余韻を強める、という5つの技が役立ちます。どれもすぐに実践できるものばかりなので、まずは1つずつ試しながら、自分なりのスタイルを見つけてみてください。