北海道の自然に由来する難読地名15選
北海道には広大な湿原、切り立った岬、神秘的な湖など、雄大な自然景観が広がっています。これらの自然に由来する地名の多くはアイヌ語をルーツとしており、読み方が難しいものが少なくありません。ここでは北海道の自然に由来する難読地名を15個紹介します。
岬・海岸の地名
| 地名 | 読み方 | 所在地 | 由来・解説 |
|---|---|---|---|
| 襟裳岬 | えりもみさき | えりも町 | アイヌ語「エンルム(岬)」に由来 |
| 積丹半島 | しゃこたんはんとう | 積丹町 | アイヌ語「シャクコタン」に由来 |
| 知床 | しれとこ | 斜里町・羅臼町 | アイヌ語「シリ・エトク(大地の突端)」 |
| 納沙布岬 | のさっぷみさき | 根室市 | アイヌ語「ノッ・サム(岬の傍ら)」 |
「襟裳岬」は「えりもみさき」と読みます。日高山脈の南端が太平洋に突き出した岬で、強風で知られる場所です。アイヌ語の「エンルム(突き出た頭)」が転じて「えりも」になったとされています。
「積丹」は「しゃこたん」と読みます。アイヌ語の「シャクコタン(夏の村)」に由来するとされ、積丹ブルーと呼ばれる美しい海の色で知られています。
「知床」は「しれとこ」と読み、2005年に世界自然遺産に登録された半島です。アイヌ語の「シリ・エトク(大地の突端、地の果て)」に由来し、まさにその名の通り自然のままの姿が残る最果ての地です。
湿原・平野の地名
| 地名 | 読み方 | 所在地 | 由来・解説 |
|---|---|---|---|
| 釧路湿原 | くしろしつげん | 釧路市ほか | 「クシュル(通路)」に由来する説 |
| サロベツ原野 | さろべつげんや | 豊富町・幌延町 | アイヌ語「サロ・ペッ(葦の川)」 |
| 美幌 | びほろ | 美幌町 | アイヌ語「ピ・ポロ(水多い所)」 |
| 弟子屈 | てしかが | 弟子屈町 | アイヌ語「テシカ・カ(岩盤の上)」 |
「弟子屈」は「てしかが」と読みます。摩周湖や屈斜路湖がある阿寒摩周国立公園の中心的な町です。アイヌ語の「テシカ・カ(岩盤の上)」に由来するとされ、「でしかつ」と読み間違えやすい地名です。
「サロベツ原野」は利尻礼文サロベツ国立公園の一部をなす広大な湿原です。アイヌ語の「サロ・ペッ(葦原の川)」に由来し、多くの野鳥や高山植物が見られる自然の宝庫です。
山・火山の地名
| 地名 | 読み方 | 所在地 | 由来・解説 |
|---|---|---|---|
| 大雪山 | たいせつざん | 上川管内 | アイヌ語「ヌタプカウシペ」の和訳 |
| 羊蹄山 | ようていざん | 倶知安町ほか | 蝦夷富士とも呼ばれる |
| 雌阿寒岳 | めあかんだけ | 足寄町 | アイヌ語「マチネシリ(女の山)」 |
| 十勝岳 | とかちだけ | 上富良野町 | アイヌ語「トカプチ」に由来 |
「大雪山」は「だいせつざん」ではなく「たいせつざん」と読みます。北海道の屋根とも呼ばれる広大な山系で、旭岳(標高2,291メートル)は北海道の最高峰です。アイヌ語では「ヌタプカウシペ(川がめぐる上のほうの広い所)」と呼ばれていました。
「羊蹄山」は「ようていざん」と読みます。標高1,898メートルの美しい円錐形の山で、その姿から「蝦夷富士」とも呼ばれています。
湖の地名
| 地名 | 読み方 | 所在地 | 由来・解説 |
|---|---|---|---|
| 摩周湖 | ましゅうこ | 弟子屈町 | アイヌ語「キンタン・カムイ・トー」 |
| 然別湖 | しかりべつこ | 鹿追町 | アイヌ語「シカリ・ペッ(回流する川)」 |
| 風蓮湖 | ふうれんこ | 根室市・別海町 | アイヌ語「フーレ・ペッ(赤い川)」 |
「摩周湖」は「ましゅうこ」と読みます。透明度が非常に高いことで世界的に知られるカルデラ湖です。アイヌ語では「キンタン・カムイ・トー(山の神の湖)」と呼ばれていました。
「然別湖」は「しかりべつこ」と読みます。北海道の湖の中で最も標高の高い場所(810メートル)に位置する天然湖です。冬には湖上に「しかりべつ湖コタン」と呼ばれる氷上の村が作られることで知られています。
まとめ
北海道の自然に由来する難読地名は、アイヌの人々が自然の特徴を的確に捉えて命名したものが大部分を占めています。「知床(大地の突端)」「登別(濁った川)」「大雪山(川がめぐる広い所)」など、アイヌ語の意味を知ることで地名が自然の姿を描写していることが理解できます。北海道の地名は、この土地の自然とアイヌ文化の記憶を今に伝えるものといえるでしょう。