なぞかけの作り方|初心者でもできるコツと例題20選
なぞかけは「○○とかけて○○ととく、そのこころは?」という形式で、二つの異なるものに共通する意味を見つけ出す日本の伝統的な言葉遊びです。宴会の余興や落語の大喜利でもおなじみですが、コツを押さえれば誰でも作ることができます。この記事では、なぞかけの基本ルールから実際の作り方、すぐに使える例題まで詳しくご紹介します。
なぞかけとは?基本のルールを理解しよう
なぞかけは江戸時代から庶民の間で親しまれてきた言葉遊びの一種です。基本的な構造は「○○とかけて○○ととく、そのこころは○○」という三段構成になっています。
最初の「○○」はお題(テーマ)で、次の「○○」は一見お題とは無関係に見えるもの、そして「そのこころは」の後に、両者に共通するダジャレや意味のかけ言葉を述べます。
たとえば「布団とかけて降参ととく、そのこころは、どちらもシキ(敷き/指揮)をとります」のように、同じ音で異なる意味を持つ言葉(掛詞)を使うのがポイントです。
なぞかけが成立するための条件は次の三つです。
- お題と答えが一見無関係であること
- 「そのこころは」で両方に共通する掛詞があること
- 聞いた人が「なるほど」と思える意外性があること
この三つがそろったとき、なぞかけは美しく「ととのいました」と言えるのです。
なぞかけの作り方:5ステップで完成
なぞかけを作るには、逆算で考えるのがもっとも効率的です。以下の5ステップに沿って作ってみましょう。
ステップ1:お題から連想する言葉を書き出す
まずお題に関連する言葉をできるだけたくさん書き出します。たとえばお題が「野球」なら、バッター、ピッチャー、ホームラン、ストライク、三振、ベンチ、マウンド、キャッチャーなどです。
ステップ2:同音異義語を探す
書き出した言葉のなかから、別の意味でも使われる言葉を探します。「ストライク」なら「ストライキ(労働争議)」、「マウンド」なら「マウント(優位に立つ)」のように、音が似ていて意味が違う言葉を見つけましょう。
ステップ3:別の意味の方から新しいお題を考える
「ストライク」を「ストライキ」と読み替えたら、ストライキに関係するもの、たとえば「労働組合」「賃上げ交渉」などを考えます。
ステップ4:組み合わせて文にする
「野球とかけて賃上げ交渉ととく、そのこころは、どちらもストライク(ストライク/ストライキ)が気になります」のように文を組み立てます。
ステップ5:声に出して確認する
実際に声に出してみて、テンポがよいか、意味が通じるかを確認します。長すぎるとテンポが悪くなるので、短くまとめるのがコツです。
すぐ使えるなぞかけ例題20選
ここからは、さまざまなジャンルのなぞかけを20個ご紹介します。宴会やスピーチの場面で使えるものを厳選しました。
日常生活のなぞかけ
1. 目覚まし時計とかけて、新入社員ととく そのこころは、どちらもあさ(朝/浅)いところで鳴ります。
2. 冷蔵庫とかけて、厳しい上司ととく そのこころは、どちらもなかが冷えています。
3. エレベーターとかけて、人生相談ととく そのこころは、どちらもうえ(上/飢え)が気になります。
4. カレンダーとかけて、転職活動ととく そのこころは、どちらもひ(日/火)がつかないと始まりません。
5. 洗濯機とかけて、おしゃべりな人ととく そのこころは、どちらもよくまわります。
食べ物のなぞかけ
6. 寿司屋とかけて、株式投資ととく そのこころは、どちらもネタが大事です。
7. おにぎりとかけて、サッカー選手ととく そのこころは、どちらもにぎ(握り/2議)ることで形になります。
8. ラーメンとかけて、人気俳優ととく そのこころは、どちらもあつい(熱い/厚い)ファンがいます。
