花の漢字20選|花の名前を漢字で読む
花の名前は普段カタカナで書かれることが多いですが、漢字で表記すると花の特徴や由来が見えてきます。「紫陽花」「石楠花」「百合」など、美しい漢字の並びは花そのものの美しさを文字に映し出しているかのようです。この記事では、花にまつわる漢字を20個取り上げ、読み方と花の特徴を紹介します。
春の花の漢字
早春に咲く花
| 漢字 | 読み方 | 花の特徴 | 漢字の由来 |
|---|---|---|---|
| 蝋梅 | ろうばい | 蝋のような質感の黄色い花 | 蝋のような梅に似た花 |
| 水仙 | すいせん | 白と黄の清楚な花 | 水辺の仙人のような花 |
| 椿 | つばき | 冬から春に咲く常緑の花 | 春の木という意味の国字 |
| 沈丁花 | じんちょうげ | 強い芳香を放つ常緑低木 | 沈香と丁字の香りに似る |
| 菫 | すみれ | 紫色の小さな可憐な花 | 墨入れに形が似る |
「椿」は国字(日本で作られた漢字)です。「春に花を咲かせる木」という意味が込められています。日本では古来より愛されてきた花で、万葉集にも登場します。ただし、花が丸ごと落ちることから武士の間では縁起が悪いとされたこともあります。
春本番の花
| 漢字 | 読み方 | 花の特徴 | 漢字の由来 |
|---|---|---|---|
| 躑躅 | つつじ | 春に鮮やかな花を咲かせる | 立ち止まって見とれる美しさ |
| 藤 | ふじ | 紫色の房状の花 | つるが巻きつく植物 |
| 牡丹 | ぼたん | 大輪で華やかな花 | 雄(牡)の赤(丹)い花 |
| 菖蒲 | あやめ(しょうぶ) | 紫の美しい花 | 菖(しょう)の蒲(がま) |
「躑躅」は「つつじ」と読みます。「躑躅」の字は「立ち止まる」という意味で、その花の美しさに人が立ち止まって見とれるほどだという由来があるとされています。春の山を彩るツツジは日本各地に名所があります。
夏の花の漢字
初夏の花
| 漢字 | 読み方 | 花の特徴 | 漢字の由来 |
|---|---|---|---|
| 紫陽花 | あじさい | 梅雨時に青紫に咲く | 紫色の陽のような花 |
| 百合 | ゆり | 大きく美しい花弁 | 百枚の鱗片が合わさる球根 |
| 向日葵 | ひまわり | 太陽に向かって咲く大輪 | 日に向かう葵 |
| 朝顔 | あさがお | 朝に開く漏斗形の花 | 朝に咲く顔のような花 |
「紫陽花」は「あじさい」と読みます。実はこの漢字表記は中国の別の植物(ライラック説あり)にあてられていたものを、日本で誤って紫陽花に使ったとされる説があります。アジサイの語源は「あづさい(集真藍)」で、青い花が集まっている様子を表しています。
盛夏の花
| 漢字 | 読み方 | 花の特徴 | 漢字の由来 |
|---|---|---|---|
| 芙蓉 | ふよう | 大輪のピンクの花 | 蓮に似た美しい花 |
| 鳳仙花 | ほうせんか | 赤い花、実に触れると弾ける | 鳳凰の仙人の花 |
「芙蓉」は「ふよう」と読みます。中国では蓮の花を「芙蓉」と呼ぶこともあり、美人の形容として「芙蓉の顔(ふようのかんばせ)」という表現があります。日本では主にフヨウ科の花を指します。
秋冬の花の漢字
秋の花
| 漢字 | 読み方 | 花の特徴 | 漢字の由来 |
|---|---|---|---|
| 秋桜 | コスモス | 秋風に揺れるピンクの花 | 秋に咲く桜のような花 |
| 竜胆 | りんどう | 青紫の釣鐘形の花 | 根が竜の胆のように苦い |
| 石蕗 | つわぶき | 冬に黄色い花を咲かせる | 石の間に生える蕗に似た草 |
| 石楠花 | しゃくなげ | 豪華な球状の花 | 石の間に楠に似た花 |
「竜胆」は「りんどう」と読みます。根が非常に苦く、竜の胆(きも)のようだと例えられたことからこの漢字があてられました。秋の山野に咲く青紫の花は、秋の七草には含まれていませんが日本人に親しまれてきた花です。
冬の花
冬に咲く花の代表は「椿(つばき)」と「山茶花(さざんか)」です。この二つはよく混同されますが、花の散り方に違いがあります。椿は花ごと落ち、山茶花は花びらが一枚ずつ散ります。
花の漢字と文化
花を使った慣用句
「花も実もある」は外見も中身も兼ね備えていること、「花より団子」は美しいものより実益を優先すること、「高嶺の花」は手の届かない憧れの存在を意味します。花にまつわる慣用句は日本語に非常に多くあります。
家紋と花
日本の家紋には花のモチーフが多く使われています。「菊」は皇室の紋章、「桐」は政府の紋章として知られています。「藤」「梅」「桜」も家紋に多く用いられる花です。
まとめ
花にまつわる漢字は、日本人が花を愛でてきた歴史と文化の結晶です。「紫陽花」「石楠花」「躑躅」など難読漢字も多いですが、漢字の由来を知ると花の特徴が浮かび上がってきます。季節の花を楽しみながら漢字を覚えていくと、日本語の豊かさをより深く味わえるでしょう。