9. 餃子とかけて、選挙ととく そのこころは、どちらもひょう(票/皮)がポイントです。
10. 天ぷらとかけて、新築の家ととく そのこころは、どちらもあげ(揚げ/上げ)たてが一番です。
仕事・学校のなぞかけ
11. 会議とかけて、釣りととく そのこころは、どちらもながびく(長引く/長引く)とつらくなります。
12. 宿題とかけて、借金ととく そのこころは、どちらもためる(溜める/貯める)と大変です。
13. プレゼンとかけて、寿司職人ととく そのこころは、どちらもネタの仕込みが命です。
14. 通勤ラッシュとかけて、人気のパン屋ととく そのこころは、どちらもぎゅうぎゅう(牛々)に詰まっています。
15. 残業とかけて、延長戦ととく そのこころは、どちらもていじ(定時/提示)をすぎています。
季節・行事のなぞかけ
16. お花見とかけて、結婚式ととく そのこころは、どちらもまん(満)開になると盛り上がります。
17. 夏休みとかけて、宝くじととく そのこころは、どちらもき(期)たい(待)が大きいほど楽しめます。
18. クリスマスとかけて、受験勉強ととく そのこころは、どちらもよる(夜/寄る)が長いほど本番です。
19. 大掃除とかけて、ダイエットととく そのこころは、どちらもよごれ(汚れ/余分)を落とすのが目的です。
20. お正月とかけて、引っ越しととく そのこころは、どちらもあらた(新た)まった気分になります。
なぞかけ上達のための3つのコツ
なぞかけをより上手に作るためのコツを三つご紹介します。
コツ1:日頃から同音異義語を意識する
日本語には同音異義語が豊富にあります。普段の会話や読書のなかで「この言葉、別の意味でも使えるな」と意識する習慣をつけると、なぞかけのネタが自然と増えていきます。「はし(橋/箸/端)」「かみ(紙/髪/神)」「き(木/気/記)」など、短い言葉ほど同音異義語が多いので注目してみてください。
コツ2:お題と答えの距離を離す
お題と答えがあまりに近い関係だと、意外性が薄れてしまいます。たとえば「野球とかけてソフトボールととく」では近すぎます。「野球とかけて賃上げ交渉ととく」のように、一見まったく関係ないもの同士を結びつけるほうが、聞いた人の驚きと笑いを引き出せます。
コツ3:テンポよく短くまとめる
なぞかけは短いほど切れ味が鋭くなります。「そのこころは」の部分が長くなりすぎると、聞いている側がダレてしまいます。掛詞を含む部分はできるだけ簡潔にまとめましょう。理想は「そのこころは」の後が10文字以内です。
よくある失敗パターンと対策
なぞかけを作るときに陥りがちな失敗パターンを知っておくと、より質の高いなぞかけが作れます。
掛詞の音が微妙に違う
「かける」と「かえる」のように、似ているけれど違う音を無理やり掛詞にしてしまうパターンです。聞いた人が一瞬「?」となってしまうので、音はぴったり一致させましょう。
「そのこころは」の説明が長すぎる
掛詞だけでは意味が通じないと思って、つい説明を加えたくなりますが、長い説明はなぞかけの魅力を半減させます。聞いた人が自分で「ああ、なるほど」と気づくのが理想です。
お題と答えが近すぎる
前述の通り、二つのものの距離が近いと意外性がなくなります。できるだけかけ離れたジャンルから答えを探しましょう。
まとめ
なぞかけは「お題から連想語を出す」「同音異義語を探す」「別ジャンルと結びつける」という三つの工程で作ることができます。最初は難しく感じるかもしれませんが、同音異義語のストックが増えるにつれて、自然と作れるようになります。
まずはこの記事で紹介した20個のなぞかけを覚えて、宴会や日常会話で披露してみてください。慣れてきたら、自分でオリジナルのなぞかけを作ってみましょう。きっと言葉の奥深さと面白さを再発見できるはずです。